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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで
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さきの部屋

さき

「K、どこ行ってたの?」

かほ

「セカイに」

さき

「え?セカイって……あそこに
行ってたの!?」

かほ

「そう。
……それで、決めた」

かほ

「わたしは夜のために曲を作る。
夜を……救いたいの」

さき・あいか

「え……?」

あいか

「……そっか。
ミクと話したんだね」

あいか

「本当は消えたいなんて思って
ない……か」

さき

「……………」

あいか

「ねえ、K。
ボクも一緒に連れてってよ」

かほ

「え?」

あいか

「もちろん、ボクが行ってもなんにも
なんないし、
夜のことは、夜にしかわかんないけど」

あいか

「でも、ボクの感じた気持ちを
伝えたって
いいと思うんだよね」

あいか

「……夜がいなくなったら、寂しいって
気持ちはさ」

かほ

「Amia……」

かほ

「わかった。
セカイに行く時は、連絡する」

あいか

「ありがとう、K」

さき

「………………………」

あいか

「……さきなんは、一緒に
行かない?」

さき

「行かない」

さき

「KもAmiaも、夜のこと構い過ぎ
じゃない?」

さき

「しんどいのなんて、みんな一緒でしょ。
夜だけ特別なわけじゃない」

さき

「……あのセカイとかいう変な場所に
いるってところだけは、
ちょっと違うかもしれないけど」

さき

「でも、だからって夜のためにあんな
ところに
行きたいなんて、私は思わない」

さき

「……だから、行かない」

あいか

「……そっか」

あいか

「わかった。なら、ボク達だけで
行こうか。K」

かほ

「うん」

かほ

「話を聞いてくれてありがとう、
さきなん」

さき

「………………………」

かほの部屋

タンッタン、タンッタン

かほ

(急いで作らないと……。夜が、
消えてしまう前に)

かほ

メインはストリングス……?
ううん、もっと、厚い音がいい
はず……

かほ

早く、夜に届く曲を……

かほ

(……でも。
もしかして、わたしはまた、
同じ間違いを繰り返そうとしているの
かもしれない)

かほ

(お父さんのために作った曲は、
お父さんを追い詰めた)

かほ

(夜のために作っているこの曲も……
もしかしたら、夜を余計に追い詰める
かもしれない)

かほ

(……わたしの曲が、また、誰かを
不幸に……)

かほ

(……ううん)

かほ

(ミクが教えてくれた)

ニゴミク

あの子を見つけてあげられるとしたら、
きっとかほの曲しかない

かほ

(……わたしの曲は、エゴでできてる。
「自分の曲で誰かを幸せにしたい」って
いう、わたしのエゴで)

かほ

(そんな曲に、誰かを救う力なんて、
本当はないのかもしれない)

かほ

(それでもわたしは……ミクの言葉を
信じたい)

かほ

(夜を、わたしの曲で__今度こそ
救いたい)

かほ

……できた……

かほ

……Amiaに連絡しなくちゃ

あいか

「K、曲できたってほんと!?」

かほ

「うん」

あいか

「すごいスピードで作ったんだね。
それで、どんな曲ができたの?」

かほ

「今、送る」

ピロン

あいか

「…………………」

あいか

「……そっか、こういう曲になったんだね」

あいか

「K。きっと届くよ。この曲」

かほ

「ありがとう。それじゃあ……」

ピコン

あいか

「さきなん?起きてたの?」

さき

「……作業してたから」

さき

「K、曲できたの?」

かほ

「うん。さきなんも、聴いてくれる?」

さき

「……いいけど」

ピコン

さき

「………………………」

さき

「……やっぱりKの曲は、あったかいね」

かほ

「ありがとう」

さき

「……行ってらっしゃい」

さき

「ちゃんと、戻ってきてね」

あいか

「もっちろん!
それじゃあ、行こうK!」

かほ

「うん。
__会いに行こう、夜に」

プロセカのちょっと変えたストーリー

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