テストも近付いたとある日の放課後 誰もいない教室で テスト前の勉強会をすることになった
机を4つくっつけて それぞれやりたい教科をやっていく
順調に進めているとき 急に彩葉の手が止まった
正面に座る彩葉に声をかける
彩葉は微妙な反応をした
上村謙信
吉岡彩葉
時計を見ると まだ30分程しか経っていない
高尾颯斗
上村謙信
颯斗の応援に 明らかに嫌そうな表情をした
上村謙信
吉岡彩葉
授業中、結構な頻度で 時計を見ているのを思い出す
山下永玖
ワークがキリ良く終わったのか 永玖が顔を上げた
その言葉に うんうんと頷く彩葉を見て 3人で笑った
山下永玖
吉岡彩葉
吉岡彩葉
山下永玖
吉岡彩葉
出会って数週間しか経っていないのに ここまで仲良くなるるなんて 思ってなかった
高尾颯斗
吉岡彩葉
高尾颯斗
山下永玖
上村謙信
ふと彩葉の視線が外に向いた
上村謙信
振り返ってみれば 立派な飛行機雲があった
上村謙信
高尾颯斗
高尾颯斗
山下永玖
彩葉は空を見るのが好きらしい
ぼーっと空を眺める彩葉を 窓際に呼んで 4人で並んで空を見上げる
高尾颯斗
吉岡彩葉
先生
見回りに来た先生が 俺たちに声をかけた
高尾颯斗
急いで机の上を片付けて 机の向きも元通りにした
先生
先生に別れを告げて教室を出た
上村謙信
あったらもうちょっとやんない?
誘えば、みんなが頷いた
上村謙信
"近くのファミレス行く?"と 言いかけたとき 彩葉がスマホを見せてきた
吉岡彩葉
高尾颯斗
山下永玖
吉岡彩葉
吉岡彩葉
上村謙信
彩葉は少し 嬉しそうに笑みをもらした
お邪魔しまーす
案内されるまま 彩葉の家に立ち寄った
通された先の彩葉の部屋は いかにも女の子って感じで 少し落ち着かない
見てはいけないと思いつつも ついつい辺りを見回してしまう
上村謙信
本棚の いちばん目立たない場所に置かれた 卒業文集を たまたま見つけてしまった
それを手にとってページを捲ると 小学生の彩葉の文字があった
高尾颯斗
颯斗の声と共に ドアを開ける音がして 振り返ると彩葉がいた
おぼんに人数分のお茶を乗せて じーっと俺の手元に視線を落とした
焦ったように 机におぼんを置いて 卒業文集に手を伸ばした
上村謙信
文集を閉じて返せば 見てもいいよという風に戻された
高尾颯斗
吉岡彩葉
山下永玖
吉岡彩葉
またパラパラとページを捲って 彩葉のページで止めれば 彩葉の丁寧な字が現れた
生き物に溢れた 自分を表現するのが苦手な彩葉のページ
どこの誰のページよりも 文字数と絵は少ないけれど そこには丁寧さがあった
"将来の夢:獣医さん"の文字に なんとなく納得する
山下永玖
吉岡彩葉
高尾颯斗
吉岡彩葉
そのメッセージに いつもお弁当を自分で作っていることを ふと思い出した
山下永玖
高尾颯斗
どれだけふたりが褒めても 彩葉はどこか浮かない表情
上村謙信
吉岡彩葉
吉岡彩葉
吉岡彩葉
吉岡彩葉
今にも泣き出しそうな顔で じっと俺を見つめてくる彩葉が 今までにないくらい苦しそうで 助けてあげたくなった
山下永玖
高尾颯斗
吉岡彩葉
吉岡彩葉
吉岡彩葉
ぽつぽつと送られてくるメッセージは きっとどれも本当の気持ち
安堵したように ほっと息を吐いた颯斗と永玖
上村謙信
山下永玖
彩葉ママ
気が付けば彩葉のお母さんが 帰って来る時間になっていたらしい
ガチャ、という音と共に 彩葉のお母さんが顔を覗かせた
高尾颯斗
山下永玖
上村謙信
彩葉ママ
上村謙信
彩葉ママ
片付けて玄関まで来たのはいいものの じゃあ帰るね、と彩葉の方を見れば 何故か少し寂しそうな顔をしていた
高尾颯斗
それに気付いた颯斗が からかうように声をかけた
吉岡彩葉
"寂しくないよ"と言いたげな表情で 首を横に振ったけど 本当は寂しいの、バレてるんだけどな、
山下永玖
上村謙信
高尾颯斗
吉岡彩葉
上村謙信
吉岡彩葉
高尾颯斗
お邪魔しました
挨拶をして彩葉の家を出た
コメント
3件
最高!続き待ってる!