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赤×桃 『 完全犯行 』
背景描写注意
どぞ ▼
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❤️
向き合って座り、無心で彼の頬を抓る。
目に沢山の涙を溜め、俺の両腕を力一杯握り、 離させようとする。
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そろそろ本気で大泣きしそうなのを見越し手を離す。
強く握った指の痕が薄い桃色の頬に赤く残る。
それを今度は優しく指で摩る。
摩りながら俺はなんとも言い難い高揚感に包まれる。
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そんなのお前がかわいい反応すんのがわりい
❤️
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❤️
ズビッと鼻をすすり、 こいつは床から立ち上がってドアノブに手をかける。
チラッと俺の方を振り返り、
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そう言い残し、扉から出ていく。
はあ…
俺も立ち上がり、扉を開く。
出て行ったのなら、玄関へと続く1階に降りようと右下を見ると、壁を背にして蹲っているらんを見つける。
俺が扉を開けたことに気づき、涙目に八の字眉で俺を見上げる。
❤️
勢いよく出て行った割に、それは威勢だけで かわいい事をしているこいつを見て俺は、わざとらしく質問する。
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毎回素直に謝られるとこっちの毒気も抜かれる。
付け加えるように、自分で言って想像しちゃった…と。
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溜まった大粒の涙を流しながら、俺に向かって手を広げる。
そんなの言うまでもねえだろ、ふざけんな
❤️
俺に向けられた両手を受け入れ、正面から赤ん坊を抱っこするのと同じように、この大きな赤ちゃんを抱える。
”ずっと一緒がいい”、ね
俺は心の中で嘲笑する。
❤️
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愛が、な
俺はこいつと同じだとは言い難いが、 愛が重いことの何が悪いのか分からない。
俺はガラス細工を置くように、 こいつをこだわり抜いた寝具に下ろす。
よく俺の家に訪問してくるこいつの為に取り揃えた一級品ばかり。
俺はこいつには健康でいてほしいから。
せめて俺の手元に居る内は、 最低限のお世話くらいする権利はあって当然だよな
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❤️
手際良く慣れた手つきで、 そっちに意識を向けずとも勝手に動く俺の腕。
こいつも満更でもないように、昔のように恥ずかしがることもなく、それが当たり前のようにばんざいのポーズを取る。
首をくぐりぬけると、俺の視界がらんでいっぱいになった。
鼻同士がくっつく程に。
大食いなこいつに俺は今日も貪られる。
必ず俺にやり返されるのにいつもいつも、 最初はこいつからスタートし、 最後には普段の強気な威勢は何処へやら…と言うのが 俺たちの情事のルーティンだ。
限界がきたこいつは俺から少し離れ、 潤んだ表情でただひと言。
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……。
またそんな俺に都合のいい事を言って。
こいつはよくムードに呑まれる所がある。
さっきもそう。
何回同じやり取りをしただろうか。
そんな自分達を客観的に見ては、 きっしょと言葉が漏れてしまった。
感情に任せて激情した後、 俺が求めている言葉を言って、 俺も俺で毎回それを許している時点で、どっちが執心しているのやら。
きっと…いいや、見てわかるように、
愛が重いのは俺の方だ。
らんは俺じゃなくても生きていけるんだろう。
だから俺はらんと同じだとは言い難いんだ。
いつからだろうか、 ここまでの感情をこいつに抱くようになったのは。
❤️
俺は力強く、一生繋ぎ止めておけるように抱きしめる。
……?
珍しく、”やめて”と言わないらん。
頬を強く抓るのも、 全てはらんを繋ぎ止めておく為に表れた無意識下の行動だったんだと思う。
でもそれは、らんには伝わらないからいつも拒絶されるんだ。
そりゃそうだよな、w
本人からしたら、ただ痛いことをされているだけなんだから。
そんないつもを脱して、俺と同じように背中に両手を回すらん。
🩷
また、そんな仮面を被ってまで俺に奉仕する。
でもそれが例え偽りだとしても、 俺はその仮面に縋って生きていくしかないんだ。
「まだ中にある気する…」
「全部出したわ」
「それはありがとうだけど違う!…お前のが」
「おかわり欲しいの?」
「しね」
”やっとッッ、俺のものになったな…♡”
ここまで閲読あざました。 リクエストありがとうございました! ▼ 赤×桃で テーマ→依存 でした
最後の台詞はどちらでしょうね、?
2回目読むとまた全てが違って見えてくるかも…?
まだまだリク募集中ですので是非〜