一覧ページ

死ぬならあなたの腕の中

第4話 - 201号室のあの子

259

2024年07月30日

#司類

#冬類

#冬彰

#感動

#瑞類

リルル🍳🎼

類

瑞希くん、入っても良いかな？

＜…うん……

バサッ

類

こんにちは、瑞希くん。

瑞希

うん…こんにちは、類センセイ。今日もこれあげる。

類

うん……

類

(相変わらず、って感じだなぁ…)

毎回、ジップロックに入った、血が付着したリ◯カに使用したと思われるカッターを渡してくる。

類

(何故なんだろう…)

類

今日も、切ったの？

瑞希

…うん。

瑞希

ねぇ、嫌いになった？

類

…ううん、そんなわけないさ。

瑞希

じゃあ好き？？

類

ああ。好きだよ。

瑞希

嘘、ついてない？

類

！

類

ふふ、そんなことないよ。ありのままの瑞希くんが一番さ。

瑞希

…そう。ありがとう。

類

うん＿＿

瑞希

じゃあさぁ……

瑞希

あの時も、それ言える？

類

…！！

瑞希

あの時さ、言ってくれなかったよね。「好き」って。

類

…それは、

瑞希

言い訳？？白々しいね。

瑞希

ボク、知ってるんだよ。本当はボクの事嫌いでしょ？こんな面倒くさい性格だし、前と変わっちゃったし。趣味も特技も、全部おかしい。

瑞希

ヘンな子でしょ？？ヘンな子は、嫌いでしょ？

類

落ち着いて、瑞希くん、

瑞希

ボクね、センセイに構ってもらうためにいつもこうして呼び出してるんだよ。

瑞希

腕を切って、それで周りから心配されるってのが堪らなく好きなんだ。

瑞希

みんなコレを止めようとする。でも先生は止めないよね？「それで君が幸せなら」ってさぁ…

瑞希

ああ幸せさ。みんな心配してくれるし、ストレス発散になるし、センセイは構ってくれるし、メリットしかない。痛みなんて感じないからデメリットなんてない。

瑞希

だから＿＿＿

冬弥

暁山さん。いい加減にしてください。

瑞希

……

類

え、青柳先生…

冬弥

先生、先生は天馬達の所へ行ってあげてください。寂しがっていますよ。

類

え、で、でも…

冬弥

暁山さんなら、俺から言っておきますので…

類

…ありがとう、ございます。失礼します。

瑞希

……っ

冬弥

……暁山さん。

瑞希

……っあ''ーもう！！うるさいうるさいうるさい！！！

瑞希

鬱陶しいんだよ！！どいつもこいつも邪魔してさぁ！！！！

冬弥

…

瑞希

ボクはボクのしたい事してるだけなんだよ！！！あの時も、今も！！！！

瑞希

せっかく髪も切ったのに…可愛いものも全部捨てたのに…リボンも切ったのに…っ

瑞希

どうして…今もボクのしたい事に邪魔されなきゃいけないんだよ…ッ

冬弥

……っ

類

はい、司くん。あーん…

司

あー……ん！！おいひいれす！！

類

ふふ、良かったぁ…

彰人

…オレは何を見せられてんすか。

類

おやおや、君もだよ？ほら、あーん

彰人

は！？い、嫌っすよ！！

司

ほら！！早く！！！

彰人

はぁ…？ったく……ぁーー……

彰人

…ん、うま

司

だろ！？類先生が食べさせてくれると更に全部美味しくなるんだ！！

彰人

いや、そりゃ関係ないと思いますけど。

類

ふふふ、♪

類

このゼリーだけは食べられるよね、司くん。

司

はい！昔から先生が食べさせてくれてたので！！

司

この病院に入院したころからずっと食べてるので、思い出の味…みたいな感じですかね？これだけは味もして美味しいです！！！

類

ふぅん…ふふ、良かった。でも、それ以外も食べておくれよ？体に悪いんだから。

司

類先生が食べさせてくれるなら喜んで食べます！！！

類

ええ？ふふ、もう。なんだいそれ。

彰人

(寝よ……)

司

……ん''！？！？え、せせ、せん、先生、服に血が…！？！？！？

彰人

は！？！？

類

ん？あ、本当だ…さっき着いちゃったのかなぁ……

司

ど、どど、どどどｯ、お怪我でもしたんですか！？

類

あー…いや、まぁ色々あって…ね？医者にはよくあることだよ。多分。

司

へ、へぇ……

彰人

ええ…

ゴトッ

司

え？ゴトッ…？

司

…、ぎゃあ''あああああ！？！？！？

彰人

うわ、うるさ！？なんすか……うおっ、これ…地の着いたカッター？んでこんなもんが……

彰人

…もしかして先生、殺…？

類

…え、いや違うよ！？誰も◯してないからね！？

彰人

冗談ですって笑笑

司

え、え、え、え、え……

彰人

めちゃめちゃ動揺してるし…

彰人

…あ、もしかして誰かリ◯カしたんすか？

類

え、そうだけど…どうして分かったんだい？

彰人

あーオレの姉貴が自傷癖あるんで…ここに来る前はよくこの光景見ました。

類

へぇ…

司

え、え、お姉さんって絵名さんだろう？リ◯カなんてするような雰囲気じゃなかったけどなぁ…

彰人

まぁ、ちょっと情緒不安定気味なんで。大変だったっすよ。

彰人

腕切るわ、オレに八つ当たりするわ、弱音吐くわ…

類

とか言いつつ、ちゃーんと世話焼くの彰人くんの良いところだよねぇ…(⁠ ⁠◜⁠ω◝⁠ ⁠)⁠

司

ですねぇ…(⁠ ⁠◜⁠‿⁠◝⁠ ⁠)⁠

彰人

やめろくださいその顔

バサッ

冬弥

失礼します。

類

おや、青柳先生……

冬弥

暁山さんについてお話があるのですが、今大丈夫でしょうか？

類

ええ、大丈夫です。

類

ごめんね2人共、また戻って来るから。

司

あ、は、はい…！

彰人

はーい

類

…それで、瑞希くんは？

冬弥

あの後、かなりの暴れようでした。

冬弥

ですが、疲れたのか気絶したように眠りに入って…

冬弥

今は血が付着したシーツの片付けや、暁山さんの治療を看護師に任せています。

類

…分かり、ました……

類

ごめんなさい、青柳先生に全て任せてしまって…

冬弥

いえ、俺としてはあの二人の事を見ていてほしいので。

冬弥

…あの、今回もカッターを渡されましたが？

類

ああ、はい…相変わらず。

類

何故なんでしょう…

冬弥

…俺の予想、なんですが…

冬弥

多分暁山さんは、マーキングのような感じで渡しているんだと思います。

類

マーキング…？？

冬弥

ええ。

冬弥

暁山さん、こんな調子になる前はもっと活発で、自分の''好き''だけを貫いて、

冬弥

何より、神代先生にベタベタでした。まるで、神代先生に依存しているかのように。

類

！！

冬弥

前は…というより、神代先生への依存のようなものは今も変わりませんが。

冬弥

"自分の血が着いた"カッターを渡してくる、ということは……そういうことなのだと思います。

類

…ぁ…そ、うですかね…

冬弥

あ、ご、ごめんなさい。こんなの俺の予想に過ぎないので、そんなに気にしないでください！！で話は以上です、では…！

類

あ、は、はい！ありがとうございました。

類

…

類

(……マーキング、か…)

続く

この作品はいかがでしたか？

259

3件

あの時は好きって言わなかった、、って一体なにがあったんだろ、、続きが気になる(・∀・)

瑞希のショートも可愛い!!!!いやロングでも可愛いけど!! 神代先生にマーキング､､ぐへへ( ᷇ᴘ ᷆ ) ちゃんと心配してくれるところとかやっぱり彰人くんのいいところだよねぇ( ◜ω◝ )

リルル🍳🎼

プロフィール

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

死ぬならあなたの腕の中

第4話 - 201号室のあの子

作者の他の作品すべて見る

#司類の新着小説
一覧

関連するタグ

死ぬならあなたの腕の中

第4話 - 201号室のあの子

作者の他の作品すべて見る

#司類の新着小説一覧

関連するタグ

#司類の新着小説
一覧