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意味が分かると怖い話

第1話 - 第1話双子の誕生会

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2025年05月30日

#意味が分かると怖い話

#ホラー

りふぇ

由香

私は昔からよくイジメられていた。

由香

歩くのがうるさいとか、

由香

先生に可愛がられてるとか、

由香

なんか気持ち悪いとか、

由香

ほとんど言いがかりみたいな理由で。

由香

それで色々と意地悪された。

由香

教科書や机に落書きされるのは別にいいんだけど、

由香

上靴とか連絡帳を隠されるのは正直、困った。

由香

けど、私もやられっぱなしというわけじゃない。

由香

しっかりと仕返しはする。

由香

私は人よりも耳が良いみたいで、

由香

教室の端にいても、全員の話していることを聞き取れるんだよね。

由香

だから、悪口とか、誰が誰を好きとかっていう話を聞き取って、

由香

本人にバラしたりして、友人関係を壊すなんてこともやってたんだ。

由香

……今、考えると結構、悪質だよね。

由香

でも、私も同じくらい意地悪されたから、おあいこってことで。

由香

だけど、今回は完全にこれが裏目に出た。

由香

クラスメイトの葵が、そんな私に目を付けてイジメ始めたのだ。

由香

これがかなり悪質で、

由香

今までは意地悪で済む程度だったんだけど、

由香

怪我をするくらい。

由香

しかも、周りには自分がやったってバレないようにするのが上手い。

由香

仕返ししようにも隙を出さないし、ホントに困る。

由香

そんな中、私を庇ってくれる人もいた。

由香

違うクラスの朱莉ちゃん。

由香

葵とは双子で、

由香

親でも見分けが付かないくらいそっくりらしい。

由香

今まで見分けられた人がいないんだってさ。

由香

まあ、私からしたら、

由香

全然違うでしょって感じなんだけどね。

由香

とにかく、葵と朱莉ちゃんは双子でも、性格は真逆。

由香

朱莉ちゃんは本当に優しくて、いつも私の味方をしてくれる。

由香

ホント、天使って、朱莉ちゃんみたいな子を言うんだと思う。

由香

そんなとき、葵と朱莉ちゃんの誕生日会を開くってことで、家に呼ばれた。

由香

最近の葵は本当に調子に乗ってて、手が付けられないほどだ。

由香

だから、私はちょっとした悪戯をすることにした。

「誕生日会で葵に不幸が訪れる」

由香

そんな手紙を出してやったの。

由香

葵はこんなのはただの悪戯だって強がってるけど、

由香

ずっと朱莉ちゃんの近くにいるから、大分、ビビッているみたい。

由香

そっくりな朱莉ちゃんと一緒にいれば、

由香

相手が見分けがつかないはずだから、大丈夫だって思ってるんだろうね。

ざまあみろ。

由香

これで少しは懲りたか、って思ったときだった。

由香

急にバンと音がしたと思ったら、みんなが叫び始めた。

由香

物凄い混乱ぶりだ。

由香

それから５分後。

由香

今度はさっきよりも凄い悲鳴が聞こえてくる。

由香

阿鼻叫喚ってやつ。

由香

なんと、葵が包丁で刺されていたみたい。

由香

すぐに警察が来て、葵の両親や誕生会に参加している人たちからの事情聴取を始める。

由香

そして、警察は私を容疑者として逮捕した。

由香

調べたところ、葵になにか目印みたいなものを付けられてた痕跡がなかった。

由香

だから、『停電で暗闇の中』、葵を特定して刺せる人間は『盲目』の私しかいない、だって。

由香

うん。いい推理だね。

由香

私が、葵と朱莉ちゃんを判別できることは、みんな知ってたし。

由香

私が警察だったら、きっと同じことを考えたと思う。

由香

でもね、私は数日後に釈放されたんだ。

由香

なぜなら、真犯人が見つかったから。

え？　誰が犯人か、って？

由香

いるじゃない。

由香

私以外で見分けることができる人が。

──もう一人だけ。

解説

↓

犯人は朱莉。

親でも見分けがつかないくらいそっくりな双子でも、本人にはどっちが葵かがわかる。

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