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ごめん、大好きだったよ。Ⅱ

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ごめん、大好きだったよ。Ⅱ

第1話 - ごめん、大好きだったよ。Ⅱ

2018年05月27日

#恋愛

沙良

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沙良

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莉絵

天使さん…。

天使

信じられないのも無理はないのですよ。死人からの着信など、怖い事この上ない。

天使

地上の人間には、理解し難いのです。

莉絵

…そんな…。

天使

…自分に、変化がある事に気がつきましたか？

莉絵

私…家族の顔が、思い出せなくなってる。これって、気のせいじゃないよね？

天使

一日ごとに、あなたは記憶が曖昧になる。未練が残っている記憶が消えない時間…それがここでの1年間。

天使

あなたに時間はない。私は、手助けはするけどあなたに言葉は貸しません。

莉絵

…それでいいの。ありがとう。

忘れないうちに…私はあの二人に伝えなきゃいけない事がある。スマートフォンを起動した。

その時は、夏になっていた。

悠貴

あいつからの着信、数日に１回位だな。待ってるんだけどな。

ピコン

悠貴

…莉絵！！

トーク画面

莉絵

悠貴

莉絵

そっちはもう夏かな？

悠貴

ああ、毎日暑くってたまんねーよ。バイト始めたんだけど死ぬるよ（笑）

莉絵

無理しちゃダメだよ。

悠貴

莉絵

悠貴？どうしたの？

悠貴

ご、ごめんな！そのさ…えっと…僕、実は…。

悠貴

智美、最近元気ないからこーやって、莉絵からラインあったら教えながら話してたんだよ。黙っててごめんね。

莉絵

悪い事してないじゃん。私は、智美とも話したい。

莉絵

智美に伝えられなかった気持ちがある。

悠貴

分かった。言ってみる。

悠貴と智美のライン

智美

何？また莉絵の事でしょ

智美

特に知りたいとかないんだけど？

悠貴

そんな事言わないで聞いてくれ。莉絵から頼まれたんだ。

悠貴

莉絵が、伝えきれてない気持ちがあるから、伝えたいって。

智美

…あれからずっと、頭を冷やしてたんだ、私。

悠貴

ん？

智美

あれは、完全にあたしの勝手なヤキモチだった。莉絵に謝らないといけなかったのに。

智美

あたし、莉絵が悠貴と仲良いのが気に入らなかったの。

悠貴

何で？

智美

あたしの隣には、いつも莉絵がいたの。莉絵を取られたみたいで、悲しくて悔しくて。

智美

だから、そうゆう感情が爆発してしまって…冷静に話を聞こうと出来なかった。

悠貴

そうか。僕にも多少責任あるな。

智美

悠貴は悪くないの。とりあえず、莉絵にはいいよって言って。

悠貴

おう！

莉絵と智美のライン

智美

莉絵、ごめん。ずっと、あたし…莉絵を悠貴に取られたみたいで、イライラしてて、それで八つ当たりみたいになっちゃって…

智美

莉絵、許してくれないよね…

莉絵

莉絵

そういう事だったんだね。分かった。

莉絵

でも、分かってほしい。私は、悠貴が凄く好きで、病気の事が分かってから…離れたら死んでしまうって考えてしまって

莉絵

それで私、悠貴との時間も智美との時間も大事にしてるつもりでいた

莉絵

それが、智美がつらかったんだよね。私、死ぬまでずっと、悠貴と智美の事しか頭になかった。それは信じて欲しい。

智美

信じるよ、莉絵の事だもん、嘘つかないもん。

莉絵

ありがとう、智美。

莉絵

智美には、もう十分伝わったかな…。もう思い残した事は悠貴に伝える事だけだな。

智美

悠貴には、時間かけて伝えたいんでしょ。

智美

いいよ、あたしも手助け軽くはするから。

莉絵

ありがとう。

智美は、ラインを閉じて俯く。

智美

莉絵、あたしにちゃんと伝えきった。それで、いいはず、なのに…

智美

どうして、

智美

話せるのに、死んでるのよ、莉絵…。

成仏までの時間は、あと4ヶ月。