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2006年、当時17歳だった長谷川千代さんが近所の河川敷で遺体で発見された。
これは事故として処理されたが、この事故にはいくつもの不審な点があった。
第1発見者は長谷川千代さんと事故当日河川敷で遊んでいた友人であるA子さんであり、
長谷川千代さんの姿が見当たらないことに気づき河川敷を探したところ川の底でうつ伏せの状態になっている長谷川千代さんを発見した。
しかしこれには1つ不審な点があった。 河川敷で発見された長谷川千代さんの遺体である。
長谷川千代さんは溺水した際に土手から落ち川底に叩き付けられたが、遺体の状態はうつ伏せだった。
溺死した場合、通常仰向けの状態で発見される。これは溺死した時に空気を取り込もうとする為であり、
溺れた際に肺に水が入ってしまった場合呼吸困難で窒息死してしまうからである。
この不審な点から警察では事故ではなく殺人事件として捜査が行われたが、
証拠や目撃情報など犯人を特定できる物的証拠が見当たらず逮捕することはできなかった。
また当時長谷川千代さんと付き合いのあった男性たちや知人友人兄妹などにも確認をしたが、
皆口を揃えて「千代さんとは別れた」と証言した。
その証言に嘘はないと思われたのだが、一人の男性が「別れた後も一度だけ2人で会っている」と発言した。
この証言から長谷川千代さんは多くの知人友人から嫌悪されていたことが推測され
遺体発見時うつ伏せだった事も踏まえ事故の再調査を求められたがその要求は却下された。
インターネットでこの事故は大きく話題を呼び誰かが長谷川千代さんを事故に見せかけ殺害したのではないかと
様々な憶測が飛び交ったが誰も気が付くことは出来なかった。
しかし事故から16年後、2023年6月10日。 ネット上にとある動画が投稿された。
タイトルは「たすからない」
動画冒頭にはカラオケにいる長谷川千代さんと複数の男性が写っており、動画の撮影者は声から推測するに30、40代ほどの女性の様だった。
別の映像に切り替わったが、今度もまた長谷川千代さんと複数の男性が写っていた。
しかしその映像の撮影者の声は、先程の映像から聞こえていた長谷川千代さんのものだった。
そして最後の映像。その映像には長谷川千代さんと見られる女性が複数の男性に身体を押さえつけられ
浴槽に顔を沈められている場面が映っていた。
撮影者は、笑っているようだった。
後に筆者は自殺し、この小説を書いている。