双子 ー 兄
弟の続きです
まだ読んでない方はそちらから
注意書きもそちらと同じです
黄
黄
なになに?
いいじゃん!
今度の休みに連れてってあげる
黄
黄
兄は昔から僕に甘かった。
することも行くところも
僕の意見を優先してくれて
寂しい思いをすることはなかった。
けど
数分先に生まれた兄は
そうじゃなかったみたいだ。
風邪をひいた。
双子の兄、赤と同時に。
僕は風邪を引くのが
珍しかったせいか
悪化してしまい
病院に行くことになった。
僕には桃にぃと紫にぃが付いてくれた
元々は赤の看病をしていた紫にぃ。
赤にはきっと橙にぃか青にぃが 付いているんだろうな
ぼんやりとする頭で そんなことを思いながら 桃にぃが運転する車に揺られていた。
診察を終えて家に着いた。
紫
桃
桃
後ろで交わされる会話を聞きながら 玄関のドアを開けた。
青
橙
紫
桃
そんな会話は耳に届かず
僕にはひとつの疑問が 頭に浮かんでいた。
黄
黄
青
橙
桃
紫
紫
紫
紫
黄
返ってきたのは
冷たい回答。 まるで赤には興味がないような
それを聞いたら
黄
なんとなく、 今まで沢山赤は苦しんでいたんだ
そんな風に思った。
今も赤は一人でいる。
そう思うといても立っても居られなくて
黄
紫
橙
自分の体調なんてどうでもよくなって
赤の部屋に向かって走り出していた。
黄
黄
ガチャ
黄
ドアを開けると部屋の主の姿はなく
代わりに
吐瀉物とぐしゃぐしゃの布団
が残されていた。
桃
桃
黄
黄
桃
紫
桃
紫
橙
紫
青
橙
橙にぃの声を聞いて 一斉にスマホを確認する兄達。
紫
桃
橙
青
黄
僕たちの望むものは見当たらず 無言になってしまった。
紫
紫
部屋を見ていた紫にぃがそう呟く。
それにも気がついていなかったんだ
黄
なんだか呆れて溜息が出た。
黄
兄達には任せておけない。 僕は走って玄関に向かった
桃
紫
紫
黄
黄
後ろから聞こえてくる声に返事をする
そのまま外に駆け出した。
赤side
あれから足を動かして どれだけ経っただろう。
気がついたら海に辿り着いていた。
赤
赤
風邪を引いていたのを忘れていた。
自覚するとなんだか辛く感じる。
堤防に座り額に手を当ててみる。
赤
熱、上がったかな
これからどうしようか
俺がいないことに
兄弟は気がついていないだろう
することもなく近くの自販機で スポーツドリンクを買った。
赤
風邪にはスポーツドリンク そんな常識の意味がわかった気がする
しばらく海をこのまま眺めていよう
黄side
黄
赤を探すため家を出て15分
体調も悪化してきて クラクラする。
けど、このまま僕が探さなかったら 赤はどうなる
兄弟は赤じゃなくて僕を探している
兄弟に見つかったら引き戻されるだろう
だから見つからないよう赤を探す
そうこうしている内に 知らない道に来てしまった。
黄
スマホも持たずにでてきた為 本当に道がわからない
仕方なくそのまま道なりに進んでいくと
海に着いた。
黄
こんなところあったんだ
眺めていると
黄
見覚えのある綺麗な赤い髪
後ろ姿だったが
確実に赤だ。
声を掛けにいくため足を進める
黄
赤
赤
相手も僕に気がついたらしく 後ろを振り返った。
黄
赤
黄
赤
黄
黄
黄
黄
赤
赤
赤
黄
赤
黄
赤
黄
黄
赤
赤
黄
黄
黄
黄
黄
赤
赤side
お兄ちゃんのこと ということは本当に気がついたのだろう
赤
赤
赤
なにより、黄を責める気にはならない 黄に非はなかった。
黄side
黄
そう言った赤の顔は寂しげで
泣きそうにも見えた。
赤
黄
赤
赤
黄
僕がこれをすることで 少しでも 少しだけでも和らぐといいな
赤
赤
黄
熱のことを忘れていた。
赤
黄
僕に笑いかけて頭を撫でてくれる赤。
数分の差の兄だけど
すごくお兄ちゃんに 年上に感じた。
かなり長くなってしまった……
一応「双子」は終わったんですけど
後日談とか番外編欲しければ
書くこと位はできます
215tapお疲れ様でした
コメント
4件
番外編欲しい!!後日談も! てかストーリー良すぎる どうなったらこんなの作れるんですか
後日談欲しいです。できればこの続きで兄弟のがいいです。