ずっと同じ場所で息を殺していたら夜になっていた
屋敷の構造は彼に地図を貰ったので完全に覚えており主人の狐の部屋は別館の1番奥の場所なのでここから少し遠い
しにがみ
しにがみ
さっさと仕事を終わらせ彼を連れて帰ろうと思い立ち上がるがまた邪魔が入ってしまった
しにがみ
空にいた彼は地面に着陸し、僕と目線を合わせるように話しかけて来たがそれが癪で僕は少し怒り混じりに言葉を交わした
一刻も早く彼をあの忌々しい狐から助け出したいのにどいつもこいつも僕の邪魔をしてくる
しにがみ
人を一人殺すにも決意をしなければならないのに殺せと言ったり待てと言ったり自分勝手すぎる
しにがみ
しにがみ
討論をしている時間すらも勿体無いししたところで人形が勝てるわけもないので大人しく彼についていく事にした
しにがみ
彼に連れられて歩いている場所は渡された地図にない道でどこに向かっているのか一切予想がつかない
此処にくるまでに誰に会うのか少し簡単に教えてもらったが運営の最高権力者でありあの狐の親に会うらしい
廊下を進むごとに空気が重く押しつぶされそうになるがまだ許容範囲だ
しにがみ
コンコン
母上
部屋に入った瞬間先程までの比では無いほど重々しく圧が凄い
足を一歩動かすだけでも大変でいつもどの様に歩いていたのか忘れそうになり体制を崩しそうになる
母上
しにがみ
母上
しにがみ
彼女はこの空間に似合わずとても友好的で怖いぐらい優しいので警戒が一切解けない
母上
しにがみ
母上
しにがみ
この感覚懐かしいあの施設にいる時みたいにその人が何を言ってほしいのか『はい』か『いいえ』で答えるゲーム
しかし一回でも返答をミスると殺されるルールの単純で簡単なゲーム
生き残るためには自分の意思は関係ない。全力で合わせることを考えるのがあの施設で長生きする秘訣だ
母上
母上
ーーのおかげで狐の親は僕に尋問という質問をやめた本題に入ってくれた
しにがみ
本当は【殺す】と確定で言いたいが此処でそれを言うのは自殺行為だ
母上
しにがみ
母上
しにがみ
部屋の鍵を僕に渡すと彼女は退出することを命じ僕は用意された部屋に向かった
向かうしかなかった
人形が退出したおかげで俺は領主と二人きりになった
顔や声には出さなかったものの彼女が俺を呼ぶ時はめんどくさい命令が待っていることを十数年一緒にいるので理解した
母上
自分以外の全ての人を道具で自分さえ良ければいい自己中なコイツなので人形と話していた時も見下していたのを俺は見逃さなかった
正直ぺいんとを買ったのがコイツなら躊躇なく俺が殺して貰っていた
母上
しかし俺にとって彼女の手助けは必要なので必要以上に媚を売るしかない
母上
母上
今の俺と彼女の意見は被る事が多いから命令という大義名分でそいつを消せる
あんな人形に8番を取られてたまるか
俺と彼は家族だが同時に恋敵だ
恨むなら8番を買った自分を恨むべきだ
しかし彼が死んで仕舞えば他の家族が悲しむし俺自身8番さえ俺の手に渡れば彼を殺さなくてもいい
だが8番が手に入らなければ悲しいが俺がらだを殺す
コメント
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あぁああぁあぁぁぁぁ…ゔぁ……ア゜……(尊死) 良すぎた……そう、良すぎた…(語彙力喪失)
らっだぁと謎の人のエンドが気になります!
みんな様投票ありがとうございます!!どのエンドに進むかは最後まで内緒ですが楽しむに読んでくださいね!