心音が高まる
こめかみから流れる汗は床に垂れる
の あ
?が収まらない
自分はなぜ知らぬ家のベッドに横になっていた??
唸り声をあげながら昨日の出来事を思い出そうと頭を抱えて体を捻らす
あの後はいつの間にか寝てしまっていたのだろうか
そしてここは一体誰の家なのか
頭を抱えて体を捻らせていると微かに階段をのぼる音が聞こえた
不思議と緊張してそばにあった鳥のぬいぐるみを抱き抱えて端で丸まる
こんこん
「へっ」という私の情けない声と当時に響くノック音
ゆあんですけどー
のあおきてるー?
の あ
あの男だと知った瞬間心が和らいだ
見知らぬ男の家だったらどうしようかと
ゆ あ ん
の あ
26にもなってあまりにも情けない声が彼を笑わす
けたけたという分厚いフォントが浮かび上がりそうなくらい不思議な笑い方をする
なんとなく、その笑い方が好きだった
ゆ あ ん
の あ
ゆ あ ん
すこし困り眉をして首を傾げる
ゆ あ ん
ゆ あ ん
ゆ あ ん
いきなり鼻が付きそうになる距離まで近づいてきた
おおきい瞳とぱっちり二重がよく見える
少し猫目な目を細めて距離を戻す
の あ
の あ
ゆ あ ん
の あ
目に入った自分の鞄を持って彼の言葉も聞かず玄関へ猛ダッシュした
もう会うことはないのだろうか
少し不思議な気持ちが心を揺らした
の あ
大の大人が汗垂らしながら全力疾走する姿はあまりにも醜いことであろう
どうして自分はこんなに必死なのか
いきなり我に返り周囲を見渡す
気がつけば一部の人の視線がこちらに向いていることに気がついた
顔を赤らめてやや早足で家まで向かう
顔を伏せて歩いていたせいで人にぶつかる
これは誰がどうにもこちらが悪い
ごめんなさいっと頭を下げる
じ ゃ ぱ ぱ
私より20cm以上身長の高い赤髪の男性はへらへらわらって手を揺らした
じ ゃ ぱ ぱ
じ ゃ ぱ ぱ
だいじょうぶ?そういって顔を近づけてくる
こんなにも醜い顔面を晒すのには流石に耐えられない
の あ
彼の体を押す
彼はびっくりしたようにこちらを見やる
今の自分、すごい最悪
また足を一歩二歩と歩幅を広げて走り出す
後ろを振り返る勇気すら周囲を確認する余裕すらない
自分がなにをしているのか本当にわからない
ばふっ
自分の家のベッドが1番落ち着く
顔をうづめて数秒経つが当たり前に呼吸ができない
ぶはっと枕から顔を出す
顎から鼻下まで枕にうめる
また会いたい
また会って謝罪をしたい、お礼を言いたい
ぶつかってしまった彼にも、謝りたい
社会人として、大人として、挨拶は常識なのだから
でももう会うことなどない
連絡先だって交換してないし、彼の家だってわからない
たまたま彼の最寄り駅がわたしと一緒だったからなんとか自分の家まで帰れたけど
駅から彼の家までの道のりはとっくに忘れた
あのバーだって、名前が難しそうな英語だったから覚えていない
ぴこん
暗くなっていたスマホに1件の通知により明るく光る
重い体を起こしながらスマホに目をやる
LINEに赤いマークが1件
開くとアイコンは銀メダル
名前は yuan
彼だ
あ 、 届 い て る ?
届 い て る 、 ゆ あ ん ?
そ う だ よ 、 い き な り ご め ん
い い よ 、友 達 追 加 し て た っ け
の あ が ね た 後 、勝 手 に 追 加 し た
パ ス ワ ー ド は ?
指 紋 認 証 使 っ た
最 低
す ん ま せ ん
こ う し と か な い と 、 次 会 え な い 気 が し て
ま た 会 っ て く れ る ?
う ん 、
よ か っ た
じ ゃ あ 、そ れ だ け だ か ら
お や す み
おやすみ
朝の九時だというのに彼は何を言っているのだろうか
さっきのこともあり、困惑しているのか知らないが
また会ってくれるんだ
の あ
これは恋心などではない
親しみと尊敬の意
彼ともっと仲良くなりたい
特別な関係にはなりたくない
彼にとって、信頼できる右腕でいたい
そう思ったのは初めてで、自分のことを少ししれた気がした
え と
顔を支える右腕を机に乗せ左手は新作フラペチーノの紙ストローをいじる
彼女はえと、大学の頃知り合って1度勉強のため遠くへ行ってしまったけどたまに東京に顔を出す
そんな彼女にこの感情を越に浸りながら話していた時
透き通るような綺麗な高い声で言い出す
え と
多分無意識にきみは口角をあげ顔を少し赤らめる
の あ
即拒否である
え と
口をくの字にしてフラペチーノを口に運ぶ
彼女はリップをしているらしい
ベースがいいのに更に潤っているきみの唇が開く
え と
の あ
の あ
の あ
の あ
の あ
え と
え と
え と
の あ
はたから見ればただの頷きあってる女子2人
私は追加で注文をしようと瞳をメニューに下ろす
大きな笑い声が聞こえてそちらに目をやる
なんということだろう
え と
私の目の先を見る
中学一年生の間の同級生
私の春が砕け散った原因
初恋の彼がそこにいる
彼は大きく口を開けて男友達4、5人と笑いあってた
机にはノートや教科書が広げられていてたが、とても勉強しに来たとは思えないはしゃぎっぷり
今の彼は、昔と比べてかなり変わっている
昔は前髪が長くて身長も155くらいのどチビだったくせに
いまや座ってても分かる高身長
髪の毛はさっぱりしていて私好み
じっと見つめていたから当たり前、視線に気づいた彼はこちらを見る
私に気がついたのかちょいちょいと手で外に出てというジェスチャーをしてきた
え と
の あ
わりぃ、ちょっと便所!
と、彼の綺麗な声が聞こえる
彼が座っていた席、出入口が見えない距離なのをいいことに...
う り
私の苗字を小走りで駆け寄りながら君は言う
の あ
う り
目を閉じ釣り上げられてるかのようにあがる細い目がずっと好きだ
の あ
にやけ混じりで君を指さす
の あ
う り
固まる君を見てけたけたと小悪魔のように笑う
そう、中学一年生の春、私はあなたに告白した
の あ
う り
ジト目でポッケに手を入れる君
少し耳が赤いような
う り
それはきみが照れてる合図だ
昔からそうだった、君は照れるとすぐ話題を変えて口数が多くなる
う り
の あ
う り
う り
の あ
の あ
どーも保存を忘れて1度全消しされたりーなです
まじで下手くそになってきた希ガス
コメント
3件
良