ルル
……

ナギ
……

ナギ
あ、えっと、まず、相談しないとだよね。
家の人とかに。あと、謝罪も

ルル
親は、いないので、レナさんだけです。
そこにいる、師匠であり、親代わりでもあって、大切な人です、、。

レナ
ありがとね

ルル
わっ、起きてたんですか

レナ
私が負けるわけないじゃない
倒れたふりして様子を観察してたの

魔導具は発動にタイムラグがあるのに、何らかの手段で回避していたらしい
ルル
(流石、、、)

レナ
で、、、?貴方はまだ生きてたい?
魔族は殺しても罪に問われないらしいけど?

ナギ
魔族だからって、悪いって決めつけないでくださいよ。それに、そんな野蛮な師匠、ルルが怖がると思います

2人とも強者の自信があって、綺麗な作り笑いに圧を感じる。
でも、私は魔術師様に名前を呼ばれてドキッとしてしまった
ルル
(夢じゃなくて実際だと、違うなぁ、やっぱり)

気だるげそうな声色も
牽制するような笑みも
甘い名前の呼び方も
全部特別で大好き
ルル
(貴方は私のことなんて覚えてないだろうけど、私は、ずっと貴方のことを想ってたんだよ)

レナ
ルルちゃんのこと、馴れ馴れしく呼ばないで

ナギ
すみません、ルルと僕は呪いで離れられない仲なので(笑)

今まさに戦争が始まりそうではあるけれど、幸福な気持ちが止まらない
ルル
(あぁ、魔術師様の今の笑い方最高すぎて、、、、)

レナ
ねぇ、貴方を殺せば、呪いは解除される?

ナギ
わからないんですか?

レナ
無理に攻撃すると、ルルちゃんも危険よね。低い確率ではあるけど、、。

レナ
ちっぇ

ルル
(え、レナさん、今舌打ちした!?)

レナ
いいわ。許してあげる。一ヶ月くらいで解けるでしょ?その呪い

レナ
店に少しスペースあるから、君も泊まって、、、

ナギ
ありがとうございます!じゃあ、これ、申し訳ないので。

魔術師様がレナさんの手に乗せたのは、大量の金貨だった
レナ
っ!?

ナギ
あー、偽物じゃないですよ?
身分はそこそこ高い方なんで

レナ
、、、

ナギ
そんなに僕が疑わしいなら、あなた方に危害を加えられない呪いをかけてもいいですよ。いや、むしろかけてください

レナ
いいわ。動かないで

レナさんは魔術師様の周りを魔導具で囲い、杖を振った
すると辺りは優しい光に包まれ、少し
たつと光が消えた
ルル
これは?

レナ
魔術を一時的に封印したわ

ルル
え

ナギ
それくらいの方が良いです
信用が増えるなら

ルル
大丈夫、なんですか?

ナギ
君の、、、なら、、て、る

ルル
今なんてっ

ナギ
ん?

ルル
(近い近い)

ルル
あの

ルル
今なんて言ったんですか、、?

ナギ
えー、と、。内緒

ルル
(内緒、、?)

レナ
帰りましょう。疲れたわ。いろいろ

ルル
そう、ですね!行きましょう

ナギ
うん、行こう

魔術師様は、当然のように着いてくる。
私の家に、帰るために
ルル
(すごく、変な感じ)

ルル
(だけど、こうしてみると、結構しっくりくるんだよね、、。)

ルル
(ちょっとでも、魔術師様に近づけるといいな)

会うまで生きるのが必死すぎて、会ってどうしようとか、
全然考えてなかったけど
ルル
(魔術師様に楽しかったって思って貰えるような一ヶ月にしたいっ!)

ルル
?

後ろの茂みから人の気配がしたけれど、振り返っても誰もいなかった
ルル
気のせいか

ナギ
ルル、どうしたの?

ルル
な、なんでもないです!

ナギ
うん、じゃあ、行こっか。

気がついたら魔術師様と手を繋いで
いて、私は、懐かしさとドキドキで
いっぱいになった。