主
主
主
主
センシティブな表現あり 法律違反は確定しています 『片鱗』のネタバレを含みます
主
主
ふと目を開ければ、真っ暗闇の中で立っていた
ここは…どこだろう
自分の姿さえも見えないほどに真っ暗だ
そんな暗闇の中で、声が聞こえた
『どうして俺だけ、普通になれないんだろう』
きんとき
なぜだか深く沁みる声。
俺は…この声の主を、
知っている。
あの子の名前は、「シャークん」
家で両親の喧嘩に巻き込まれ、
学校でもいじめを受けている。
きんとき
そう、ポツリと呟く
再び、声が聞こえる
『死んじまえばいいのに…』
『苦しんで欲しい』
ふと聞こえたその言葉は
俺の胸の奥底に響いた
きんとき
きんとき
そして、気づけばその言葉を
反芻していた
ドクンッ
きんとき
心臓が一度、強く跳ねる。
それと同時に沸々と感情が湧き上がってくるのを感じる。
怒り
憎しみ
恨み
嫌悪
その感情が、良いものではないと理解することは容易だった
しかし、その感情が湧き上がってくる感覚は
俺を奮い立たせた
今なら、
足を踏み出すことができる
声が、再び聞こえる
『今、ここで問おう。』
『あなたの、名前は?』
きんとき
きんとき
パリンッ
何かが割れる音
そうして、俺の右手に、
じんわりと生暖かい感覚が広がっていく
グチャッ
ザアァァァァァァァ…
気づけば、細い路地裏に立っていた
鋭く、冷たい雨が、
容赦なく俺の体から体温を奪っていく
そして、目の前には血濡れて倒れている男子高校生が1人
自分の手元には、血のついたナイフが握られており、
俺が彼を殺したと言うことは
嫌でも理解ができた
きんとき
きんとき
理解のできない状況に
もはや笑みがこぼれる
きんとき
倒れた男子高校生を見ていれば、
それが、シャークんにいじめを行っていた人物だとわかる
コイツがシャークんにした仕打ちが、
脳裏にありありと映し出された
そうなのであれば、
こんなやつどうだっていい。
俺には、守らなければいけない人がいるのだから。
主
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主
主
主
主
コメント
3件
…あぁ、そっか、…シャ~くんを守った行動か、…でも、ん"~、きんちゃぁん、…けど、無意識でやったってことか、ん~、どうなんだろ~(笑) 次も楽しみに待ってる!!