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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

魔力がない。

そんなこと、あるわけない。 あるわけないじゃないか。

だって、君は、君は。

魔法を使ってたんだよ?

月野瀬 蓮

…鈴。

如月 鈴

あの日、無意識に私がここから飛び降りようとしてたのは。

如月 鈴

魔力がない、魔法が使えないと知って、クラスの人に奴隷のように扱われて…。

如月 鈴

魔力がない自分が、嫌になったから。

月野瀬 蓮

…。

如月 鈴

笑うでしょ?いいよ、笑いn

月野瀬 蓮

違うよ。

如月 鈴

…え?。

月野瀬 蓮

違うよ、鈴。君は、魔力はある。

如月 鈴

そんなこと…!だって、水晶には!

如月 鈴

…慰めてほしいわけじゃないよ?

月野瀬 蓮

違うんだ。君はほんとに、魔力はある。

月野瀬 蓮

ただ、少し特殊なんだよ。

如月 鈴

特殊…?

ごめんなさい、お父さん。 言わない方がいいんだろうけど、もう限界だ。

月野瀬 蓮

鈴、いいかい。僕と君はね…。

小さい頃、一緒に暮らしてたんだよ。

如月 鈴

…え?

如月 鈴

…え。

どういうこと?どういうこと?

小さい頃、一緒に暮らしてた? 私と蓮が?

如月 鈴

な、なにそれ…どんな冗談…?

月野瀬 蓮

冗談じゃないよ。

月野瀬 蓮

君は小さい頃、何してた?

如月 鈴

小さい、頃…?

私は、森で迷子のところをお父さんに拾われて…。

…あれ?

じゃあ、お父さんに拾われる前は? どうやって数年間生きてたの?

月野瀬 蓮

…鈴、君はね、森のずっと奥、誰も知らない施設で育った。

月野瀬 蓮

そこには僕と君を含めた、25人の子供がいたんだ。

月野瀬 蓮

僕ら皆のお父さんが、そこで僕らを育ててくれてたんだ。

月野瀬 蓮

でもある日、君は施設から抜け出した。

如月 鈴

なに…それ、そんな記憶…私にはない…。

君の近くにいるとき、君からはいつも 異様な魔力の気配を感じてた。

なるほど…お父さんが10年間君を放っていたのは、 君から記憶を抹消していたからか。

でも、じゃあ何故今になって…?

月野瀬 蓮

…鈴、信じれないだろう、頭がパニックになるだろう、ごめんね。
でも、全部ホントのことなんだ、信じてほしい。

如月 鈴

…信じるよ。

月野瀬 蓮

…え?

如月 鈴

すごいハチャメチャな話だけど、幼い頃の私を知っているのは君だけだろうし。

如月 鈴

…それで、魔力があるっていうのは、どういうこと?

月野瀬 蓮

…ありがとう、信じてくれて。

月野瀬 蓮

君の魔力…というか、施設で育った僕らの魔力は
全て同じつくりなんだ。

月野瀬 蓮

人工的なものには反応しなくてね、自然の中では凄く魔力の濃度が濃ゆいんだけど、普段は感じとれないほど薄いんだ。

月野瀬 蓮

鈴が言っていた水晶は、人の手によって作られた機械のようなものだから、反応しなかったんだと思う。

月野瀬 蓮

周りの魔力の濃度が濃ゆい自然の中で、
本来の力を発揮するんだよ。

月野瀬 蓮

例えば木とか、花とか。僕らが暮らしていた施設は森の奥の方
だったから、魔力も普通に使えて、魔法も撃てたんだよ。

月野瀬 蓮

この学校でも…そうだな、中庭では自然が多いから少しは
魔法が使えるかな。

如月 鈴

な、なるほど…?

月野瀬 蓮

ごめん、説明するのは慣れてないんだ。

如月 鈴

いや、なんとなくわかったよ…。

月野瀬 蓮

そっか、よかった。

如月 鈴

…ねぇ、この前中庭で茎が折れている花に触れたら、
いつの間にか茎が元に戻っていたんだけど。

如月 鈴

あれが、魔法…?

月野瀬 蓮

…多分、それが魔法だと思う。もしかしたら、
鈴は大地の属性なのかな。

如月 鈴

よかった、私にもちゃんと、魔力があって、魔法が使えるんだ…。

如月 鈴

ありがとう、蓮…。

月野瀬 蓮

いいんだよ、それで、鈴。

「これから、どうしたい?」

如月 鈴

最後まで見てくださり、ありがとうございました。
今回ちょっと短かったかな。

如月 鈴

ちゃんと魔力あってよかった〜!

如月 鈴

では、次回もお楽しみに!

ただのモブ、魔法も使えないけど生きてます

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