きゃわしょん。
きゃわしょん。
きゃわしょん。
きゃわしょん。
きゃわしょん。
辺りは炎の海。
鬼殺隊の死体と、僅かに生き残っている人達の呼吸音。
その真ん中に、二人はいた。
○○
無一郎
無一郎が○○を 座って抱きかかえている。
彼ら以外の柱はもう、全滅。
無惨を倒すための犠牲を 多く多く払った。
○○
○○
今にも消えそうな声で ○○は力を振り絞りながら言う。
無一郎
無一郎
涙目、鼻声で告げる無一郎に ○○はふっと笑みをこぼす。
○○
無一郎
後半は声を荒げていた。
○○
○○
炭治郎
善逸
伊之助
禰豆子
少し離れてたところで二人の様子を伺っていた彼らが呟く。
無一郎
○○
顔がどんどん白くなっていく○○に、無一郎は必死に呼びかける。
無一郎
○○
○○
○○は涙を流しながら そのまま息を引き取った。
無一郎
無一郎にとって、大切な人を失うのはもう懲り懲りだろう。
無一郎
叫んだ。叫んでどうにかなるわけじゃないのに、無一郎は叫んでいた。
無一郎
泣きながら、息も絶え絶えに。
だが彼は、ハッキリそう告げた。
○○
私、○○。 まあ高校生ってことにしといてもらえるとありがたい。
親とは離れて 一人の寮暮らしをしている。
そこそこ有名な私立校なため、 寮は一人部屋なのだ。
○○
○○
○○
こんなに急いでいる私だが、 登校の時間までまだ余裕はある。
じゃあなぜこんなに 慌てているのかと言うと……
ピーンポーン
○○
玄関口まで移動して ドアの穴から様子を伺う。
防犯意識ちょー大事。うん。
○○
ドアの穴から見えたのは 幼馴染の同級生。
それはもう顔面偏差値が飛び抜けて高いと有名な双子の片割れだ。
相手が不審者じゃないと分かったためドアを開ける。
○○
無一郎
○○
無一郎
○○
秒で会話が終わり、 ドアを閉じる。
○○
無一郎の事が嫌いというわけでは断じてないが、なるべく一緒の登校は避けたいものだ。
というのも、あんな神ルックスの横を私なんかが歩いているのは気が引ける。
ていうかまず視線が痛すぎる。 主に女子からの。
幼馴染だからという理由で 時に嫌がらせを受けたことも。
○○
無一郎
えこっわ。幼馴染こっわ。 鍵かけてないんだから普通に開けろし。てか大人しく待っとけ。
○○
そして早急に朝の支度を済ませ 無一郎と共に出発した。
きゃわしょん。
きゃわしょん。