恋は盲目、とは言いますが
これはあまりに盲目すぎるのではないでしょうか?
……ある小説の二行の文を思い出した
綺麗な青空の一点を見つめながらあの子の事を考えてみる
綺麗な青空と言っても、あの子には敵わない
あの子を考えると自然に口角が上がってしまうほど好き、なんだけど
どうしてもあの二行がモヤつく
僕の好きなあの子は盲目だから
もちろん、ただの言い回しっていうのはわかってる
でも、、なんだかなぁ、
ふと隣を見る
いつもは隣に居てくれるあの子、今日はアイツと委員会の仕事で僕1人
だから隣に人はいない
はぁ…暇だな
大丈夫かな、転んで怪我とかしてないかな、また虐められてたりして、
どうしても不安の3文字が頭の中を埋めつくしてくる
鬱陶しいな
あーあ、せっかくの綺麗な青空なのに
あの子がいなければ何の意味もないじゃないか
……戻ろ
ガヤガヤ────
相変わらず昼の教室はうるさいな
落ち着かない
でもあの子が隣にいない屋上に居ても意味は無いし
かと言って僕に友達がいるかと聞かれたらいる訳でもない
──────!!
──?───!
あの人のように誰にでも好かれるような人間になれたらな
────〜!!♡
──────!!
あの子達のように、素直に好きと言えたらな
他人のようになれないなんて
あの子のそばに居る僕が一番
痛いほどよくわかっているはずなのに
嫉妬でできた僕の心は
あの子のようには綺麗にならない
こんな自分を認めたくなくて
また1人で苦しくなって
また1人で勝手に妄想して
そんなことの繰り返しで
そんな毎日でもあの子と話をしていると
自分が一切の汚れなき者に思えてきてしまう
チグハグなことを考えていたって埒が明かない
音楽室に行こう
誰もいない
だからここが大好き
まあ、あの子が隣にいる空間の次にだけど
ピアノの前に立ったはいいものの、何を弾こうか?
あの子はいつも、僕に何を弾いてくれたっけ?
ぁー、だめだ
あの子がそばにいないと何もできない
えっと、えっと、
精一杯考えてみるけど何も思い出せない
とりあえず、ドの音を押してみる
ぽー、、ん、
1音押しただけじゃ何も思い出せないか、──
─────mtk、?
、ぁ
mtk
ryok
mtk
ryok
ryok
mtk
mtk
ryok
ryok
mtk
mtk
mtk
ryok
ryok
mtk
ryok
mtk
ryok
mtk
ryok
ryok
mtk
やっぱり僕の我儘を、理不尽をこんなに上手くかわせるのはryoちゃんしか居ないね
────ぎゅ、ぅ
ryok
mtk
ryok
……明日は迷惑かけないように頑張ろ
毎日これじゃ、いつかこの子もどこかへ行ってしまうかも
ryok
mtk
ryok
mtk
ryok
mtk
mtk
ryok
とりあえず今日も、ryoちゃんのピアノを聞いて落ち着こう
……目が見えないのにどうやって弾いてるんだろぅ?
……?演奏止まっちゃった…
mtk
ryok
mtk
…笑ってるけど、、ちょっと寂しそう
きゅぅ、
ryok
ryok
mtk
ryok
ryok
mtk
よかった
笑ってくれた
君は目を閉じてても閉じてなくても
笑顔が素敵だからね
謎でごめんなさい
コメント
5件
あっ凄い好きです 二人で支えて合いながら生きて欲しい
盲目...少し語弊をうみますが盲目っていいですよね...普通の人は見えないと不安に思い、見ようとしますが...、盲目の方は見ようとしない、その状況を最大限に楽しむみたいな...これは恋心にも言えますよね。儚くてこういうお話大好きです