菊本利奈
西野遥日
西野遥日
西野遥日
西野遥日
私はあんぐり口をあけて、だるそうに机を引きずってきた人物を見あげた
今日の5限目、ロングホームルームは、待ちに待った席替えの時間
その結果は……
西野遥日
西野遥日
菊本利奈
菊本利奈
菊本利奈
菊本利奈
意味わかんないし。意味わかんないのに、なんか心臓が勝手にドキドキいってる
西野遥日
菊本利奈
菊本利奈
いきなり下の名前で呼ばれるものだから、動揺して上ずった声が出た
西野遥日
西野遥日
菊本利奈
西野遥日
菊本利奈
菊本利奈
ただでさえ整いすぎた顔が隣にあって落ち着かないのに、
名前なんか呼ばれたら、授業どころじゃなくなっちゃう
西野遥日
西野遥日
菊本利奈
菊本利奈
西野遥日
菊本利奈
まるで話を聞かない西野くんは、透き通った瞳でじっと私を見つめる
西野遥日
菊本利奈
菊本利奈
西野遥日
菊本利奈
呼び捨て
さっきから開いた口がふさがらない
ペースに呑まれっぱなしで悔しい
でもイケメンに、しかもいい声で呼び捨てられて、悪い気はしないかも……
なんて思ってたら、いきなり、ほっぺたをぐいーっと引っ張られた
菊本利奈
菊本利奈
西野遥日
菊本利奈
菊本利奈
菊本利奈
菊本利奈
菊本利奈
顔を上げた先
西野くんがククッと楽しそうに笑ってて
それが、いつものやる気なさそうな、おすまし顔と全然ちがうから
不覚にも心臓が──────ドクン
菊本利奈
菊本利奈
そう言い聞かせて思いっきり目を逸らす
廊下側を向いて、それはもう不自然なほど
西野遥日
西野遥日
西野遥日
西野遥日
西野遥日
西野くん、完全におもしろがってる
だって、セリフにいちいち笑い含んでるもん
菊本利奈
菊本利奈
西野遥日
菊本利奈
西野遥日
西野遥日
菊本利奈
ふと、お腹あたりに手が当てられてビクッとした
菊本利奈
菊本利奈
西野くんの顔が近づいてくるのがわかってパニックになる
ふわっと甘い匂いがして、思わずぎゅっと目をとじた
──────その直後
西野遥日
菊本利奈
言葉の意味を理解して、頭が急に冷静になった
慌ててその場所に手を伸ばすと、先に触れていた西野くんの手に自分の手が重なって、ドキン! と心臓が跳ねあがる
菊本利奈
静電気を受けたかのような勢いで、触れた手を離してなぜか反射的に謝ってしまう
西野くんの手が私のスカートのファスナーに触れているという、一見、なんとも危うい光景
西野遥日
菊本利奈
西野遥日
菊本利奈
必死に訴えると、またしてもククッと笑われた
また意地悪されるのかと思ったら、今度はあっさりと離してくれた
西野遥日
菊本利奈
ファスナーを引き上げながら返事をする
菊本利奈
菊本利奈
西野遥日
机に頬杖をついて、ニヤッと笑う西野くん
西野遥日
手を伸ばしてきて、私の髪に触れて、クルクルもてあそびながら顔をのぞき込んできて
西野遥日
と、バカにしたように聞いてきた
菊本利奈
西野遥日
菊本利奈
西野遥日
菊本利奈
私がそう答えるやいなや、西野くんは「やっぱり」とこぼす
西野遥日
にんにん
にんにん
にんにん