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〜【朧月館】306号室 聖月〜
奈那
奈那
私は奈那
私は気がついたら___どこかの部屋にいた
奈那
奈那
奈那
奈那
ここは朧月館___
私が幼い頃に『入院』した医療施設だ
奈那
奈那
奈那
それは 幼い頃に母から貰ったピアノが 部屋の片隅に置かれていた
奈那
私は ピアノに被った埃を払って
ゆっくりと鍵盤に手を触れる
すると小さい音で 音は奏でたのだ
奈那
すると 私にひとつの旋律が頭の中に流れ出す
奈那
奈那
そして 私はおもむろに一つの旋律を弾く
奈那
ちなみに これ調べるとガチで聞けます
奈那
奈那
奈那
奈那
あの出来事は 今でも忘れることはない
月幽病が治った今でも 私はずっと____
胸に刻み込まれるだろう___
奈那
私は 持ってきた懐中電灯で辺りを照らして
手当たり次第で 扉の感覚を探す
奈那
奈那
私は 扉のドアをひねって
ゆっくりと回す
奈那
だけど___
奈那
奈那
奈那
奈那
奈那
奈那
そんな思いでやったけど_____
奈那
紅愛
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応答なし
紅愛
応答なし
奈那
奈那
扉も鍵は掛かっていないのに なぜか開かなくて
もう___なす術がない
そのときだった
???
コツコツコツ…
誰もいない病院内の廊下から 足音が聞こえる
奈那
そして その足音は少しずつ大きくなって
奈那
奈那
その足音は 私の部屋の前で止まったのだ
そして 次の瞬間_____
ガチャガチャガチャ
外から 物音が聞こえ始め___
奈那
私が 扉を閉めようとしたのも束の間___
???
???
見知らぬ人物が 私に向かって挨拶をした
奈那
奈那
奈那
???
???
院長と名乗る男は 私にそう問いかける
???
???
???
???
奈那
???
院長と名乗った男は 唾をごくりと飲み
???
???
お前が選ばれたんだ
そう呟いたのだ
奈那
奈那
私が___儀式の人物に選ばれた…？
???
???
奈那
奈那
私のそんな願いも儚く散り____
???
???
奈那
奈那
奈那
???
???
私が部屋から出ようと 院長を押し除けようとした瞬間
奈那
奈那
バタンッ____
私はめまいでよろけてしまい その場に倒れ込む
???
奈那
奈那
私は 少しずつ___目が閉じていくような感触を感じ始める
???
奈那
奈那
奈那
奈那
少しずつ 少しずつ___
私の瞼はゆっくりと閉じていき____
奈那
奈那
奈那
奈那
奈那
そして 私は深い眠いに落ちていってしまったのだ____
〜？？？〜
???
???
???
???
???
???
奏（歌）
奏（歌）
???
???
奏（歌）
奏（歌）
〜【朧月館】309号室 紅月〜
紅愛
紅愛
紅愛
紅愛
紅愛
…っと 挨拶が遅れたわ
私は紅愛
昨日の放課後 クラスメイトの奈那と柚香と花流の4人で 肝試しを計画して実行したのだけど___
なぜか 柚香達と合流できないうちに意識を失って___
紅愛
気がついたら この空間にいた
紅愛
紅愛
紅愛
私はポケットから 携帯を取り出して
同じこの島に連れてこられた奈那に着信をかける
紅愛
奈那
応答なし
奈那
応答なし
紅愛
奈那に電話がかからないっていうことは 全ての連絡がシャットダウンしていることになる
紅愛
私は 部屋の中に手がかりがないかを探し出す
紅愛
紅愛
紅愛
部屋の中を探していると 何やら見たことがあるものが出てきた
紅愛
紅愛
私が見つけたのは『一つの裁縫箱』
私は小さい頃 裁縫が得意だった
紅愛
私は懐かしさに浸りながら 裁縫箱に入っていた『やりかけ』をやり始める
もちろん 明かりはつかないから懐中電灯を照らして
紅愛
そんなことを考えながら ゆっくりとやりかけの作品にカケラを埋めていったのだった___
紅愛
紅愛
私は 本来の目的を思い出し作業を中断させる
そして 扉に近付いて手をかざし
扉を開けようとするけど____
紅愛
紅愛
私は もう一度ドアノブを回してみる
…けど なぜか扉はびくとも開かなかった
紅愛
そして なんとか扉が開かないかと健闘していると____
ピーンポーンパーンポーン
私の部屋に 放送が響き渡る
アナウンス
アナウンス
アナウンス
ピンポンパポン
放送はそこで途切れた
紅愛
紅愛
途端に心拍数が高まる私の心臓
奈那が電話に出なかった理由____
紅愛
そんなことを考えていると
ガチャッ
私しかいないはずの部屋の鍵が外れる
紅愛
私は咄嗟に 扉を開けないように
内側で鍵を閉めようとしたけど____
紅愛
それは虚しく 扉が開かれてしまった
???
???
突如現れた男の人は 私の名前を呼ぶ
紅愛
???
私は ゆっくりと後退りをする
だけど その男の人は____
???
???
私の腕を掴むと____
???
誰かに そう指示をする
その人物は____
奏（歌）
紅愛
紅愛
私と離れ離れになった 奈那がいたのだ
紅愛
???
???
???
その言葉を聞かされた 私はひたすらに絶句した
私との記憶も 柚香達と過ごしてきた記憶も
全部全部___消えてしまうだなんて
そんなの___嫌に決まっている
紅愛
紅愛
紅愛
紅愛
紅愛
紅愛
私は 目の前の現実を受け止めきれなくて
巫女装束の服を着た 奈那の顔を見る
目には光が宿っておらず 私の顔を見てそのまま停止している
???
???
紅愛
私は強気に 立ち向かう
???
???
紅愛
私が立ちあがろうとした瞬間
突然 体が痺れる
紅愛
紅愛
そして 同時に眠気も襲ってくる
???
そして 院長と名乗った人物は
少しずつ力がなくなってくる私を見て
???
???
紅愛
その言葉が 合図となって
私の意識は 暗い闇に呑まれていったのだった_____
紅愛
〜？？？〜
???
???
奏（笛）
???
???
???
奏（歌）
ー帰来迎の奏【残り】ー 313号室【凛月】…柚香（鐘） 215号室【色取月】…莉亜（鼓） 220号室【瞑想月】…萌咲（弦） ー洗脳済みー 306号室【聖月】…奈那（歌） 309号室【紅月】…紅愛（笛）
???
???
???
帰来迎の儀式まで____残り3人
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