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夢の中
大空に広がる綺麗な青空
その下、草むらの上で 仰向けに寝ている自分
かすかに感じる風が心地よい
ここがどこかは分からない
しかしここに居たような そんな気がする
僕の記憶の片隅に残る 記憶の断片。
エス
??
隣を見てみるとそこには 一緒に寝転がっている 男子がいた
彼が誰なのかは分からない
しかしこの人物も 僕の記憶の一部なのだろう
エス
??
エス
この会話……第一審後にもやった
今回はジャッカロープによって ではない。 僕は疲れて寝てるだけ…なのに
??
エス
??
エス
エス
僕はこの人を覚えていない
だけど何故か安心感がある
きっと僕が信頼していた人物……
もしくはそれ以上の…… 言わば仲間
とりあえず僕自身が頼っていた ……「心の友」というやつだろう
エス
??
エス
??
エス
??
エス
??
エス
??
エス
記憶に鍵が掛けられてる
きっと僕の名前を 言っているんだろう
エス
『看守さんの言う「僕」って誰?』
『看守さんは自分の事なんだと思ってるんですか?』
『エス、私があなたの「牙」に なってあげる』
エス
頭痛とめまいが一気に襲い 目の前の世界も崩れ始めた
『お前は看守だ。』 『義務を果たせ。』 『余計なことを考えるな。』 『判決のことだけに 集中していれば良い。』
お前は看守【エス】だ
そうだ
僕はミルグラムの看守
囚人達の罪を裁定するのが 僕の義務(しごと)
記憶がはっきりしてきた頃、 僕は自分の部屋にいた
ゆっくりと体を起こし 辺りを見回すとコンコンと ドアをノックする音が聞こえた
エス
ガチャとドアを開けると ジャッカロープがいた
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープ
エス
もうすぐ二審が始まる
僕のできることは少ない
だけど僕は真正面から 向き合ってやる
どんな過去もどんな素性も
僕が身勝手に判断し判決する
さぁ、囚人達よ。
お前の罪を歌え
食堂
ユノ
ハルカ
エス
ユノ
ムウ
エス
ミコト
第一審後コトコさんの襲撃で
マヒルさんやフータくんは
部屋から出なくなった
安静期間なんだろう
サクラ
私は囚人だ。
囚人らしくいればいい。
なんで囚人なのか 未だに分からないけど
囚人として 看守さんの言う通りに 動けばいい
コトコ
サクラ
コトコ
私はあれからコトコさんを 無視してる
……というか避けてる
正確には囚人達みんなを、 かもしれない
コトコさんは きっと正義感が強いんだろう
だから ここの正義である看守さんと 手を組みたがってる
私はそれに反対だ
コトコさんを看守さんが 赦した(仲間にした)事で 囚人が囚人に罰せられるという 状況が起きた
いくらコトコさんが 「正義」を貫くヒーローだと してもコトコさんも囚人だ。
それなのに看守さんと 手を組もうなんて……
サクラ
無意識に言った言葉は みんなの会話に紛れて消えた
自分が自分ではなくなる、 そんな気がしてる
「ねぇ、看守さん? 私がもし看守さんを救えたら 看守さんは私を地獄から 救ってくれる?」
看守さんに聞きたかった質問
でも聞いた所で答えが 出ない事は分かりきってる
だって看守さんも自分の事が 分からないんだもん
看守さんが 自分を見つけない限り きっと私さえ救われない
サクラ
シドウ
サクラ
私はそう言って席を立った
看守さんが看守という事に 責任を持ち行動してるなら
私もそうすればいいだけ
『与えられた事をする』
ロボットのように 動けばいいだけ
何も考えずただ成すがままに
成されるままに……
倉庫
サクラ
倉庫の静けさと孤独への安心感
ここにずっとはいられないけど 私は……限界だ
だけど限界が来たって私は囚人
それは変わらない
最期赦されなくて〇ぬとしても
赦されて ここから出られるにしても
カズイ
サクラ
カズイさんは苦手だ
私が何かに悩んでいる、 何かを抱えている、 そう分かった目で聞いてくる。
サクラ
そう言って私は倉庫を後にした
サクラの監獄
Am1:25
サクラ
サクラ
最近はずっと眠れない
布団に入って目を瞑ろうとは するけど眠れない
いや、眠りたくない……のかな?
サクラ
厨房
厨房の前まで来た時 厨房の中の光が見えた
誰かいるのだろう
それに話し声がする
私はここにいて いいのだろうか?
シドウ
エス
シドウ
シドウ
エス
シドウ
エス
シドウ
エス
どうでもいい話をしている。
そう感じて部屋に 戻ろうとした時 信じられない言葉が聞こえた
シドウ
エス
シドウ
エス
え……?
今、「傷」って言った……?
いや、私に「傷」なんて……
痛みもないし…あるわk……
シドウ
エス
ここのような施設……?
何らかの目的で私を……監禁?
は?何言ってんの?
シドウ
エス
シドウ
エス
シドウ
エス
シドウ
エス
ここのように法律も何もかも 無視した実験施設ってこと……?
え、いや。
傷だけで大げさすぎるでしょ?
サクラ
私は気になって 2人に声をかけた
サクラ
シドウ
エス
サクラ
シドウ
サクラ
シドウ
サクラ
シドウ
サクラ
シドウ
サクラ
シドウ
エス
サクラ
エス
サクラ
エス
サクラ
シドウ
サクラ
シドウ
サクラ
エス
サクラ
サクラ
エス
サクラ
エス
シドウ
サクラ
『信用してもない人に 「自分」を曝け出すなよ!!』
サクラ
サクラがフラっとした所を シドウが慌ててささえる
シドウ
エス
サクラ
シドウ
サクラ
そう言って私は監獄に戻り、 眠りについた
次の日 食堂
みんながご飯を食べる前に エスが言う
エス
みんなそれぞれ感じたのだろう
これから第二審
看守さんが何を考えているかは 分からない。
もしかしたら 何も考えてないのかもしれない
私はそっとシドウさんを見た
シドウ
シドウさんはいつも通りだ
私は昨日シドウさんが 言っていた言葉を思い出した
『サクラくんの実験痕。 あれは腹部や足にもあり 腕には刃物による傷も 見えました。』
『サクラくんは人体実験の 被験者なのではないか、 という説です。』
私が人体実験の被験者
もしそうだとしたら 何故ここに連れてこられたのか 気になる
報復として〇したとしても 今の私が有罪になることは あるのだろうか。
無罪放免されるか 仮釈放されるはず
それなのにミルグラムは ここは「ヒトゴロシ」として 連れてきた
……考えるだけで ますます分からなくなる
看守さんだって記憶が無い
私だって記憶が無い
お互い記憶が無いのに こんな刑務所ごっこなんて バカバカしい
看守さんだって 「看守」というだけで所詮は 「人間」だ
コトコさんの事件のように 「囚人」が「囚人」を裁く、 大して裁判官でもない「人間」が 自分の意思で 「赦す」「赦さない」を 決めるなんてキリがない
サクラ
私は今日もあまり食べず食堂を 後にした
廊下
サクラ
部屋へ戻ろうとした時 不意にめまいがして 私は座り込んだ
「誰にも迷惑をかけたくない」 「一人でいたい」
そんな思いが急激に大きくなる
いや……立たないと
また誰かに迷惑かけるのか?
誰かを信じて……捨てられたら
私は……
その時誰かが駆け寄ってきた
ミコト
カズイ
この声は……ミコトさん??
何か……言って……?
サクラ
私は気を失った
カズイの部屋
ミコト
カズイ
ミコト
カズイ
ガチャ(ミコトが出ていく)
カズイ
シドウくんが言うには 栄養失調、らしい。
それと自律神経の乱れが 重なってめまいもした、と。
サクラくんが最近 ご飯に手をつけてないのは 知っていた
でも食欲がないなら無理強いは したくないから、 言わなかったけれど
サクラ
ここに来てから 誰かを自分と同じ牢獄に 入れたことが無かったせいか 少し緊張する
それと最近はサクラくんと ちゃんと話せてなかったし……
サクラ
しばらくした頃 サクラくんが目を開けた
カズイ
カズイ
俺はシドウくんから 渡されていためまいを抑える薬 と水の入ったコップを差し出す
サクラ
カズイ
サクラ
カズイ
カズイ
カズイ
サクラ
サクラくんは納得できない顔を したままグルッと周りを見た
サクラ
カズイ
サクラ
カズイ
カズイ
この子といるだけなのに 何だか俺は不思議な感覚を 感じていた
まるで 看守くんといるような感覚
自分のことを さらけ出してしまいそうな そんな感じがする
この子なら、 俺を受け止めてくれるだろう、 なんて無意識に思ってしまう
カズイ
サクラ
カズイ
カズイ
サクラ
カズイ
サクラ
カズイ
サクラ
サクラくんが俺を殴かかるのを 俺は瞬時にとめた
カズイ
サクラ
カズイ
カズイ
サクラ
カズイ
サクラ
カズイ
サクラ
カズイ
サクラ
カズイ
サクラ
カズイ
サクラ
カズイ
サクラ
カズイ
サクラ
カズイ
サクラ
カズイ
サクラ
サクラ
サクラ
カズイ
サクラ
カズイ
サクラ
カズイ
カズイ
サクラ
カズイ
サクラ
カズイ
サクラ
カズイ
サクラ
サクラ
カズイ
サクラ
カズイ
サクラくんは起き上がって、 まっすぐ俺を見る
サクラ
サクラ
カズイ
サクラ
カズイ
サクラ
カズイ
サクラ
サクラ
カズイ
サクラ
サクラ
カズイ
サクラ
サクラ
カズイ
サクラ
サクラ
カズイ
そう言うとサクラくんは 立ってドアへ歩き出していた
そして振り返っていう
サクラ
ガチャ(去る音)
カズイ
『人は無意識に他人と自分を 重ねてしまうものです。』
サクラくんも自分のことを まるで他人事のように 言うんだな……
カズイ