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モブ
駅のホームに着くと、普段の5倍以上の人で溢れかえっていた。
私
モブ
電車が来て、駅メロと共にドアが開く。
私はグループの最後尾に並び、みんなからはぐれないように着いていこうと歩き出した。
と、その時、
私
踏み出そうとしたその足を電車から降りてきた誰かに踏まれた。
盛大にずっこけそうになる。
私
赤葦京治
私
その勢いで、咄嗟に目の前にいた赤葦のショルダーバッグを掴んでしまった。
後ろに引っ張られた赤葦と2人で立ち止まる。
赤葦京治
びっくりした様子で赤葦が振り返る。
私
その間にもたくさんの人が車内に入っていき、ぎゅうぎゅうになってしまった。
赤葦京治
私
赤葦京治
私
一歩下がって電車を見送る。
他のみんなにはLINEで連絡し、現地集合することにした。
私
赤葦京治
申し訳なさにしょぼんとしている私に、赤葦がゆったりとした優しい笑顔を向けた。
赤葦京治
私
(赤葦って、こんな柔らかい表情で微笑みかけてくれるんだ)
話しているとあっという間に時間は過ぎ、 無事に次の電車に乗ることが出来た。
私
赤葦京治
スペースを確保しやすい車内の隅に来れたけれど、後ろに他の人の背中が密着するくらいには満員だ。
むしろ、さっきの電車よりも人が多い気がする。
赤葦京治
私
後ろの人に押されて苦しそうな私に気づき、電車のドア側に移動させてくれた。
赤葦京治
そして、私を他の人から守るようにして赤葦が目の前に立つ。
(…わ。目の前に立たれるとやっぱり赤葦おおきい……)
180cmを越える赤葦が他の人との壁になってくれたことで、私の空間はとても快適になった。
(…ていうか。真正面に赤葦、ちょっと近くて照れる……)
赤葦京治
思わぬ所で再び気持ちがシンクロして、可笑しくなる。
私
ガタン!!
私
突然、カーブに入った電車が大きく揺れ、
赤葦が姿勢を崩して私の両脇に両手をついてきた。
どうやら、揺れたときによろけた後ろの人達の重さに抑えきれなくなった様子。
赤葦京治
そのまま体勢を戻すことが出来ない赤葦。
さっきまでずっと上の方にあった赤葦の顔が、私の目の前にある。
(わ、わ、むりだ!!)
ぐわっと顔が熱くなるのを感じる。
耐性が無さすぎる自分に、絶望と緊張で訳が分からなくなっていた。
赤葦京治
赤葦も思わずツッコまずにはいられないほどの茹でダコっぷりらしい。
私
私の顔を見てつられたのか、赤葦もみるみる耳がピンク色に染まっていく。
赤葦京治
私
赤葦京治
……フッ。
2人で顔を見合せて笑う。
恥ずかしいけど、もうちょっとこの時間が続いてほしい。
…なんて思ったところで、電車のドアが開いた。
to be continued ...