ウリ
……………朝
昨日ハルに自殺を止められてからの記憶がない。
俺はベットから出てリビングに向かった
ハル
あ、おはよう
ウリ
え、お前何で…いるの?
キッチンでハルが何か作っていた
ハル
あ、ごめんね
ハル
昨日ウリ倒れちゃってさ
ハル
外に置いておくのもあれだから鍵使って家入っちゃった
ハル
外の硬い地面で目覚めるより良いでしょ?
ウリ
…それはありがとう
ウリ
いや…別にそれで帰ればいいのに…
ハル
あー大丈夫だよ
ハル
家には一度帰ったよ
ウリ
は?
ウリ
お前ずっとここにいるつもりだったの?
ハル
もちろん
ハル
流石にお風呂とかは家で入ってきたよー
ウリ
お前…一応高校生だろ…。
ハル
いや、それよりだよ!!
ハル
何この冷蔵庫!
ハル
コンビニのご飯しか入ってないんだけど!
ウリ
え、あぁそうだっけ
ハル
しかも賞味期限ほとんど切れてるし
ハル
ちゃんとご飯は食べて!
ハル
朝ごはん作ったから
ハル
…ってもうすぐ昼だけど
俺は言われるがまま座らされる
美味しそうなご飯が並んでいる
ウリ
いただきます…
普通に味は美味しい
長いことこの量は食べてないので
正直全部食べれる気はしないが
ハル
無理に全部食べなくていいからね
だんだん脳が動いてきて一つ疑問が上がる
ウリ
…俺ハルに家教えたっけ…
ハル
……………家まで送った時あったから
ウリ
…そんな時あった?
ハル
そ、それはいいから!!
ウリ
…?うん
ウリ
あと……
ウリ
この後話したいことがある
ハル
うん
風呂に入ると全部が見えるから嫌だねで
いつも風呂は早めに入っていた
でも
もうそれもなくなるかもしれない
そう思って風呂を出た。
俺は深く深呼吸をした
ウリ
俺ね
ウリ
小さい頃からの親友、幼馴染がいたんだ
ウリ
彼女とはたくさん遊んで親にも知られてる大親友だった
ハル
うん
ウリ
でも
ウリ
小学生のある時、彼女から無視されるようになったんだ
ウリ
俺だって最初は機嫌が悪い日なのかなって思って特に思わなかった
ウリ
でもそれはずっと終わらなかった
ウリ
一週間、二週間、1ヶ月、2ヶ月
ウリ
どれほど待っても終わらなかった
ウリ
むしろエスカレートした
ウリ
無視だけじゃない
ウリ
わざとぶつかられたり、蹴られたり、水をかけられたり
ウリ
俺
ウリ
天才だったんだよ
ウリ
勉強の成績は良かったし、体育もずば抜けて得意だった
ウリ
恨む人もいただろうね
ウリ
どんどん俺を無視する人が増えていって
ウリ
気づいたら中3になってた
ウリ
彼女は全く変わってなかった
ウリ
変わらず俺を無視するし俺を嫌っていた
ウリ
そのまま中学卒業して少し離れた高校へ行った
ウリ
そして独り立ちもした
ウリ
中2の頃から行っていたハイカラスクエアに引っ越した
ウリ
でも高校には行けなかった
ウリ
高校中退して
ウリ
気づいたらこんなんになってた
ウリ
まあ勉強は知り合いが教えてくれたから不便はなかったけどね
ハル
…
ウリ
極め付けには
ウリ
OD、リスカ、自殺未遂
ウリ
ほんと、何でこうなっちゃったんだろうね
ハル
リスカ…?
ハル
だからいつも長袖着てたの?
ウリ
うん
俺は長い袖を捲って腕までつたるたくさんの切り傷を見せた
ハル
そっか
ハル
頑張った証だね
ウリ
そういうお世辞はいいから
ハル
お世辞じゃないよ
ハル
あ、あとウリをいじめてたやつの顔と名前を…
ウリ
お前 …顔がこえーよ
ウリ
あと俺の幼馴染わかってるかもだけどロネだよ
ハル
すぐ帰る
ウリ
お前、ちょっと待てって…
包丁を持って外へ行こうとするハルを無理やり止める
ウリ
もう大丈夫だって
ハル
だって…ウリ昨日自殺しようとしてたんだよ!!ウリを殺そうとしたのはロネなんだよ!!
ウリ
もうあいつとは関わりたくないから…
ウリ
それに
ウリ
…ハルがこれから幸せにしてくれるんだろ……?
あれ、なんか恥ずかしいな…これ…。
ハル
はい、もう命をかけてウリを幸せにします
ウリ
死なれると困るけどな
ウリ
でもほんとにいいの?
ウリ
これからも死にたいとか言うだろうし……
ハル
愛されたら自己肯定感上がるんじゃない?
ウリ
まあ…それはそうかもだけど……
ハル
大丈夫だよ、俺がウリを幸せにする
とハルは俺のおでこにキスをした。
ウリ
………………………………………
ウリ
もう一回寝てくる
ハル
あ、そう?おやすみ
俺は逃げるように寝室に駆け込んだ
ウリ
顔、熱い…
ウリ
何だこれ…………
ウリ
心臓痛いけど…いつもとちがうし……
ウリ
?