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side:中也
ヨコハマの喧騒を遠く離れた、静かで薄暗いバー。
久し振りに殲滅任務が予定より早く済んだから、偶にはと、俺は何時もは家か組織の宴会事でしか飲まない酒を飲もうと其のバーに立ち寄った。
今日は何だか、葡萄酒より火酒の気分だ。
俺は何時に無く上機嫌だった、筈なのに。
店に入ってみると、カウンター席の端に座って、グラスに入った琥珀色の液体を揺らめかせる彼奴が居た。
太宰
太宰
中也
俺の言葉を聞いた太宰が、悪戯っぽくにやりと笑った。
太宰
中也
太宰の隣に座り、同じものを注文する。其れを見た太宰は態とらしく溜息を吐いた。
太宰
太宰
中也
俺は太宰の言葉を適当に流して、出された火酒を少し舐めた。
太宰
太宰
中也
中也
中也
太宰
そう云って笑う奴の顔が妙に苛ついて、火酒を一気に喉に流し込ンだ。
熱い液体が食道を通過して胃の中に拡がった。瞬間、身体が酷く火照って、酔ったと自覚した。
嗚呼しくじった、此奴の前で酔うだなンて本当に最悪だ。
太宰
太宰は突然、先刻の何倍も甘い声でそう云った。
嗚呼糞、Commandだ。駄目だ、太宰の命令には逆らえない。
身体が云う事を聞かなくなって、目の前の此奴の瞳を見つめる事しか出来なくなる。
太宰
太宰
其奴はそう云ってくすくすと笑う。 嗚呼、心臓が五月蝿ェ。
此奴のCommandに従うなンて此れ以上無い屈辱の筈なのに、其れでも身体が云う事を聞かない。
太宰
中也
太宰
中也
"手前のCommandは身体が勝手に飲み込むンだよ"
そう云おうとして、やめた。
言葉を一度飲み込んでから自分が何を云おうとしたかはっきり解って、吐き気がした。
太宰は意味有りげな笑みを顔に貼り付けていたが、俺に何を考えているかを云わせようとはしなかった。
どうせ判るンだろう、気味が悪い。
太宰
太宰
断った処で、此の無駄に往生際の悪い男はあの手この手でYESと云わせようとするのだろう、解りきった事だ。
其れに、ムカつく事に俺の身体が此奴とのplayを求め始めている。
無駄な抵抗はしない方が善い。 dropになる。
中也
俺がそう云うと、太宰は満足そうな笑みを見せた。
太宰
太宰はそう云って、自分の唇を指した。唇を合わせるだけの、軽い接吻を何度もする。
暫く戯れた後に、太宰が俺の後頭部に添えられたままの手で自分の方に引き寄せる。
吐息が交ざり合う距離のまま、太宰はまた口を開いた。
太宰
太宰
太宰の紡ぐその軽い言葉が、甘ったるい蜜の様に身体に染み込んでいく。 頭が回らない。
中也
太宰
太宰
中也
太宰
太宰
太宰
太宰はそう云うと自分のグラスに残った火酒を飲み干して、俺の腕を引いて立ち上がった。
太宰
太宰
中也
先刻迄は奢るとか抜かしやがってた癖に。
俺が異議を唱える間もなく、太宰はバーの扉を押し開いて外に出た。其の儘、狭い路地裏に手を引かれる。
太宰
太宰
そう云って太宰はまた自分の唇を指す。
酔いが回った頭に、理性を溶かそうとする甘い囁き。
正常な判断など出来ない儘、俺は太宰の唇に噛み付いた。
太宰
太宰は甘い声で俺の名前を呼ぶ。其れに、身体がぞくりと震えるのを感じた。
太宰は唇を離すと、俺の肩口に凭れかかった。
中也
太宰
俺は太宰の手を引いて、セーフハウスへの道を辿った。
セーフハウスの扉を開けて、直ぐに寝室に入る。扉を閉めた途端俺は太宰を寝台の上に押し倒した。
太宰
中也
太宰の言葉を遮って俺は其の唇を塞いでやる。
舌を割り入れて歯列をなぞり、口内を犯す。
唇を離すと、もう熱い目をしている癖に、不敵に笑う奴の顔が目の前に有る。
腹立つ。手前が今から啼かされる側の癖に。
太宰
中也
太宰の身体に手を這わせる。
外套、ベスト、ワイシャツ、そして包帯。
太宰が身に纏っている布をするすると丁寧に剥がしていく。戦闘か、或いは自殺で付いたであろう傷達が顔を出す。
あれは確か15の時だったか。太宰の上半身に大きく刻まれた、古い裂傷の痕に舌を這わせる。
太宰
太宰
中也
俺は仕方なく太宰から離れる。
求めたかと思えば拒んで、逃げて、なのに目の奥では捕まえてと訴えている様で、本当に此奴と居ると調子が狂う。
中也
太宰
太宰
太宰はまた、そう云って喉の奥で笑う。
腹立つ、腹立つ腹立つ腹立つ。
本当なら今直ぐにでも此奴を暴いてやるのに、Commandの所為で動けねェ。
其の面雌の顔にしてやっからな、手前。
コメント
2件
うわぁぁ解釈一致が多過ぎてなんだこれ!?ってなってしましいました書いて下さり超絶感謝です!! 表現が好き過ぎて…!!!太が主導権握ってる感が好き過ぎて……!!!! もう本当にありがとうございます!!美味しかったです!!我が人生に一遍の悔いなし…(絶命)