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まだ空が暗い頃、なぜだか、いつもより早く目覚めた
時計を見ると針は3時を指していて、こんな時間じゃきっとみんな寝ているだろう
もう一度寝ようと思ったが、頭ははっきりとしていて、とてもじゃないが眠れない
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どうせ誰も起きないし、大きな音を立てない限りいいだろう
僕はベットから降りた
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リビングの電気をつけると、眩しさに思わず目を細めた
リビングに来たのはいいものの、することがない
とりあえずソファに腰をかけた
テレビはやっていないだろう
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リビングを見渡していたらあるものに目がいった
それはピアノだった
僕は立ち上がり、ピアノに近づく
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確か、部屋に場所がないから一旦置かせてくれと言っていたはずだ
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そっと、鍵盤を押し込んでみた
ピアノの音が小さくなった
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少しの間なら使ってもいいだろうか
勝手に使ってはいけないと心ではわかっているのに、体はいうことを聞かず、椅子に腰掛け、鍵盤に指を置いた
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鍵盤を押し込む
音が鳴った
その音に引かれるようにまた別の鍵盤を押し、音を鳴らす
ただ、黙々と
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誰にも聞かれない演奏は、なぜが少し寂しく思った
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後ろから手が伸びてきて、別の鍵盤を押し込んだ
その音で、僕の演奏が止まる
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シャークんだった
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シャークんの声が頭に響く
起きてたのか、僕以外の人が 知らなかった
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僕は、僕が今座っている場所がどこなのかを思い出した
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僕は急いで椅子から立ちあがろうとした
けど、シャークんはそっと僕の肩に手を置いて、僕の動きを制した
僕はもう一度椅子に座った
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これは弾け、ということなのだろうか
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もう一度鍵盤に手を置き、弾く
シャークんは僕の斜め後ろにいて、静かに僕の演奏を聴いていた
空が明るくなってきた頃、僕はまだピアノを弾いていた
シャークんはずっと僕の後ろで聴いていて、飽きないのだろうか
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shk
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話しかけたのはいいが話すことがない さて、どうしようか
なんて思っていた瞬間、僕の腹の音がリビングに鳴った
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頭が恥ずかしさでいっぱいになった
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顔に熱が集まるのがわかる
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シャークんは椅子から立ち上がり、キッチンへと向かっていった
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僕とシャークんはきりやんが昨日作っていた作り置きの食べ物をレンジに入れ、温める
オレンジ色のレンジの中をぼんやりと見つめた
ふと、昨日のことが頭に蘇る
なかむの嬉しそうな顔 喜ぶ僕以外のメンバー 幸せそうでお似合いな2人 その光景を遠くから見つめていた …僕
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思わず口からため息が溢れた
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そんなことを言いながらシャークんは僕に近寄ってくる
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僕は顔に笑みを浮かべて、またレンジの方を見た
そうだ、僕の幸せはメンバーといること その幸せすら無くなってしまったら、僕はきっと壊れてしまうだろうから
いつも笑顔でいないと、悟られないように
…壊れないように