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はずれ
はずれ
はずれ
はずれ
はずれ
はずれ
はずれ
入店音を人気(ひとけ)のない店内に響かせて、客が入ってくる。
INTP
マジで来ないでほしい。そう思いながら客に対してテンプレートの言葉を投げる。
INTP
だが、ガン見してケチつけられたくないので、ぼーっと虚空を眺めることにする。
この時間にシフト入れたのラッキーだなぁとか思いながら。
INTP
前言撤回。偽善はなぜ悪なのかとか考えている。
INTP
面白くなったところで、客がレジにやってきた。
INTP
レジ台に置かれた商品は、甘い系のお菓子とスナック菓子２つ。 この人はおやつを買いに来たのだろうか。
さっさと商品のバーコードをスキャンして、テンプレートの接客を始める。
INTP
客
INTP
INTP
INTP
INTP
客
客は財布を漁って小銭を出した。 ちょうど598円。
INTP
INTP
出てきたレシートを手渡す。
客が商品を袋に入れ終わったことを確認した後、最後のセリフを投げる。
INTP
店内にまた入店音が響く。今は退店音だが。
INTP
こうして私は一仕事終えた。
とか思ってる場合ではない。
INTP
コンビニ店員の仕事は多岐に渡る。
接客、レジ打ちはもちろん、商品陳列、品出しや簡易調理、店内清掃、代行サービス受付など。
経験を積めば商品発注も任されるようになるが、私はそこまで経験を積んでいない。積む気も無いし。
品出しのために裏へ行こうとした時、店内に入店音が響いた。
INTP
タイミング悪く入ってきた客は、レジにまっすぐ向かってきた。
こちらにまっすぐ向かってくる客は、見たことあるような顔をしている。 この顔は誰だったか。そもそも会ったことはあるのか？
客
この客はチキンか肉まんかその他か。代行サービスはやめてほしい。
INTP
だが、客から出たのはどれでもなかった。
客
INTP
顔は見たことあるのだが、名前が思い出せない。 年寄りのようだと思いながら記憶を遡る。
INTP
我 友代
INTP
我が友、我 友代は聞いて分かる通り名前のインパクトが強い。
名字はこれ一文字で“わが”と読む。 中国ならあまり珍しくなさそうだが、彼女は別に中国人でもなんでもない。 中国の名字とか全然知らないけど。
友代という名前は大正あたりなら違和感がなかったかもしれないが、今では古く、違和感がある。
その上、フルネームで“わがともよ”と読むので、学校では少し目立っていた。 それが私の数少ない友達、我 友代である。
INTP
我 友代
我 友代
目当ての商品を聞くと黙り込んだ。 一瞬迷っているのかとおもったが、これはおそらく違う。 彼女もあれが好きだったはずだ。
INTP
我 友代
確認の意を込めて問うと、やはり正解だった。 チキンを一つ取り出して袋に入れる。
INTP
我 友代
INTP
我 友代
私がチキンをレジ袋に入れている間に、我 友代はトレイに小銭を出した。 そのままレジを打つ。
INTP
我 友代
我 友代
INTP
我 友代は手をひらひらと振って帰っていった。
INTP
INTP
友人が来たことによる気の緩みを引き締めて、私は今度こそ品出しをするために裏へ向かった。
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