余命半年の君と。

毎日の体調記録、食事…

物心ついた頃からずっとやってて

もう、こんなの慣れた

外からは蝉の鳴き声と

暑い空気

7月上旬

世間の学生は夏休みに入った頃

…それなのにも関わらず

私は、普段と変わらない病院生活

ほんとうに退屈で

つまらない。

ひなのちゃんは、隣の病室の女の子

最近は少し、病状が良くなったみたいで

こうして遊びに来てくれる

風が吹き付け

頬に夏特有の、熱い風が当たる

君は、急にそこに居た

霧雨 魔理沙、と名乗る少女は

友達がここに入院しているため

お見舞いのために、来ていたらしい

緊張している空気が、こちらにも伝わる

あぁ、やっぱりだめだな

こういう話は、するべきじゃない

…私のお父さんとお母さんも

これのせいで……

さっさと居なくなろう。

そう思い、屋上を出ようとする

ば、と勢いよく腕を捕まれ

魔理沙の体温が、こちらにも伝わる

これが、余命半年の私と

君の出会い。