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23:59
今日も残業だ。
毎日毎日最後まで会社に残り、一人パソコンを叩いている。
山田
山田
山田
山田
山田
山田はブツブツ文句を言いながら暗い社内で仕事を続ける
額から汗が滴り落ち、集中力を阻害される
会社は今節電を進めており、深夜は電気もクーラーもつけられないのだ
山田
山田
山田は汗を拭いながら席を立ち、トイレのある二階へ向かう
階段を一段ずつ上がるだけで息が上がる
山田
ようやく階段を上りきり、二階へ着いたがもちろん誰もおらず暗い
自動販売機とトイレの明かりだけが煌々と照らしている室内はかえって不気味だ
その灯りに導かれるようにまずはトイレに入る
便器に座りながらぼーっとする
この時間が山田は案外嫌いではない
どれくらい時間が経ったのだろうか
トイレの電気が切れた
山田
山田
文句を垂れながらモゾモゾと体を動かすが電気はつかない
手を挙げるとようやく電気がついた
山田
用を足し、トイレを出る
飲み物を買うためふらっと自動販売機に向かう
お決まりの缶コーヒー
微糖にするかブラックにするか迷った末、ブラックを選択した
コーヒーを手に取り階段へ向かおうとした時、違和感が山田の中を駆け巡る
その違和感の所在に気づいた山田は自動販売機の灯りだけになった暗い二階を背に急いで階段を駆け下りた
【解説】
残業が長引き、社内で一人仕事をしていた山田。
トイレと自動販売機の灯りしか点いていない暗い二階へ向かった。
用を足している時、トイレの灯りが消えたことからトイレの電気は自動感知式であることがわかる。
では、誰もいないはずのトイレの電気がなぜ初め点いていたのだろうか。
現に、コーヒーを買っている間にトイレの灯りは消え、二階は自動販売機の灯りのみになっている…