注意書き 曲パロ 死ネタ 🫖🌸
元ネタ カンザキイオリ より 『 あの夏が飽和する 』 ※考察を元にして作ってます。
地雷は回れ右
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君からそう告白された。
梅雨の時期、君は雨に濡れながら家を訪ねてきた
夏に入ったばかりなのに
君はひどく震えていた。
そんな感じで始まった
あの夏の日の記憶だ。
『 殺したのは隣の席の 』
『 いつも虐めてくるアイツ。 』
『 もう嫌になって肩を突き飛ばして 』
『 打ち所が悪かったんだ。 』
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俺は知ってる。
明確な殺意があって殺した訳では無い。
表情で、あの印象的な告白で。
でも殺してしまった以上、これからは被害者から加害者になってしまう。
俺を置いて遠くに行って死なないでよ。
恋人なんだから。
…死ぬんだったら、
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旅に出るために色々準備して
君と家を出た。
カバンの中には財布と携帯ゲーム。
それに加えて
何かあった時のための「 ナイフ 」
「 何かあった時 」はほとんど言い訳に過ぎない。
理由の一つでもあるが
持たなきゃ気が済まないというのも一つの理由だ。
過去に撮った写真、
過去に書いた日記
その他諸々
今となっちゃもういらないさ。
過去は見ないで、未来を見て歩みたい。
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そして僕らは逃げ出した。
価値なんてどこにもない
狭い狭い世界から
家族やクラスの奴ら、
全部全部捨てて君と二人で。
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そう約束を交わした。
俺にとっても、君にとっても
信頼できる相手だったから。
ここまで着いてこれてる。
こんな場所にはもう絶望しきってる。
価値なんて考えられやしない。
人殺しなんざそこら辺に居るよ。
耐えてこれた君は凄いと思う。
君は何も悪くない。
悪くないよ。
だから、
ずっとずっと、前を見て歩こう。
俺らの願いは一緒だった。
理由は違うが、
「 誰にも愛されたことなどなかった。 」
そんな共通点で。
愛されたいから、愛したいから。
付き合って、ここまで来た。
俺といれば大丈夫だと思えているのかな。
最初、とても震えていた君が
手を握った時
微かな震えも無くなっていた。
まだ感じるのは早いかもしれない。
もしかしたら遅いかもしれないが
『 誰にも縛られない自由 』を
得られたような気がした。
金を盗んで
2人で逃げて。
もうどこにも行ける気がした。
元々は人殺しの罪から遠ざかり死へ向かうための逃避行。
だから盗むのも平気で出来て
これまでの苦しみが嘘のように晴れ晴れとした気持ちになっていた。
もう怖いものは無い。
君も、もう振り向くことなく進み続けられている。
それだけでも俺はとても嬉しかった。
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自由を求めて歩いてきた逃避行も
いつかは終わりが来る。
長いこと歩き続けてきたため
脱水症状で視界が揺れ始めてきた。
それから、俺らの罪を追う人達の鬼のような怒号が聞こえる。
これで終わりか。
そう確信した。
そんな時、君はナイフを手に取っていた。
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死ぬのは俺一人でいいよ。
そうして君は首を切った。
本当に一瞬だった。
どうして君は首を切ったの?
なんで1人で死ぬの?
本当は邪魔だったから?
俺をこれ以上巻き込みたくなかったから?
だとしても、君は今まで以上に笑ってくれてた。
俺はそれ以上の理由も考えられないほどに頭が真っ白になった。
直前まで隣で一緒に生きていた君がいなくなった現実を受け入れられないまま
俺は捕まって元の世界に戻って行った。
そして時は過ぎて夏は終わり
家族もクラスの奴らも、
何もなかったかのように目の前で笑いあっている。
だけど君はどこにもいない。
俺はまだ信じている。
時間がどれほど経ったとしても、
まだ何処かに君がいることを信じて、ずっと探し続けている。
後悔がまだ心の中に沢山残っている。
だけどあの言葉だけは君に言いたくて
今日も君を探している。
9月の終わりにくしゃみをして
6月の匂いを繰り返している。
もう逃避行の旅から何年も経ってしまった。
あの時の君の笑顔は
君の無邪気さは
今もずっと、頭の中を飽和している。
俺は分かる。
君は本当に死んでしまいたい訳では無かった。
ただ自由に生きることを認めて欲しかっただけなんだ。
もう過ぎた時間は取り戻せない
もう慰めることも、癒すこともできないから
君のその存在と生き様は忘れない。
君はきっと、
投げ出してしまおうって、
…そう言って欲しかったのかもしれない。
そうなんでしょ?
応えてよ。
ねぇ。
完
コメント
6件
もうやばいです。目から滝が流れますって(?) 🌸くん〇んで欲しくなかったなぁ 全て曲どうりか…...
ヤバい……鳥肌が…感動(?) リクエストで、「少女レイ」と「Loveit?」をお願いしたい🙏
どうしよう、これ書いてる途中に🫖のくしゃみって「 クシュン 」ってならないで「 ッシ 」って感じかもはやくしゃみしても聞こえないくらい小さいんじゃないかなってことを妄想しちゃってる。