大日本帝国陸軍
見渡す限り、平和そのもの。
俺たちが守ろうとしていた戦争前の 祖国よりも、ずっとずっと平和な町が
俺の目の前に広がっている。
大日本帝国陸軍
不自然なほどに町は整い、
街もコンクリートなどで 補強され
まるで自分だけ未来の世界へ 来たようだった。
???
???
大日本帝国陸軍
明らかに俺に向けて放たれた 言葉。
俺は痛む体に鞭を打ち、 なんとか振り返った。
???
大日本帝国陸軍
振り返ると、そこに 居たのは━━━…
いかにも働きづめの 労働者、といった洋風の スーツを着た人間と、
セーラーを身に纏った 猫耳の人間が居た。
猫耳が生えてる時点で 人間ではないと?
…気にするな。
そして、その スーツの男が俺に話しかけてきた ようだった。
日本
大日本帝国陸軍
日本
大日本帝国陸軍
大日本帝国陸軍
俺はとっさに日本刀を そいつに向けて 構えようとした、が…
大日本帝国陸軍
いかんせんまだ 色々な傷が完治していない 状態だ。
そんな状況でマトモに 日本刀など振れる筈もなく…
大日本帝国陸軍
日本刀を落としてしまった。
そしてその刀は、 『日本』というやつに 拾われてしまった。
日本
日本
大日本帝国陸軍
そういう奴の顔は、 どう見ても嘘を言っているようには 見えない。
そして、今の俺は怪我人だ。 常人を相手に戦える状態じゃ ない…
抵抗しても無駄ならば、 もうこいつらに従って しまったほうが良いかもしれない。
俺は警戒状態を 少しだけ解き、大きく 溜息を吐いた。
大日本帝国陸軍
日本
日本
にゃぽん
どうやら、猫耳セーラーの 女学生の名は『にゃぽん』と いうらしい。
日本
肩を貸してもらいながら、 俺は歩いて日本とにゃぽんに 着いて行った。
…待てよ、日本と にゃぽんの家に今は 向かっているんだよな。
…この道の雰囲気、なんとなく 知ってるぞ。
日本とにゃぽんに連れられ やってきたところは、 どう見ても。
大日本帝国陸軍
俺の知っている実家よりも 古びてはいるが、手入れをしっかりと 行っているのがわかった。
いつの間に父上は この家を親戚か誰かに 譲渡したのだろうか。
日本
にゃぽん
そういって、日本は 部屋の外へと駆けて行った。
にゃぽんがひたすら言葉を 発しようと動いているのが 視界の端に映る。
にゃぽん
目を向ければ、しきりに 俺をちらちらと見ながら 難しい顔をしてうなっていた。
多分、俺の本当の名前が わからず 困っているのだろう。
似ている、と思っても 別人の可能性は否めないし。
そう思って俺は名を名乗った。
大日本帝国陸軍
にゃぽん
大日本帝国陸軍
にゃぽん
にゃぽんが困ったように 笑った。
大日本帝国陸軍
なんともまぁ情けない話だ。
にゃぽん
大日本帝国陸軍
にゃぽんが突然 そんなことを言った。
にゃぽん
にゃぽん
大日本帝国陸軍
俺は、そんな物言いをする にゃぽんに心底驚いた。
俺のいた場所は…太平洋戦争の 真っ最中は、軍人が国民を守って 当然の事。
国民のためならば、 特攻隊を作って命を捨てても 民を守る。
それが当たり前だったというのに
大日本帝国陸軍
にゃぽん
大日本帝国陸軍
今、とは
一体、いつの事だ?
そう思っていると、 ふすまを開けて日本が戻ってきた。
日本
にゃぽん
日本
傷を見せてください、と いわれたので俺は渋々 袖をまくった。
日本
大日本帝国陸軍
日本
日本は傷口に容赦なく 消毒液をかけた。
…正直、傷にすごく 染みた。
日本
日本
大日本帝国陸軍
そう言った途端、 場の空気が張り詰めた。
にゃぽん
にゃぽんがそういうので、 俺は首を傾げながら答えた。
大日本帝国陸軍
にゃぽん
にゃぽんがそう言い、 壁にかけてあるカレンダーを 取り外す。
にゃぽん
にゃぽん
大日本帝国陸軍
俺はカレンダーを 食い入るように見た。
そこにはしっかりと━━━…
『2024年』
…そう記されている。
一気にめまいがした。
視界が揺らいだ。
日本
にゃぽん
そして、衝撃のあまり 意識を飛ばしそうになっている 俺の頭はやけに冷静に判断した。
…どうやら俺は、
タイムスリップでも してしまったらしい。
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コメント
24件
たぁいむすりぃっぷぅ☆
あれ…?泣くところじゃねぇのに…