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読んでる時家族の前だからニヤけるの我慢するの大変だぁ…
日帝
目が覚めると、俺は 布団に寝かされていた。
にゃぽん
目だけを横に動かすと、 にゃぽんが正座して俺の布団の 隣に座っていた。
にゃぽん
日帝
まだ状況の整理が出来ていないので 少し頭はぼんやりとしているが、
先ほどよりかは かなり落ち着いたように思う。
にゃぽん
にゃぽんがそう言って 笑顔で部屋を出て行った。
部屋に一人、俺だけが 残された。
日帝
壁に掛けられてある カレンダーの西暦は、 2024年のままだった。
日帝
無意識に大きなため息が 零れた。
ふとその時、洋服を着た 子供連れの幸せそうに 微笑む夫婦の姿が 脳裏によぎる。
日帝
日帝
たしか、戦争が終わってから 俺の記憶だと連合国に 日本は占領されていたはずだ。
だから、もしかしたら…
この国は、日本という名前から アメリカ合衆国に名前を 変更させられているかもしれない。
日帝
悶々と考えていても、 悪い方向へとしか考えが 傾かない。
そもそも混乱している状態で 一人個室に居るのがダメなのか…
日帝
俺は枕もとに置いてあった 軍帽をかぶり、布団を 出た。
所々洋風に変わっている 家を眺めながら、俺は 記憶を頼りに台所へとやってきた。
にゃぽん
日帝
お菓子… つまり甘味!?
にゃぽん
日帝
にゃぽん
にゃぽんが笑いながら 俺の前に湯呑と和菓子を 差し出した。
お皿に乗ったお饅頭を 見て、俺は少しばかり 気分が上がる。
日帝
目の前に置かれた大好物に、 自然と頬が緩むのを感じた。
にゃぽん
日帝
頂きます、と手を合わせ 匙を手に取る。
饅頭を口に運ぶと、優しい 甘さの餡と黒糖味の皮の 甘味が組み合わさり… 正直、最高の美味しさだ。
にゃぽん
日帝
戦時中はめったに 食べられなかった 砂糖の甘味をかみしめて ゆっくり味わった。
それから、にゃぽんと他愛もない 会話をしていた時に ふと思ったことが あったので聞いてみた。
日帝
にゃぽん
先ほどから日本の姿が 一向に見当たらない。
にゃぽんが用意していた 湯呑も饅頭も、2人前。
にゃぽんと日本は家族の はずだから、家に居るなら流石に 用意するだろうと思ったのだ。
にゃぽん
日帝
確かに、俺が来る前にも こいつらには元々の生活が ある。
俺がただ単に、意図せずこっちの 世界へとやってきてしまったに 過ぎないのだ。
日帝
その時。
ぴろん、という音とともに 机の上に置いてあった 四角い薄い板が光った。
にゃぽん
日帝
にゃぽん
日帝
全く聞きなじみのない単語。
というか、最近の通信機は あそこまで小さく薄くなったのか…
俺がそう感心している間に、 にゃぽんは『すまほ』をたぷたぷと 音を立てて触りまくっていた。
にゃぽん
日帝
にゃぽん
日帝
にゃぽん
やけに嬉しそうににゃぽんが またすまほを触りだした。
にゃぽんがすまほを 置いたタイミングで、 俺は彼女に話しかけた。
日帝
にゃぽん
日帝
にゃぽん
にゃぽん
満面の笑みで そう言ってくれた。
にゃぽんのすまほを 貸してもらい、後ろから 色々と教えてもらった。
流石は現役の女学生… いや、『じぇいけー』だからか 教えるのがうまかった。
おかげで俺はなんとか 『ふりっく入力』と いうものを覚えた。
にゃぽん
日帝
自慢げにふふん、と 笑うとにゃぽんも 面白そうに笑った。
その時、ぴんぽーんと 音が家の中に鳴り響いた。
にゃぽん
日帝
にゃぽん
こくりと笑顔で頷き、 彼女は席を立った。
にゃぽん
日帝
俺のにゃぽんの後に 続いて席を立った。
にゃぽん
そう独り言を 言いながらにゃぽんが 玄関扉を開けた。
にゃぽん
日本
日帝
この家に住んでいない俺が おかえりと言うのは絶対に おかしいのだろうが、状況的に 仕方のないことだからあきらめた。
日本
日帝
日帝
日本
深々と頭を下げると、 日本が慌てたので俺は 頭を上げた。
にゃぽん
日本
日本
日本
大声で日本がそう叫ぶと、 わーっという声が近づいてきた。
???
???
???
日帝
そう思っていた時、
日本の友人が 顔を出した。
イギリス
日帝
特徴的なモノクル。
紳士風の洋装をし、 王侯貴族を思わせる 風貌。
連合国軍… イギリス………
日帝
イギリス
イギリスと俺の目が合った。
イギリスは、俺を値踏みするような 鋭い視線で射貫いていた。
イギリス
日帝
俺はただ、イギリスを 睨んでいた。
イギリス
日帝
イギリス
イギリスはあからさまに 溜息をついた。
イギリス
俺だって怪我を負っている。 今ここでイギリスと闘えば、 100%負ける。
日帝
…まだイギリスの後から 足音が聞こえてくる。
???
イギリス
にゃぽん
俺の横で放心していた にゃぽんが慌ててイギリスを 案内し始めた。
そして、イギリスの後に 続いてもう一人が姿を見せる。
イタリア
イタリアだった。
元は、同じ枢軸国として 闘った仲間。
日帝
イタリア
呆然としたような 表情を浮かべ、イタリアは 目を見開いて俺を凝視していた。
イタリア
日本
イタリア
ほとんど日本に 押される形で、イタリアも 中へ入った。
にゃぽん
日帝
にゃぽん
日帝
イギリスとイタリアと 会ったことで、随分と 心が荒れているのがわかった。
???
日本
日本
ドイツ
ドイツ
日帝
ドイツ
俺以上に慌てふためく ドイツの横に、音も無く にゃぽんが現れた。
にゃぽん
ドイツ
にゃぽん
にゃぽんがドイツの背を 押してリビングへと入る。
横に居た日本が、 俺を見て言った。
日本
日帝
日本
日帝
日本
珍しく日本が かなり戸惑っているのが わかった。
そして、バタバタと聞こえる 足音。まるで、子供のような足音だった。
???
パラオ
日帝
目の前に居る、小さな子供。
パラオ
日帝
パラオ
日帝
『いーち、にーぃ、さーん………』
昔の記憶が思い出される。
パラオ
日帝
そう言って、俺は パラオの頭を撫でた。
えへへ、と嬉しそうに パラオは笑った。
日帝
戦争が終わってから、ずっと パラオとは会えずにいた。
本当に久しぶりの会話だった。
???
パラオとの再会で、 幸せに浸っていたその時。
世界で一番聞きたくない 声が、聞こえた。
日本
日本
アメリカ
日帝
アメリカ…!!
一気に心が怒りに染まる。
死んだ空と海のためにも、
ここで米帝を、
…討たねば
日帝
日帝
怒りをあらわにしようと すると、思い出したかのように 傷が痛む。
パラオ
パラオが、心配そうに 俺を見上げていた。
アメリカ
日帝
思い切り敵意を見せて アメリカを睨んだ。
しかし、相手は余裕そうな 表情を浮かべてただ立っている だけだった。
俺たちが睨みあってる 間に、にゃぽんが戻ってきた。
にゃぽん
そうして、パラオと……
米帝も家の中へと入り、 玄関の扉にカギがかけられた。
日帝
日帝
日帝