コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
こんにちは! あわすの、と申します。 このシリーズでは、北陸が中心の おはなしを投稿していきます。 文章を書くのは あまり得意ではありませんが、 頑張って書くので優しい目で 見てくださったら嬉しいです!! 今回は富山県の独立記念にちなんだ おはなしです 後半はあんまり関係ないです.. 福井さんが富山さんに特別な感情を 抱いている描写があります お気をつけください。 それでは、どうぞ!
福井
福井がにこ、と優しく微笑む
福井
そう言って福井は 徳利から透明な液体を注いだ
富山
富山はお猪口を両手に持って、 深々と頭を下げる
今から142年前の5月9日、 石川県に強制編入されていた新川県は「富山県」とその名を変えて 石川県から独立した。
福井
福井も自分のお猪口にお酒を注ぎ 早速口をつける
嚥下するや否や
福井
などと富山に話しかけた
富山
富山には どう考えてもいい未来は見えない。
福井
富山
ちびちびとお猪口を傾け 「立山」と名のついた日本酒を味わう
立山連峰の豊かな清水が感じられる 繊細な風味に、自然と笑みがこぼれる
福井
富山
富山
富山は得意げにそう言った
福井
富山
福井
福井は少し切なげに呟いた
福井
どの時、なんて聞かずとも分かる
富山
かつて石川県の一部であったころ もう二度と味わいたく無いあの屈辱
ともに編入されられた身で、 一足先に独立した後も福井は 富山を気にかけてくれた
福井
福井
福井
富山
あの頃の自分を思い出す
福井
福井
福井
ああ、以前もこんなやりとりをしたな なんて
富山
富山
これは紛れもない、本心
福井
果たして福井には ちゃんと伝わったのだろうか
これ以上話す気になれず、お互い 机に並べられた昆布締めに箸を伸ばす
福井
福井
福井が私を見てそう言う
富山
富山
福井
目の前で静かにお酒とお刺身を堪能 する彼に目を向ける
僕の頭の中はあの頃の記憶でいっぱいだった
あの頃の富山はいつも暗い表情をして 黙って石川に従ってた
僕が石川と滋賀の支配に 耐えられなくなって独立したとき
富山は一言、
富山
と言って一本のヒマワリをくれた
あの時の富山の顔は忘れない
「ああ」
「彼に、救いがあれば」
晩酌を始めてから2時間ほど経ち そろそろ話も尽きたため お開きにしようとした彼は もう少し、と福井に呼び止められた
富山
福井
はて、 福井はあまりお酒は強くないハズだ
富山
福井
富山
次のお酒を取りに席を立つと
福井
福井はリュックサックから 少し小さめの酒瓶を取り出した
「梵」と立派な字体でラベルに 書かれたそれは、 確か40度を超える代物だ
富山
富山
福井
福井
富山
富山
福井
福井
ぐい、っとお猪口を押し付けられる
富山
ごく.ごく...
富山
富山
福井
福井
富山
富山
すう、すう、と 静かな寝息が聞こえる
僕が渡した焼酎を飲んでから 10分ほど経って、 富山は眠ってしまった
福井
さらさらの髪を優しく梳く
我慢できず富山の白い肌に触れる
富山
富山の全てが愛おしくてたまらない
福井
ほんのりと色づいたほっぺたに キスを落とす
ぐっすり眠る富山は 僕の想いを知らない
福井