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お願いします助けてください

第1話 - お願いします助けてください

1,132

2018年07月01日

#ホラー

雪

中学生

今、誰かここを見てくれていますか？

中学生

もし見ていてくれるのなら、どうか最後まで聞いてください

中学生

おねがいです

中学生

これから私が話すことは、普通ではありえないことです

中学生

でも、

中学生

どうか笑わずに聞いてください

中学生

もう頭がおかしくなりそうなんです

中学生

誰かに聞いてもらわなきゃ

中学生

ひとりじゃもう

中学生

お願いです

中学生

聞いてください

中学生

そして、もし解決法を知っている方がいるなら、どうか教えてください

中学生

中学生へ

中学生

で送っていただければありがたいです

中学生

私はいつでもスマホを見ています

中学生

これでしか繋がれないから

中学生

あ、ごめんなさい

中学生

本題に入りますね

中学生

その前に、なぜ私の名前が中学生なのかをご説明します

中学生

理由は、もう私自身、自分の名前がわからないからなんです

中学生

本当です

中学生

わからないんです

中学生

でも、私は中学校に居たので、中学生なんだと思います

中学生

では、これからは吹き出しとテキストを交えて話していきます

中学生

最後まで聞いてください

......................................................

とりあえず、私の身に起こっていることを、簡潔に書きます。

1.私以外誰もいない世界に来てしまっています

2.インターネットは繋がります。大手動画投稿サイトの視聴も可能ですし、コメントも読めますが、書き込むことができません。

3.なぜかこのアプリでは作品の投稿が出来ます

4.基本、睡眠欲、食欲等はあります。

5.今は自宅にてこの話を書いています

6.自宅には誰もいません。

......................................................

中学生

はい

中学生

まず、1についてです。

中学生

誰もいない、というのは、あくまで私が歩いて探した範囲内ですが、誰もいませんでした。

中学生

コンビニ等、普段なら人がいるであろう所にも誰もおらず、車も通りません。

中学生

電話等もかけてみましたが、繋がらず。

中学生

警察ですらダメでした。

中学生

次は、2について。

中学生

基本、YouTube、TwitterなどのSNSへのアクセスは可能ですし、閲覧もできます。

中学生

ですが、コメント等を書き込むことができません。

中学生

パソコンでも試してみましたが、ダメでした。

中学生

そして、3つめ。

中学生

私は今まで、自分の名を「雪」として、本当に普通の作者を装って過ごしてきました。

中学生

なぜ本名で名前を登録しなかったかと言いますと、本名で登録することができなかったからなんです。

中学生

そして、もう一つ、なぜ、最初からこうして助けを求めなかったかと言うと、

中学生

実は、周りに誰もおらず、インターネットは使い放題という、

中学生

勉強からも周りの人間関係からも隔離されたこの空間を、心地よいと思っていたからです。

中学生

そして、あくまでも普通の作者として、これまで創作活動を始めていました。

中学生

でも、最近になってこの生活が、恐ろしく感じてきました。

中学生

このまま誰にも会えないなんて、もう耐えられないんです。

中学生

だからこれで助けを求めることにしました。

中学生

こんなの正しい使い方じゃないって、わかっています。

中学生

でも、これしかないんです。

中学生

…ごめんなさい、これでは話が進みませんね

中学生

では、次はわたしがなぜこの世界に来たか、ということを、

中学生

そして、来ることになった日のことをできるだけ事細かに話していきます。

中学生

あと、世界、というのは、少し大げさかも知れません。

中学生

私が今いるのは自宅だということは、既に状況説明のあたりでお話しました。

中学生

私が今いるのは、なんというか

中学生

私以外の人だけが消えた空間…ですね

中学生

それ以外は変わりありません。

中学生

朝が来て、夜が来て

中学生

時々雨が降って、晴れて。

中学生

日にちも…たぶん、進んでいます。

中学生

ただ、人が消えただけです。

中学生

では、話を戻して、来ることになった日のことを話します。

......................................................

その日は、確か、今月の金曜日でした。

当時の私の中では、早起きがマイブームで、よく目覚ましをかけて起きていました。

その日は、朝早く…6時ぐらいですね、それぐらいに起きて、ベーコンと目玉焼きを食べました。

そして、そのまま制服(夏服)に着替えて、7時20分頃に家から出ました。

家から学校は近く、10分程度の距離だったと思います。

私はそのまま学校へと歩き、ついたのは、7時30分頃だったと思います。

そのままみんなが来るまでクラスで待機、朝礼が終わり授業が始まりました。

時間割が家にあるのですか、日にちのところが何故か滲んでいて、日にちまではわかりません。

でも、時間割はなんとか…

理科、国語、家庭科、数学、英語、社会

と、なってました。

ちなみに、日付の滲みのことですが、

この世界に来てから、日にちが文字化けしたり、テレビでも、日にちを言っているであろうところだけ聞こえないということがあります。

さて、話を戻します。

午前授業を終えた私は、給食を食べました。

昼休みに、私は毎回ふきんを洗う仕事をしていました。

午後授業も問題なく終わり、放課後になりました。

私はその日日直だったので、仕事を終わらせて帰ろうとしました。

ですが、友達にとある用事ができてしまい、学校で待つことになったんです。

かなり長い間、もうひとりの友達と一緒に階段の踊り場で待機していました。

しかし、そこでぼーっとたっているうちに、一週間の疲れがどっと襲ってきて、眠くなってしまいました。

しばらくして私は踊り場に座り込み、顔を伏せて眠ろうとしました。

一緒にいた友人も同様、顔を伏せて眠りにつきました。

でも私は眠ることが出来ず、しばらくして顔を上げました。

友人は既に眠っていました。

私は眠れないし友達も寝て暇だしで、しばらくそのへんをウロウロすることにしました。

学校ではスリッパを履くのですが、履いたままあるくと音が出ます。

その音で友人を起こすのもなんだと思い、スリッパを脱いで階段をおりました。

そのままふらふらと廊下を歩き、何故かトイレに入りました。

今でも理由は分かりませんが、本当になんとなく入った感じです。

そのままトイレでうろうろしながら、なんとなく鏡を見ました。

そしたら、急にめまいがして、視界がぐるっと回るような感覚に陥りました。

しばらくして目が覚めると、トイレの床に倒れていました。

外はまだ明るかったです。

その時は、疲労と暑さで倒れたのかと思い、待っている友達が来たら早く帰ろうと思って、踊り場に戻りました。

しかし、そこに友人はおらず、残っていたのは私のスリッパと鞄だけ。

もしかして、もう帰ってしまったのかと思い、くつばこを見に行きました。

友人の靴はまだ残っていたので、もしかしたら急にいなくなった私を探しているのかも？と思いました。

変にうろうろするのもあれかと思い、私は踊り場で20分ほど待機していました。

しかし、待っても待っても友達は来ませんでした。

しばらくして、私は友達を探し始めました。

でも、入れ違いになってはあれなので、その場にメモを残しました。

しばらく友達を探していましたが、そこでおかしいことに気がつきました。

人がいないんです。

先生も、部活動生もいませんでした。

教室から校庭が見られるのですが、いつもならそこで部活をしている人もいませんでした。

私は人が完全にいなくなった学校に不安を覚え、申し訳なく思いながら家へと帰ることにしました。

帰り道、私は人を探しながら歩いていました。

いつもなら人がいる公園も誰もいないし、車通りの多い道路にも、車は走っていませんでした。

私は家へと帰りつき、パソコンをつけました。

もともと両親は共働きで、まだ帰ってくるような時間でもないため、今までのことを奇妙に思いながら過ごしました。

でも、両親は帰ってきませんでした。

何度もLINEしたし、電話もかけました。友達にも。

でも既読すらつかず、折り返しの電話もありませんでした。

結局私はそのまま眠りにつき、ずっと人に会わず過ごしてきたんです。

......................................................

中学生

はい。

中学生

これが、私がこの世界に来ることになった日のことです

中学生

私が今何より知りたいのは、自分の名前と、ここから出て元の世界にもどる方法です。

中学生

何より手がかりになるのは、一緒に待っていた友達だと思います。

中学生

今ここを見ている方の中で、同じ状況で友達が消えた、って方はいませんか？

中学生

私はもう、その友達の名前も顔も覚えていません。

中学生

でも、もしかしたら、その友達なら私のことを覚えているかもしれません。

中学生

私は基本、家でニュースを見たりしていますが、私のことについては取り上げられていません。

中学生

それが何故かはわかりません。

中学生

でも、もし私と同じ状況に陥って、助かったことがある人、どうか教えてください

中学生

そしてどうか、この話を広めてください。

中学生

早く、元の世界にもどりたいです

中学生

どうかお願いします

中学生

助けてください

中学生

誰でもいいんです

中学生

だれか

中学生

たすけて

中学生

…あ

中学生

ひとつ、手がかりになると思われることをお話します

中学生

私、倒れる前、こんな言葉を聞いたんです

中学生

すでしなばりくつてべす

中学生

多分、こうだと思います

中学生

この言葉は、実は私の残したメモにも、真っ黒くて太い文字で書かれていました

中学生

上に読みもありました。

中学生

漢字は、

中学生

既死名張屈手辺素

中学生

この言葉を聞いたことがある方、もしかしたら自分も似たようなことになったことがある方、どうか、力を貸してください

中学生

おねがいします。

中学生

ここからは近況報告となります。

中学生

一度学校へ戻った際、もう一度よく探索等をしてみたところ、図書室であるものを見つけました。

中学生

都市伝説のことについて書かれた本です。

中学生

バカバカしいかも知れませんが、もしかしたら何かあるかもと調べてみたところ、

中学生

実は、似たような話を見つけました。

中学生

本を持ってくればよかったのですが、なんとなく盗みには抵抗がありまして…

中学生

覚えている限りのことを話していこうかと思っています。

中学生

まず、その都市伝説では、

中学生

誰もいない世界に行く条件はさまざま、らしいです

中学生

朝の時もあれば、夕方の時もある。

中学生

1人で歩いていた時に急にそうなることもあれば、

中学生

みんなと歩いている時に、1人だけこの世界に来ることもあるらしく…

中学生

でも、一つだけ共通点があるらしいです。

中学生

その共通点とは。

中学生

この世界に来る前、かならず、「声」を聞くと。

中学生

これは私もまんたさんも同様です。

中学生

私の場合は姿は見えませんでしたが、気を失う前に聞きましたし、

中学生

まんたさんは夢の中で、赤い瞳の女性の声を聞いています。

中学生

…ですが

中学生

残念なことに、あくまで「都市伝説」として取り上げられたものです。

中学生

そんな話に解決法なんて載っているわけもなく、結局一から降り出し、となりました。

中学生

では、また色々と調べていこうと思います。

中学生

もし何かわかったことがある方はぜひ、「中学生へ」と送っていただければ幸いです。

中学生

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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雪

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