花海
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1、人と神の恋の代償
私は麗奈、この神社に祀られている神だ
今は夜、まぁ見ての通りだな
夜は特別な時間帯だ
麗奈(れな)
いつもの日課…とあるヤツを待っているのだ
海斗
麗奈(れな)
こいつは海斗、ただの村人だ
海斗
麗奈(れな)
私はただの人間に神と知られてはならない存在……そのため、こいつの前では私は巫女を演じる
海斗
海斗は人を疑うなんてことを知らない純粋無垢な奴だ
麗奈(れな)
私とこいつが知り合ったのはほんの数年前だ
雪が降りしきる中、こいつはまだガキだった
親に見捨てられたのか…余りにもみすぼらしい格好をしていたものだから私が少し施しをしてやった
そのお陰でこいつは心優しい村人に拾われここまで育てられた
そのことをこいつは知らない
海斗
麗奈(れな)
海斗
麗奈(れな)
こいつは私を知りたがる
だが……私はそれを拒む
神と知られては私はこの世に存在ができず記憶も何もかも消される…
何故ここまでそばに居るのか…私はただの人間を好いてしまったのかもしれんな
海斗
麗奈(れな)
足を止めた彼を見るように振り返ると少し黙ってから手を握って来た
海斗
麗奈(れな)
海斗
麗奈(れな)
海斗
巫女が神の生贄なんて嘘に決まってるだろ
そんなのお前ら村人が勝手に決めてるだけだ
だが……村人達は巫女を私に送り付けてくる……余りにも理不尽極まりないから私のとある管轄の地域に送って過ごして貰っている
私が大蛇みたいに思われては大変だからな
麗奈(れな)
頬を撫でて言うと俯いて「ですね……すみません笑」と言って私の手を握ったまま歩き始めた
数ヶ月後……
私はあいつの前に姿を現すのを辞めた
まぁ、あいつの前では巫女を演じていたからな
姿を消さなければ勘づかれてしまうからな
なんてことはどうでもいい、あいつは私が消えてからもこの神社に通い続けている
海斗
会えないことを分かっておきながらも熱心に来るのは…巫女の私が好きだったからだろう
麗奈(れな)
初めはただ…愚かで可哀想な子供を助けただけだった……しかし、その子供は熱心にこの神社に通い…興味本位で巫女として姿を現した…それがコイツとのちゃんとした交流の始まりだった
別にその選択を悔やんでは無い
人を知るのも神の勤めだった……しかし、私は人を知りすぎた
そのせいで神が人に対して持っては行けない感情を持ってしまった
そして……それは彼もだ
知らず知らずのうちに神を好きになってしまったのだから
海斗
彼のここ最近の口癖だ
私だって会ってやりたい…だが、神が偽りを着き続けるのもある意味禁忌なのだ
神は真実を導く者だ……
麗奈(れな)
数ヶ月後
海斗は社を壊した罪で捕まった
海斗
海斗
村人達は海斗を重罪人として壊れた神社の本殿の前で殺そうとしている
麗奈(れな)
海斗は縄で体をきつく縛られ初めは尋問から始まった
石抱きの刑だ
簡単に言えば尖った石の上に罪人を正座で座らせ膝の上に石を置いていく……そして、重みが増せば増すほど…石が皮膚に食い込む…そんな刑だ
村長)何故貴様は神の社を壊した!
海斗
村長)先程も言ってるだろ、麗奈と言う女はおらん!
海斗
村長)何を言ってるんだ……
村長)それに……仮にそんな女が居たとしても既に神様の生贄になっている、死んでいるんだ!生き返るわけないだろ!
海斗
村長)帰ってこないのが分かっておりながらもお前は社を壊したんだ
海斗
彼の目は私を求めている目だった
このまま愛しい人を殺されてたまるものか……その一心で私は姿を現してしまった
麗奈(れな)
村長)!!
海斗
麗奈(れな)
麗奈(れな)
麗奈(れな)
麗奈(れな)
海斗
海斗の膝に乗っている石と縄を切ってやると海斗は走って私を抱き締めてきた
麗奈(れな)
海斗
麗奈(れな)
優しく海斗の頭を撫でると海斗は私の頬を優しく包み込んで唇を重ねてきた
海斗
麗奈(れな)
初めにも言った通り……私は神だ、人の前に神として姿を現しては行けない存在……神として姿を現してしまった私は…神として失格……このままこいつらの記憶ごと私は消えるだろう
麗奈(れな)
海斗
麗奈(れな)
海斗
麗奈(れな)
口吸いというものは悪くないな……笑
だが……タイムリミットはもう間近だ…
体は光、体が徐々に消えるとこいつらの私への記憶も消え薄れていく
海斗
麗奈(れな)
海斗
その会話を最後に私は完全に消えた
彼は……私を忘れ他の奴と暮らして行くだろう…私はそれだけで結構、あいつが幸せならな
数年後……
海斗
麗奈(れな)
海斗
麗奈(れな)
海斗
麗奈(れな)
海斗
麗奈(れな)
海斗
麗奈(れな)
海斗
麗奈(れな)
海斗
麗奈(れな)
神を辞めさせられた私は人になった
人になって…人の幸せを掴んだ
別に神に戻りたいとは考えない、こいつが居ればな
私は本当……幸せ者だな笑
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