私の役目は昼間に渡された睡眠剤と麻酔を彼に注射により体内に入れること
殺しはまた別の人間に頼んであると金豚様は言っていた
だから何も音をたてず布団から体を起こしポケットに入っている細い注射針を出した
ズプッ
幸いあの施設で薬の投与仕方を教えてもらっているので主人の手を持って針を通すことは容易かった
らっだぁ
ぺいんと
睡眠剤を体内に入れた時少し彼は顔を歪め声を漏らしていた
らっだぁ
ぺいんと
少しすればまた先程のように穏やかな寝息を立てて寝たことを確認して次の麻酔を彼の中に投与しようと用意を進めた
ぺいんと
先程はうまくできたはずなのに途端に手が震えて狙いが定まらない
声の方を振り返るとそこにいたのは
金豚さんと猿山様は今日決行しろと言ってきた
漸くか僕は思いながら笑顔で『はい!』と彼らに伝え時間も教えてもらった
12時30に部屋に着くようにしろと言われなぜ12時の鐘の音と同時ではダメなのか聞くとアイツは警戒心は強いのでぺいんとさんが薬を投与するであろうおおよその時間らしい
しにがみ
僕は用意された部屋から出て手頃な刃物を手で持ち静かな廊下を進んだ
障子を開けるとそこにいたのは2本目の注射針を狐に刺そうとしている彼の姿だった
ぺいんと
ぺいんとさんは集中しているからか僕が入ってきたことに一切気づいていない様子だった
しにがみ
数分待ってみたが彼は一向に針を刺そうとはしておらずただ狐を見つめているだけだった
しにがみ
そんな彼をみていられなくなった僕は手出しをするなと命令されていたが彼のそばに寄り添った
ぺいんと
彼は驚いた様子で僕をみたかと思うとまた自身の手元に視線を落とし注射を刺そうと試みている
しにがみ
彼は人形の中でも人形としてあのクソ施設の奴らに暴力や言葉で教育されてきた
だからきっと逆らったら重い罰があると思って手が止まっているのだろう
しにがみ
彼を傷つけるものは誰であっても許さないしもう彼は自由なのだがら誰にも何にも縛られて欲しくない
しにがみ
震える彼の手にそっと自分の手を乗せて針を肌に貫通かせた
ぺいんと
しにがみ
中に入っている液体を入れている時一瞬そんな言葉が聞こえてきたがきっと気のせいだろう
しにがみ
殺してはいけないらしいので心臓や致命傷になる部分は避けギリギリ自己治癒でどうにかなる傷を作るのが僕役目である
ザシュ
しにがみ
人の肉を切るのが初めてで切ったところからドバドバ血が出る光景に少し吐き気を催したがぺいんとさんのために頑張る
彼が自由になるなら僕はなんだってするし、彼が幸せならなんでもいい
だって施設で僕たちのために人殺しをして 不自由な思いをして心を壊した
どれだけ謝っても後悔しても彼の心は壊れたままならいっそ僕が幸せにするのがいいに決まっている
しにがみ
彼を苦しめた元凶のソイツは麻酔と睡眠薬を入れられたせいできっと目覚められない
肉の切る不快感より彼の今後を想像すると幸せになって無意識のうちに声に出して笑ってしまっていたようだった
金豚きょー
しにがみ
金豚きょー
しにがみ
少し微笑ましそうに僕の様子を見てくるきょーさんに心の底から感謝をし残りの部位を刺そうと刃物を喉から抜き取った
ぺいんと
しにがみ
先程まで座ってきたぺいんとさんは僕が血塗られた刃物を持っていた手をすぐに降り解ける強さで握ってきた
ぺいんと
今まで僕は一体何を見てきたのだろう
滅多に泣かない彼の目尻には少しだけ涙が浮かんでいる
しにがみ
決意した心が緩んでしまい僕は強く握った血塗られた刃物を落としてしまった
金豚きょー
しにがみ
先程までは笑顔だった彼の表情はその面影をなくし冷やかでゴミを見る瞳をしながら彼は落とした刃物を拾い上げた
金豚きょー
ぺいんと
金豚きょー
しにがみ
ぺいんと
しにがみ
渡された刃物を素直にペイントさんは受け取るものの、苦痛の表情を浮かべており顔が青い
金豚きょー
しにがみ
金豚きょー
コメント
24件
きょーさぁ~ん、複雑な気持ちで見ています。>"< しにがみくん、今ペンちゃんを助けられるのほ君しかいません。!
長文でごめんなさい! ぺんちゃんのためなら何でもする人とぺんちゃんを手に入れる為なら何でもする人に囲まれてるぺんちゃんが可哀想だよ! らっだぁの状況がやばい事になってるし!ぺんちゃんはぺんちゃんでらっだぁに刃を向けないといけないし! すごく続きが気になります!!
きょーさん!?らっだぁに助けてもらったんじゃないの?! ぺんちゃんガチ恋勢じゃん