コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
職場の先輩:黒尾鉄朗
私は事務職員として、大学を卒業した今年の春から働いている。
仕事内容としてはデスクワークや電話応対だけでなく、窓口に出てお客様と直接かかわることもある。
私
入社して早3ヶ月。
少しずつ仕事に慣れてきたが、まだまだお客様と直接話す窓口業務は苦手だ。
黒尾鉄朗
後ろのデスクでパソコンを叩いていた黒尾さんが、私が接客を終えたタイミングで隣に来る。
私
私より3年先輩である黒尾さんは、私の教育担当でもあり、常に気にかけてくれる優しい方。気遣いの塊。
黒尾鉄朗
黒尾鉄朗
私はエヘへと照れ笑いした後、視線を戻して椅子を前にひき、背筋を伸ばし次のお客さんが来るのを待った。
(…ああ、本当に一言一言が優しいんだよな…そしてモチベがあがる!!!)
心の中で鼻息をふんすと鳴らし、遠くからやってくる次のお客様へと目を向ける。
モブ
次にきたお客様はどかっと勢いよく椅子に腰かけたかと思うと、書類をばさばさ撒くように机の上に出してきた。
私
(あ。この人手続きの対象外だ…断らないと…)
私
モブ
こういうときの上手い断り方がわからないな、と思いつつ、何とか言葉を紡ぐ。
私
バン!
突然、私の説明を遮り台パンした音がフロア内に響いた。
もちろん目の前の客と私を介している机から出た音だ。
モブ
私
張り詰めた空気。
怒鳴り声をあげられ、身がすくむ。
頭も真っ白で働かない。
(どうしよううまく返さなきゃ…)
私
モブ
大声でまくしたてられ、心拍数も上がる。 無理だ。何も言葉が出てこない。
モブ
(私ひとりじゃダメだ。下がって誰か手の空いている先輩に…)
そう思った次の瞬間。
私の背後に、存在を感じた。