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手鬼を倒した後、しばらくの間、 静寂が支配していた。
真菰と錆兎も、葵の周りで息を整えていたがーーー
錆兎
葵が不安そうに周囲を見渡す。
葵
その言葉に、錆兎と真菰も息を呑んだ。
確かに、何かがおかしい。
手鬼が倒れたはずなのに、 あたりには異様な気配が漂っていた。
錆兎
錆兎が振り向くと葵は頷いた。
葵
その瞬間、空気が急に冷たくなった。
真菰
真菰が呟くと葵はすぐに反応した。
葵
振り向いた先ーーー
そこに現れたのはーーー
錆兎
葵
突如として現れたのは、 黒い羽織を纏った、異形の男。
その顔には薄らと血の涙が流れ、 目は漆黒に輝いていた。
???
その声に葵たちは震え上がる。
葵
鬼の王
その言葉と共に鬼の王は手をひらりと動かした。
その瞬間ーーー
葵たちの周りの景色が、歪み始めた。
錆兎
錆兎と真菰も、目の前の状況を理解できない。
鬼の王
鬼の王の手から黒い波動が放たれる。 それは空間を引き裂き、時間そのものを歪めていく。
葵
葵は震えながらも、刀を握り始めた。
葵
その瞬間ーー
鬼の王は冷笑を浮かべ、再び手をひらりと動かす。
鬼の王
ーーそして黒い波動が葵たちを包み込んだ。