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終のエリジウム【第1章】

第2話 - 第2話　言えなかったこと

2024年10月28日

#マッシュル

#マッシュル夢小説

#バトル

#ファンタジー

七ノ井みる

フィン

───ごめん。

フィン

君の教科書をビリビリにしたの、
僕だったんだ……。

フィン

ごめんよ……。

マッシュ

フィンくん……。

ロイド

じゃあ僕にも謝ってよ。遅れてごめんなさいって。

ロイド

マッシュくんにも謝れるならもちろん僕にも謝れるよね？

ブルース

キャベルくん、やめた方が───

フィン

……。

ロイド

謝れないのかい？彼には謝れるのに？
今謝れば許してあげるよ。

ロイド

ほら早く〜。

フィン

……。

マッシュ

……。

ロイド

僕、あんまり気は長いタイプじゃないんだ〜。
早く謝らないと……

マッシュ

……フンッ

バキッ！！

ブルース

……は？

イグニス

はぁぁぁ？？

クラル

派手にやったなぁ。

マッシュ

支持されてやったんでしょ。
えっと確かこの人……

マッシュ

おいもキャベツだっけ？

ブルース

ロイド・キャベルだよ、マッシュくん。

マッシュ

そうそう。

ロイド

僕は教頭と知り合いだ！
この件を教頭に告発すれば───

マッシュ

……うるさいなぁ。

ブルース

（凄いなぁ、フィジカルって……。）

クラル

うるさい。余は眠くなってきた。
早う寝かせろ……。

イグニス

呑気だな、お前。

クラル

いちいち他人の事情に左右されるような余ではないぞ。

イグニス

そりゃそうか。

マッシュ

……やばい、やっちゃったかも。

フィン

（今更───！？）

マッシュ

まぁいっか。

フィン

楽観的……！！！

ブルース

フィンくん、マッシュくん、怪我はないか？
もしあれなら医務室に……

フィン

……ごめん、僕ちょっと外に出てくる。
怪我は無いから大丈夫だよ、ありがとう。

ブルース

え……。

マッシュ

あら……。

フィン

はぁ……。

フィン

（頭冷やさないとだなぁ。命令に逆らえなかったからって、あんな酷いことをして……。）

ヴァイパー

……キミ、どうしたんだい？

ヴァイパー・アンフィニレアン寮3年生

フィン

うわぁっ！？

ヴァイパー

おぉ、ごめんよ。驚かす気はなかったんだ。
ただ、思い詰めた表情をしていると思って。

フィン

えっと……貴方は……？

ヴァイパー

私はヴァイパー・アンフィニ。
レアンの3年生だよ。

フィン

レアン寮……？

ヴァイパー

そうだよ。ただ、私は寮がどうこうというのは嫌いでね。

ヴァイパー

まぁ適当に先輩と呼んでくれればいいよ。

フィン

えっと……先輩はなぜここに？

ヴァイパー

放課後だからね。私のお気に入りの場所に来たんだよ。

ヴァイパー

そしたらキミを見かけて話しかけてみた。
……これでいいかな？

フィン

あ、はい。

ヴァイパー

ところで、キミの名前は？ずっと“キミ”と呼ぶのもあれだし、せっかくなら教えてくれ。

フィン

僕はフィン・エイムズです。

ヴァイパー

フィンくんか。よろしくね。

フィン

先輩はいつもここに？

ヴァイパー

あぁ。レアンというだけで何かと恐れられることが多くてね。

ヴァイパー

皆からすると私達レアンは猛禽類だそうだね？

ヴァイパー

私はそれが苦手で、こうしているんだ。

フィン

（争いを好まない、レアン寮の生徒にしては珍しい部類の人なんだなぁ……。）

フィン

僕、実は命令されて友達の教科書をビリビリにしちゃって……。

ヴァイパー

……ロイド・キャベルくんの命令でかい？
彼の悪行の数々は私達の耳にも入ってくるよ。

ヴァイパー

フィンくんはどうしたいんだい？

フィン

もちろん、謝りたいです。
でも、さっきちょっとした騒ぎになって。

フィン

その時に、僕がそうしたっていう事実もあやふやになればいいと思ってしまって……。

フィン

そんな自分が許せなくなったんです。
僕は謝りたいのに。

ヴァイパー

人間は弱いから、自然と自分が傷つけられる道は避けてしまうんだ。

ヴァイパー

……と、昔祖父に言われたんだ。
確かにと思ったよ。

ヴァイパー

私も自分が傷つくような道はできる限り選びたくない。君もそれは同じだろう？

フィン

……はい。

ヴァイパー

素直だね。私、素直な子は嫌いじゃないよ。

ヴァイパー

とりあえず、きちんと面と向かってごめんと言ってみるのがいいと思うよ。

フィン

……はい。ありがとうございます。

ブルース

フィンくん！

イグニス

おーい、フィン！どうしたんだ？

フィン

あ、皆……。

ヴァイパー

はは、私は邪魔者のようだね。
……じゃあ、頑張って。

マッシュ

急に出て行っちゃったからびっくりしたよ。
どうしたの？

フィン

……あれ？クラルちゃんは？

イグニス

あいつはねみーからっつって教室に居る。
んで、どうしたんだよ。

フィン

───実は僕……

ヴァイパー

ふぅ……。

アマーレ

……あ、ヴァイパー先輩。お疲れ様です。

アマーレ・ジュピタレアン寮1年生

ヴァイパー

おや、アマーレか。お疲れ様。
そんなにかしこまらなくともいいんだよ？

アマーレ

で、ですが、先輩は確か神覚者有力候補なんですよね……？

アマーレ

凄いなぁ、いつかボクもそうなってみたい……。

ヴァイパー

努力すれば報われるよ。……多分だけどね。

アマーレ

はい……。

ウラノス

……アマーレ。何をしているんですか？

ウラノス・ジュピタレアン寮3年生

アマーレ

に、義兄様……？ご、ごめんなさい！

ウラノス

謝罪を求めている訳ではありません。
何をしているのか聞いているのです。

アマーレ

そうですよね、すみません……。

ヴァイパー

（結局謝罪になっていないかい？）

ウラノス

“ジュピタ家の子として”、将来は社会のためにならなければいけないのですよ。

ウラノス

……そういえば、まだ内部進学の試験の結果を聞いていなかったですね。どうだったんです？

アマーレ

あ……えっと……。

ヴァイパー

はいはいストップストップ。例え義弟だとしても優しくしようね、ウラノス。

ウラノス

……。

ウラノス

私はこれから勉強をします。
アマーレも勉強はきちんとしてくださいね？
皆に遅れを取らないためにも。

ウラノス

“期待していますよ”。

アマーレ

うっ……。分かりました。

ヴァイパー

大丈夫かい？

アマーレ

あ、ははは……。
また怒られてしまいました。

ヴァイパー

私が聞きたいのはそこじゃないよ。
……期待していると言われた時に顔を顰めているように見えたのは気のせいじゃないよね？

アマーレ

気付かれていたんですね。

アマーレ

次は失敗しません。内部進学の試験だって1位を他の方に譲ってしまった。

アマーレ

近頃アベル先輩を中心に七魔牙がコイン争奪戦の計画をしているのですよね？

アマーレ

ボクもそれに協力します。ボクなんかが力になるかは分かりませんが……。

アマーレ

それでいい成績を収められたら、きっと義兄様も認めてくれるはず。

ヴァイパー

（地味に答えになっていないような気もするけど、それは踏み込むなということかな。）

ヴァイパー

（……とにかく、私にどうこうできる話ではないということか。）

ヴァイパー

随分と複雑だね。

名前：ヴァイパー・アンフィニ年齢：18歳性別：男性寮：レアン寮学年：3年生身長：175cm 体重：70kg 誕生日：7月16日痣：2本線一人称：私二人称：キミ、○○、○○くん、○○ちゃん、○○さん三人称：彼、彼女、あの子好きな○○：温かい食べ物（特にシチュー）、きのこ嫌いな○○：臭いの強い物、マンドラゴラの取り扱い固有魔法：ヴァイパーズ毒蛇を召喚して戦わせる能力。毒蛇は魔力で動き、魔力を注ぐ程強くなる。設定：後輩思いなレアン寮の3年生。神覚者有力候補の1人らしいが、本人はなれるならなろうくらいの軽い気持ちである。マンドラゴラの扱いだけは苦手。

名前：アマーレ・ジュピタ年齢：15歳性別：男性寮：レアン寮学年：1年生身長：170cm 体重：63kg 誕生日：1月16日痣：1本線一人称：ボク二人称：君、貴方、○○、○○先輩三人称：あの子、あの人好きな○○：義兄、休日、ホットココア嫌いな○○：冷たい物、両親、勉強固有魔法：アルクス弓を扱う魔法。弓を1本射るのに魔力が少量だが必要。使用する魔力の量によっては矢を大きくも出来る。設定：ジュピタ家に迎え入れられた養子。自己肯定感が低い。成績優秀だが、義兄と比べられ不出来だと言われ、ほとんど両親と話すことはない。

名前：ウラノス・ジュピタ年齢：18歳性別：男性寮：レアン寮学年：3年生身長：173cm 体重：68kg 誕生日：10月14日痣：2本線一人称：私二人称：貴方、○○、○○さん三人称：彼、彼女好きな○○：義弟、学校、ホットココア嫌いな○○：義弟を傷つける物や人、テスト、両親固有魔法：アムネシア魔法を使用した者の記憶を一部だけ、一時的に忘れさせる魔法。この魔法を利用し、魔法を無効化させることも出来る。設定：成績優秀なジュピタ家の長男。実は勉強が嫌い。義弟に辛く当たりがちな節があるが、義弟のことを大切に思っており、義弟を害する物や人は何であろうと排除しようと心に決めている。いわゆるブラコン。