あれから約30分後、
桜、楡井、蘇枋、杉下、柊、湊は
見回りとして街を歩いていたが、あるトンネルの前に来ていた。
桜
(ここから向こうは飲み屋街なのか)

桜
(犬…?)

桜
ブッサイクな犬だな

楡井
ちょ、桜さん!

楡井
そんなこと言っちゃダメっす!

楡井
どこにあちらの人がいるか分かんないっすよ!

桜
あちら?

楡井
ここは丁度ボウフウリンと別のチームのシマ境なんです

楡井
絶対この高架の向こうで問題起こしちゃダメですよ

楡井
国の法律が違うように、向こうではこちらのルールは通用しない…

楡井
この先を仕切っているチームの名は…

楡井
力の絶対信仰“ 獅子頭連 ”

桜
ふーん、力の絶対信仰…

桜
いいね、そういうの好きだぜ

猿渡
待てゴラァ!!

楡井
!

トンネルを見ると、三中の笹城がボロボロになって走ってきていた。
後ろにはオレンジのスカジャンを着ている猿渡、鹿沼、有馬が来ていた。
柊
(三中の制服!)

柊
そんなとこで何やってる!早くこっち来い!

楡井
後ろ…オレンジのスカジャン…

楡井
獅子頭連!!

柊
(クソッ、高架を超えるまでもたねぇか)

楡井
なっ!

猿渡
ぐはっ…

桜
おいてめぇ、邪魔なんだよ

楡井
なんてことを!

楡井
相手のシマでこちらから手を出すなんて

桜
何言ってやがる

桜
こいつが身内なら…

桜
手を出されてる

杉下
手を出されてる

楡井
な…な…何してるんすかあんたら!!

桜
俺がやる、あっちいってろ

桜
聞け!!

有馬
あ〜あ、何をやってんだよ

有馬
あダメだ、完全に伸びてる

鹿沼
蹴り1発で落ちるとか

鹿沼
ダッサw

桜
(なんだこいつら)

桜
(仲間…なんじゃねぇのか?)

十亀
なになにぃ?

十亀
どうしたの?

十亀
こっちのスカジャンがすっ飛んでいくのが見えたから追っかけてきたんだけどぉ…

柊
よりにもよってこいつまで来るとはな…

柊
獅子頭連副頭取、十亀条…!

十亀
なんで風鈴がこっちにいるの?

十亀
ん〜?

十亀
え〜猿渡、どうしたの?

桜
(なんだこいつ…)

柊
そいつがうちのを追い回してたんだ

十亀
あぁ、柊じゃ〜ん

十亀
やっほ〜

桜
(なんだこいつ…テンポ遅くてイライラする!)

十亀
これ…そいつらがぁ、やったのぉ?

桜
…こいつはヤバそうだ

猿渡
いって…

猿渡
この野郎!お互いのシマでは干渉しねぇルールだろうが!

猿渡
この高架からこっちは獅子頭連のシマだ!

猿渡
オレらのシマででけぇツラしてんじゃ…

十亀が猿渡の頭を持っていたラムネ瓶で殴っり、頭を掴んだ。
十亀
オレらのシマ?

十亀
お前負けたんだろ?

十亀
それ…弱いってことじゃ〜ん

鹿沼
あ〜あ

十亀
お前も知ってるだろぉ

十亀
弱いヤツは…

柊
やめろ!

十亀
ん?な〜に?

柊
同じチームの仲間じゃねぇのかよ

十亀
えっ?誰が?

十亀
こいつは違うよ?負けたから

十亀
負けるってことはぁ…弱いってこと

十亀
弱いやつは…獅子頭連にはいらなぁい

楡井
な…なんだそれ…

蘇枋
聞いてはいたけど、見ていて気持ちのいい連中じゃなさそうだね

桜
ダッセ

桜
力の絶対信仰が聞いて呆れる

十亀
ん?

桜
弱いやつボコってそれが力か…せっかく面白そうなヤツらだと思ったのにガッカリだ

柊
ハァ…

楡井
あわわわ…

蘇枋
フフッ…

十亀
がっかりねぇ…

有馬
あぁ?

鹿沼
ねぇ、あんなこと言ってる、殺す?ころす?

十亀
あ〜、いいからいいから

十亀
それより君…すごい頭してんね、オセロだ

桜
あぁ!?今かよ!

十亀
ていうか君、喋るの速すぎぃ

桜
あぁ!?てめぇが遅せぇだけだろ!

十亀
あ〜ほらぁ、聞こえなすぎて…

十亀
イライラする

十亀
よ〜し、決めた

十亀
君はちゃんとした場所でボコボコにする

十亀
君の顔…覚えたからぁ

十亀
あ、湊君もいたんだねぇ

蘇枋
湊くん…

湊
十亀さん…千夏は…

十亀
だからぁ

十亀
水輝でしょぉ?

十亀
本人も違うって言ってるし、不快だって言ってたじゃ〜ん

桜
(どういうことだ…?)

湊
違うって言ってるでしょ…

湊
その“ 水輝 ”ってのは偽名だ…!

湊
千夏は俺の姉だよ!!

蘇枋
湊くん、どういう…

湊
千夏はあのままじゃ駄目なんだ!!

蘇枋
…

湊
あのままだと…千夏がいたい自分でいられない!

十亀
うるさいな、黙っててよぉ…

十亀
ね?

湊
っ…

十亀
じゃあ、行くねぇ

十亀
またね、オセロくん

桜
誰がオセロだ

楡井
ちょっと2人とも何やってくれちゃってるんすか!!

楡井
もうこれ完全にドンパチなるやつじゃないっすか!

楡井
戦争っすよ戦争!!

蘇枋
はいはいにれ君ちょっと落ち着いて

蘇枋
な〜んか俺、出遅れちゃったけどあれ見ると出ないでよかったかなと思う

楡井
柊さん、用法、容量は守った方が…

楡井
そもそも、桜さんが最後煽ったりしなければ蹴りの件はうやむやになりそうだったのに!

湊
…いや、もし桜君が煽ってなくても俺のさっきの発言で戦ってたかもしれない

湊
桜君は、悪くない

楡井
あ...

桜
…なぁ

桜
さっきの話詳しく聞かせろ

湊
…君達には関係ないんだ、巻き込む訳にはいかない

桜
あっ…

蘇枋
僕は巻き込んで欲しいな

湊
えっ?

蘇枋
せっかく友達になれたのに、何もできないなんて嫌じゃないか

蘇枋
そうだよね、桜君

桜
…そうだよ

楡井
俺も、そう思います!

柊
…なっちまったもんは仕方ねぇ

柊
それに…俺が最初に動くべきだった、すまん

湊
…そんな事ないです

柊
お前はしばらく黙ってろ

柊
自分を責めるようなこと言ってんじゃねぇ

柊
頭冷やせ

湊
…はい

柊
一度学校に戻るぞ

柊
お前、三中の…

笹城
笹城です

柊
笹城も一緒に来い
