小さい頃、プチトマトが苦手だった。
きっと、あの夕食の時から。
紫苑
少し箸が進まないだけで、母親が怒鳴るもんだから。
母
紫苑
ガシャン!!
嫌な音が鼓膜に響いて、食感がどうのこうのではなくなった。
母
こわい
母
母
こわい
母
母
お母さんが、こわかった
紫苑
怖くて指先まで力が入らず、箸が持てない。
紫苑
紫苑
紫苑
PM23:30
紫苑
紫苑
今日の夕食にプチトマトが出てきて、ふと思い出していた。
紫苑
あの夕食の、あの食感と、あの味が脳裏にでもこびりついているのだ。
そんなこびりつくような食べ物を克服したのは、母への恐怖もあるがもう1つ理由がある。
紫苑
ため息をついてペンを置く。
椅子から立ち上がって、カーテンを開けて窓の外を見る。 隣の家の電気は消灯されたようだ。
紫苑
小学生時代 放課後
紫苑
紫苑
こっそりゴミ箱に捨てれば良いものを、監視されているような母親の視線をどこか感じて、捨てられなかった。
紫苑
一人放課後に残され早10分。プチトマトとの見つめっこをしている状況から何も変わらなかった。
母
紫苑
紫苑
紫苑
紫苑
母
ドロッ
嫌な食感
母
舌に残る味
母
口が気持ち悪い。
吐き出したい。
口にトマトを入れた瞬間、この前の夕食の時間がフラッシュバックした。
嫌だったことが脳に蘇ってくる。 記憶が胃を痙攣させている。
紫苑
紫苑
母
紫苑
紫苑
母
紫苑
紫苑
紫苑
黄京
紫苑
紫苑
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