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let's go!
序章:始まりの鐘(上鳴電気side)
UA高校の春は、なんかそわそわする。 ヒーロー科1年A組の教室――窓の外には桜が舞ってて、いい感じの季節だ。 俺の隣には、今日も藍が座ってる。
上鳴 電気
楠野 藍
ドキドキしながら差し出した手。 でも藍は、ちょっと恥ずかしそうにうなずいて、それを受け取ってくれる。
……その仕草、反則級にかわいいって思ったのはたぶん俺だけじゃないと思う。 だけど、その瞬間だけは周りのザワザワした声も遠くに聞こえて、 藍と俺だけしかここにいない気がした。
上鳴 電気
――なんて思っちゃうけど、 実は心の奥がざわついてんの、俺も多分同じなんだ。 藍のこと、ただの「友達」って思えない自分がいて。 それでも、何気ない会話と笑いで、この距離を保つのが“今の俺”だった。
一章:近すぎて見えないもの(上鳴電気side)
訓練後の廊下、俺は何気なく、でも、できるだけ自然に藍に話しかけた。
上鳴 電気
本気で言ってるのに、ちょっと恥ずかしかった。藍が横目で照れたように視線を外す。
楠野 藍
って返されたから、つい気持ちが溢れちまう。
上鳴 電気
本当のこと。隣にいるだけで、なんか胸のどこかがふわっと温かくなる。
藍とは幼なじみ。みんなにはそう言ってるけど――俺にとって、藍はそれ以上だった。
授業で肩がぶつかっただけでまともに息ができなくなる。「友だち」って空気じゃ、とても収まりきらないんだ。
なのに、藍はいつもどこか一線引いてる気がして……この気持ち、どうやって伝えたらいいんだろうな。
水
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