雨の日

雨の日

桃青

簡単に言うと朝チュンですよ

アラｰムの音が部屋に響く

彼が起きないよう静かに止める

でもその｢彼｣がいない

内心焦りながらほんのり暖かい腹部を見るといた

俺の腹に顔を埋めて丸まってる

ふぅっ、と息を吐いてもう一度抱きしめ､静かな部屋に俺と彼の息の音

そして少し激しめな雨の音

まだゆっくりしていよう

きっと起きた時彼はいつもよりカスカスな声で怒る

それでも愛おしい

怒るかな

いや怒らない方がいいけど怒ってもかわいいからいいよどっちでも かわいいから

かわいいからね

雨だから肌寒い

裸だからってのもあるけど

彼が冷えてしまうから布団を掛け直した

次に起きた時はころんがいなかった

眠たい目を擦りながら窓を見る

窓を見たのは何故か肌寒くて風を感じたから

案の定窓は空いていて風でカｰテンが揺れる

揺れている隙間から上に俺の服を着て下はパンツだけで立っているころんが見えた

俺の服だからころんだと大きい

見える首元には昨日の愛情表現の跡

起き上がってパンツとスウェットを履く

ベランダに行きころんを後ろから抱きしめ頭に顎を乗せたけど叩かれた

部屋に入る時小さなキスを1つ落とす

ベッドの上から外を眺めてから俺を見つめてくる

ちらっと時計を見ると10時

開いていたカｰテンを閉めて

くふふ、なんてかわいい笑い方をするからキスの雨を降り注ぐ

そして ころんを押し倒して覆い被さる

静かな部屋の中

彼の甘い声と大雨の音が響いた