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カンカンカンカンカンカン。 赤色のランプが左右で点滅する。 音とは不釣り合いなテンポ。 僕はランプを見ながら、言った。 彼から目を逸らすように。
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y a .
彼はスマホから目を離さずにそう言った。 慣れているのだ。 僕は何回言ったかも覚えていないくらいこの話をしている。 その度にゆあんくんが涙を見せ、僕は誘われるようにこの話を忘れていく。
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この時やっと初めて、ゆあんくんが僕の顔を見た。 真剣な瞳。 いつものパターン。
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そう言ったところで、ゆあんくんが僕の顔を見ていない事に気がついた。 また泣いているのだろうか。
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ここが外である事にも関わらず、ゆあんくんはヒステリックな声で捲し立てた。 怒りの剣幕には、涙が滲んでいる。 ゆあんくんが僕を罵るこれも、パターン化してしまった。
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僕は力のない声で、子供みたいな事を呟いた。 ゆあんくんの瞳から、一筋の涙が流れる。 耐えられなくなったみたいに、ぼろぼろと涙が溢れ出す。
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おまじないとか流行ってたとか、まだ子供なのは変わらない。 ただ、ゆあんくんがそんなロマンチックな事が好きなのかどうかは、怪しかった。
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指切りげんまんと似ている。 だからこそ、変なものを信じてるんじゃないかって、疑った。 中学校でこれが流行るなんて... “嘘”も“苦しい”も、子供のふざけに入っていて良いような言葉じゃない。
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y a .
何故だか分からないけど、迷わなかった。
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ゆあんくんの指が僕の指に絡まる。 その手はまだ小さく、細くて、骨ばっていて、少し硬い。 ゆあんくんが自分の人生の悲痛さを知って貰おうとするように、強く、強く、絡めた。 踏切の点滅音が、耳の奥で鳴り響く________
“嘘ついたら苦しいよ”
y a .
その後に言ったゆあんくんの台詞は、電車の通った音に遮られた。 ゆあんくんに聞いても、何も教えてくれなかった。