なお
なお
なお
なお
なんとも言えない無気力に襲われる
体の力が抜けて やる気も抜けて なにも考えたくなくなる
それでも頭のなかは音で埋め尽くされている
外の風の音、隣の部屋のテレビの音、話し声、車の音 自分の鼓動、自分の呼吸音、突如脳内に流れたお気に入りの音楽
うるさくて、うるさくて
かき消したいけどかき消せない
頭は一生懸命それを処理する
眠気。眠気。眠気。
確かに耳はいい方だ。 自分だけの特別な耳がついているから。
でもきっと、そういうわけじゃない。
目の前で誰かと話す時 たくさんの音が邪魔をする。
誰かの声だけ聴きたいのに 周りがそれを許してくれない。
それがすごく、ほんとうにすごく疲れて
もう誰とも話したくなくなって
ずっと一人で閉じこもる。
......
逃げ場なんてない。
じぶんのこえ、じぶんのこどう そとのおと、そとのおと じぶんのおと、じぶんのおと
こんなあたまなんていらない
うるさいうるさいうるさい
もうなくなってよ!!!!!!!!!
...
自暴自棄になった僕をあの子は見捨てなかったな。
あの子...あの子...
すごく器用で優しいあの子
頭の中にあの子の音が流れてくる
あたたかくて...あたたかくて
ぼくの事を優しくつつんでくれる
「__?」
あの子が呼んでる
あの子のおとはよく聞こえる
周りの邪魔をかき消すように
僕の頭の音たちを ほんの一瞬だけ凪いだ水面のようにしてくれる
なに~!どったの?
あの子は僕のところには来てくれない
想いのほうね。
でもそれでもいい。
幸せそうに笑っていればそれでいいんだ。
あの子は僕の無気力を取っ払ってくれる
だから僕は精一杯の笑顔で返すんだ。
それしか取り柄がないから
ねえ、今日は何して遊ぶ?
僕が何をしたいか...?
...
僕なんかが選んでいいのかなにか答えないとでももしそれがあいての望んでいない返答だったらきっといやあの子はそんなこと言わないいやでも心の中ではきっとこいつ空気読めないなとか思っているんじゃそもそも僕は何がしたいんだろうわからないわからないどうすればいいんだろうどうこたえるのが正解なのはやくなにかいわないとかんがえないといちばんあいてがのぞんでいるせいかいのこたえって
なんだろう、そういう__は何したいとかないの?
これでいいよね?
多分こうやって返すのがいいんだよね。
...
ちゃんと笑えているよね
笑って、わらって、いないと
あたまのなかのおとに
「ぼく」がかきけされそうで
きみのおともかきけされてしまいそうで
...
もういっそのこと
消えたいな
なんてね。
あの子に怒られちゃうから言わないけど。
コメント
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え…かき消されちゃうの…