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拓也

お、おれっこ…?

カロリーナ

えぇ、私思っていましたの

カロリーナ

一人称を発言する際、少し言いづらそうにしていらっしゃったり

カロリーナ

えーっと…少し言いにくいのですが…

カロリーナ

昨日お二人が学校からお帰りになられていた際、私の執事がお二人を偶然見つけ

カロリーナ

偶然にも、一香さんがご自身のことを俺と呼んでいるところを聞いてしまったそうで…

カロリーナ

本当にすみません…

カロリーナはそう言って深く頭を下げた

偶然見つけただけでしょ…頭上げて

カロリーナはゆっくり頭を上げ不思議そうに零に顔を向ける

今後バレると思うし今言っておくけど

俺体は女でも中身男だから…

カロリーナ

えぇ…??

カロリーナ

それは…どうしてですか?

さあ…一ヶ月前くらいに急にこうなってた

カロリーナ

私、ファンタジーなお話には興味がありますので、信じますわ その話

カロリーナ

他の方はご存知で?

いや、中島以外知らない

ちなみに早瀬一香は偽名

本名は姫川零

生徒の前では偽名で呼んでほしいけど、それ以外なら自由に呼んでいいよ

カロリーナ

まあ…!そこまで教えてくだるなんて!

カロリーナ

では、お二人の前では零さんとお呼びますね

拓也

(俺っ娘とか言うんだ…)

拓也

あ、てかさ

拓也

なんで早瀬一香って名前にしたんだ?

妹に決めさせたからわからない

拓也

妹いるんだ なんか意外

 

な、名前長…カロリーナちゃん?

早瀬ちゃんって頭良さそー

ねぇ二人ともどこの学校からきたのー?

拓也

(邪魔だな…)

カロリーナ

一香さんに拓也さん

カロリーナ

ご一緒に帰りませんか?

うん 早く帰ろ

え、そこ仲良いの!?

釣り合ってるねー

でも中島も?

な、なんでだろ

零は昨日のように俺の腕を掴んでカロリーナと一緒に教室を出た

拓也

お前地味に掴む力強いんだよ…

男だし

拓也

脳バグりそう

 

拓也

そういえば、お前って家どこ?

カロリーナ

私はここから八キロメートル先にあるお城に住んでいますわ

拓也

この県に城なんてあるのか…

拓也

てか、通学とか大変じゃねぇの?

カロリーナ

"慣れ"ですわよ

拓也

いやいや…

拓也

あ、俺らここだから

拓也

じゃあな

カロリーナ

えぇ、また明日お会いしましょう

カロリーナは華やかに微笑み、手を振った

 

 

拓也

零?眠そうだけど大丈夫そ?

あ…立てない……

拓也

(あれ…俺も急に眠くなって…)

 

 

拓也

拓也

ここは……?

目が覚めると、落ち着いていて大人の雰囲気が漂うおしゃれなバーらしき店の中にいた。

カウンターに突っ伏して眠っていたようだが、多分今外へ出ようとしても出られないだろう

目が覚めたか

拓也

って…!!

拓也

なんだよここ!?

ここは見ての通りバー

今は営業中止中だけどな

今、俺の目の前には三人の男が立っている

今話したカウンターの向かい側にいる髪も髭も長い少し不潔な男性に

狐を連想させる様なつり目に大きな口をした男に

肌が赤く長い舌を垂らしている一つ目の子供

インパクトが強すぎる三人がこちらをじっと見つめている

拓也

あ、てか早瀬!

慌てて横を見ると、すごく眠そうにしている零がいた。

夜型だから…

拓也

いや今の状況考えろよ!

拓也

お前ら誰だよ…!

"俺は"人間

ここのバーテンダーやってる…あー、名前とか教えなくていいか

適当にマスターとかで呼べ

拓也

ど、どういうことだよ…

あーたのトモダチえらい美人やな

ワイは孤捻 九尾の狐っちゅう妖怪や

拓也

(九尾の狐…??)

拓也

(妖怪とか興味ねぇからしらねぇけど…なんだコイツ)

拓也

コスプレごっこに付き合ってる暇ねぇんだけど…

孤捻

コスプレちゃうわ ホンモノの妖怪や ホンモノの

孤捻

今は力が足りへんくて変身とか簡単にできへんけどな?

孤捻

いつでも本来の姿には戻れるんやで?今はデカなりそうでできんけどな

拓也

(意味わかんねぇ…言い訳ばっかじゃねぇか)

拓也

(こいつは信じらんねぇけど…)

拓也

(隣の奴…目がひとつしかないし死ぬほどベロなげぇな)

拓也

(コイツの方が妖怪だろ明らかに)

んで、オイラが一つ目小僧のぼんや

ぼんや

孤捻兄…女の子おるけど大丈夫なんか?

孤捻

変に喋ってへんし美人やから今んとこええよ

ぼんや

そうか…よかったな

拓也

(こいつらイケメンとは言えねぇよな)

拓也

(まあ、妖怪の擬人化ってこんな感じなんだろうなってカンジ?)

拓也

(いや納得できねぇよ)

拓也

とりあえずお前ら二人が妖怪ってことはわかった 納得はしてねぇけど

孤捻

物分かりええな この無個性

拓也

一言余計だけどもういいわ!

拓也

そもそも、なんで俺らを監禁的なことしてんの?

孤捻

それはな…

孤捻

ワイらお前らと敵だからや

 

拓也

帰っていいすか?

孤捻

ダメ

孤捻

ま、順を追って説明するわ

孤捻

まず敵ってなんのこと?って思ってるやろな

孤捻

まあ、率直にいうと闇バイト的なやつや

孤捻

そん中での話や

拓也

帰ります

孤捻

ダメ

拓也

いやいやいやいや!

拓也

闇バイトぉ!?やるわけねぇだろこの野郎!

孤捻

強制や さもなくばお前ら殺すからな

拓也

理不尽!

孤捻

てなわけで、次次

拓也

はぁ…?

孤捻

まあ具体的に何するんやっちゅう話よな?

孤捻

じっくり説明したるわ そこの美人もな

孤捻

って寝てはりますやん…

拓也

マジかこいつ

孤捻

ほなお前だけでもよう聞けや

孤捻

アンタらはな、世界を救うんや

孤捻

やから…前言撤回やな

孤捻

闇バイトやなくて光バイトや

拓也

(マジでわからん なんにもわからん)

拓也

(てかもう五時…?)

孤捻

どうやって世界を救うか

孤捻

それは簡単や

孤捻

人を殺すんや

拓也

定時帰宅

孤捻

残業や残れカス

ぼんや

はいはーい!ここからはオイラが説明するわ!

ぼんや

聞いて安心しろ!殺すのはクローン的なやつや

ぼんや

裏で日本を悪い方向へ進めてるような外道のクローンを、お前らは殺すんや

ぼんや

だから罪に問われることなんてない!血祭り騒ぎや

拓也

だからってよ…

拓也

あれ てかお前ら敵じゃん

孤捻

せやな

拓也

じゃあお前らが裏で日本を悪い方向へ進めてるってこと?

孤捻

せやな〜

拓也

あそ…例えば何してんの?

孤捻

一般人の家呪ったり人殺しとか少子化進めたりや

拓也

だいぶカスでなにより

ぼんや

まあ、何すればいいかってのは解決する事件の内容によるから

ぼんや

そのマスターに聞いてや

ぼんや

マスターは中立的な存在だから安心して!

拓也

あ、あぁ…

拓也

マジでやんの?俺ら

ぼんや

拒否権ナーシ!

拓也

戦ったりする?

ぼんや

時には

拓也

はあぁ…

拓也

(これが夢ならもうなんでもいい)

拓也

てか、お前らって俺らになんかしてくんの?

ぼんや

殺しに行ったりはしないけど、地味な悪戯はちょくちょくやる予定!

孤捻

他にも話すべきことは山ほどあるけどな 時間も時間や

孤捻

今日は帰れ 親が待ってんで

拓也

(優しいんだかカスなんだか…)

拓也

れっ…あ、早瀬!

何度か零の背中を叩くと、零はゆっくりと目を覚ました

なにここ?

拓也

お前な…

拓也

まあいいや、とりあえず帰りながら話すわ

拓也

今日から俺らの人生売られるぜ…

拓也

かくかくしかじかって訳で…

なるほど

拓也

いやなんで動揺せず理解できてんの

妖怪といえば、座敷わらしがうちにいる

拓也

え??

拓也

ど、どういうこと…?

拓也

(マジでどゆこと??座敷わらし?なんで?)

拓也

(もう誰も信じらんねぇよ…!)

さあ いつのまにか現れて、それから家族みたいに親しくなった

というか、もう妹として見てる

拓也

あー、お前の偽名考えた妹か

拓也

仲良しそうだな

よく話してるよ

また明日

拓也

おう、またな

 

 

お兄ちゃん久しぶり!

 

ねぇなんで最近会えなかったの?

ごめん 学校忙しくて

 

なんで忙しいの?

友達ができたんだ

素を出しても引かれないような優しい友達

 

へぇー!よかったね!

 

あのね!わたし、最近孤捻兄とぼんやとね ここでかくれんぼしたんだ

 

姿を消してもバレちゃって、つまんなかった!

…今日会ったよ その二人と

 

え!ほんと!?

 

じゃあ今度からは四人で遊べるね!!

うん…遊べるといいね

 

ねぇねぇ、それよりさ

 

お兄ちゃんのお母さんとお父さんってどんな人なの?

それは…

 

部屋の外から音は聞こえないし、気配も感じないよ

 

わたしがこっそり部屋を出た時も、いなかったよ

二人とも家にはいないけど、いい人だよ

 

そっか!

 

わたし、お兄ちゃんのお母さんとお父さんと、お友達に会ってみたいなあ!

お父さん以外なら…会えると思うよ

 

ほんと!?やった!

(そういえばここ二年、お父さんと会ってないな)

(あの人なら絶対死なないだろうけど…お見舞いにでも行こうかな)

じゃあ…また……いつか

 

 

う、うん!!わたし、待てるよ!

 

またお兄ちゃんが来るまで待てるよ!じゃあまたね!

(お母さん…また出張か)

最近、近々悪い事が起きそうな予感がする

こういう時にあの人がいればな…

 

(結局嫌な目に遭うくらいなら…いっそ今首を吊って…)

(今はいいか)

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最後不穏すぎて横転

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