流星
真っ黒で艶やかな髪。 透くように白い肌。 きらきらと光る大きい瞳。 目を伏せた時に頬に影を作る長い睫毛。 笑うと綺麗に上がる口角。
何処をとっても綺麗やと思う。
大吾
薄い寝衣を身に纏って、 ベランダから星を見上げる俺の隣に来る。
大吾
注意されて少し項垂れる流星にブランケットを 羽織らせると、流星も俺と同じように空を見上げる。
流星
夜空に散らばる星が、流星と見るといつも以上に輝いて見える。
大吾
夜空に散らばる星よりも流星の方が綺麗やと言えへんのは、 俺がまだ世間の目を気にしてるから。
幸せにする覚悟ができてへんから。
ダラダラと関係を続けては、 手放すことからも向き合うことからも逃げ続ける最低な大人。
こんな関係を続けても お互い幸せになれへんなんてとっくの昔に分かっとった。
流星
その言葉の続きが最悪の結末じゃないことを祈りながら、 それでも自分から現状を変えようとは思えへん弱い自分。
次の言葉が出る前に、 柔らかいその唇に自分の唇を重ねる。
甘いキスを繰り返せば、息苦しくなって 胸元を小さな手で叩かれる。
大吾
流星
薔薇色に頬を染めながら、可愛らしい言葉を紡ぐ。
大吾
大吾
流星
頬を膨らましながら、ぷいっとそっぽを向く その姿が可愛らしかった。
不意をついてもう一度、その柔らかい唇に噛み付くような キスをすれば、酸素を求めて苦しむ流星がまた俺の胸を押す。
唇を離してやると、酸素を得ようと必死に息をする。
流星
大吾
大吾
小さな手を引いて寝室に連れ込む。
さっきまでこの場で乱れていた流星を布団に寝かして、 その隣に自分も寝転がる。
規則的なリズムで優しく胸元を叩いてやれば、 次第に呼吸が緩やかになって流星の大きな瞳が閉じてくる。
大吾
小さな寝息を聴きながら考える。
俺と流星はいつまでこんな関係を続けられるのか。
同じベッドに机を並べていても同じ夢が見れへんように、 同じ行為でも流星はこの行為に愛情なんてないんかもしれへん。
でも、それでもいい。
夢が冷めるまではこのままの関係でおりたい。
たとえ結ばれんくても、 流星がいいと言うまではこのままずっと、 流星を傍で感じていたい。
それが俺のたった一つの願いやから。
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