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ウンソク
家に近づくにつれて だんだん口数が少なくなる
でもあなたの横顔を盗み見る幸せ
このまま時が止まればいいのに そんなこと今まで思ったことはない
僕は割とすぐ感動するタイプなのに 恋にだけは慎重だった
なのに、どうして
ウンソクさんは僕が拾ったあの鍵を見せる どうやら本当に部屋の鍵みたい
ウォンビン
ウンソク
2LDKくらいかな。広いリビング 予想外だけど想定内のシンプルさ
ウォンビン
ウンソクさんはさっき買ったものを テーブルに乗せると ソファにどかっと座った
ウンソク
促されるままついていく ウンソクさんにならって手を洗う こういうところはちゃんとしてる
テレビでも見てて、と言いながら キッチンへ消えていく それとなく部屋の中を見回して そわそわ、落ち着かない
少ししてコーヒーの香り 苦手でも得意でもない ただ香りは好き
ウンソク
カップを差し出しながら言う 聞く前に作るところがウンソクさんっぽい
ウォンビン
ウンソク
ウォンビン
ウンソクさんはふっと笑って 角砂糖の入ったガラスの器を持ってきた
こういう小さなところに女の影を感じる そう僕には、関係ないけど
ウンソクさんの淹れたコーヒーは 思ったより美味しかった
さっきまで会話してたはずなのに 気づけばウンソクさんは ソファーの端で寝ている
ああ、家に来ないか聞いたのは 自分が眠かったからか、と なんだか笑いそうになった
寝てるのを起こすのは悪いし わざわざ泥棒が来ることも考えにくい 自分の買い物袋だけ持って帰ることにした
本当はずっと
寝顔を見ていたかった
目を閉じてさらに際立つまつ毛の長さと 形のいい唇 規則正しく上下する胸板
なんとなく
触りたくて手を伸ばし止めた これ以上は僕がおかしくなる
今日はありがとうございました、と メモを残し
名残惜しく部屋を後にした