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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで

中原 中也

悪いが、お前との関係も終わりだ

聞き間違いと思っていた、いや、 そう思いたかった言葉が、 もう一度しっかりと私の耳を刺す

中原 中也

ポートマフィアの監視からもとっくに
外されてるし、俺がお前と一緒にいる
理由もねぇ

如月 闇

(そ、そんな、まって、いや、
私は離れたくないよ、)

中也さんの言葉を否定したいのに、 喉に詰まって声が出ない

中原 中也

悪ぃな、憎むなら俺を憎め

如月 闇

....っ、(いや、まって、)

中原 中也

この家はお前にやる、
お前の今後を思っての首領からの命令だ

中原 中也

金も最低限必要な金額は置いていく
早めに仕事でも見つけろよ

如月 闇

....、(そんな、そんなことどうでもいい、)

中原 中也

.........

如月 闇

(私は、私は中也さんと、
ずっと、一緒に、、)

中原 中也

じゃあな、
もう会うことはねぇだろうよ、

如月 闇

....っ!、(まって、お願い、行かないで、)

ガチャッ バタン

ドサッ

私は立っていることもできず、 その場に座り込んだ

如月 闇

いやっ、お願い、待ってよ、
置いていかないで、っ、

中也さんが出て行った途端、 無意識に抑えていた言葉が、 溢れて止まらない

如月 闇

お願い、行かないで、
置いて行かないで、

如月 闇

ずっと一緒にいるって、
約束したじゃん、っ、

如月 闇

ブレスレットだって、
まだ渡せてないよ、っ、

流れては零れ落ちる涙は 止まることを知らず、 視界には震えている手だけが、 ぼんやりと映っていた

如月 闇

どうして、っ、わたし、わたし、っ、

如月 闇

うっ、うぐっ、ひぐっ、はぁ、

中也さんと過ごした1ヶ月の間に、 私は泣き方さえも 忘れてしまったのだろうか

如月 闇

ウッ....ハァ、....ヒグッ、

如月 闇

(息ができない、)

如月 闇

(喉が痛い、)

如月 闇

(苦しい、苦しいよ、)

如月 闇

(こんなにも胸が苦しいのに、)

追いかけたかった、

追いかけて、名前を呼んで、 離れたくないと、伝えたかった、

でも私は知っている

1度遠ざかってしまった人は、 いくら泣き叫んで願っても、

二度と戻っては来ないことを

如月 闇

ど、うして、どう、して、

如月 闇

うぅ、、

それから私は一晩中泣き続けた

如月 闇

ん、、?

どうやら気絶してしまっていたようだ

如月 闇

もう朝、か、

如月 闇

.......

如月 闇

私の異能力は、人を傷付ける、

昨日の夜中也さんから聞かされたことが もう一度頭の中を巡る

如月 闇

そっか、だから、
中也さんは離れていっちゃったのか、

如月 闇

しょうがないよね、

如月 闇

そうだよ、
最初から"ずっと"なんてなかったんだ

如月 闇

私は、誰とも一緒にはいられないんだ、

如月 闇

.......

自分を支配していく事実は 耐えられないほど苦しいのに、 私はいたって冷静だった

如月 闇

とりあえず顔洗お

立ち上がって洗面台に行くと、 目の前には、 泣き腫らした目の 醜い人間が立っていた

もう何の感情も存在しないような、 生きる意味を失くしただけの人間、 それが私だった

如月 闇

このまま死んじゃおっかな、

如月 闇

どうせ、私に生きる価値なんてないんだし

そう思ってカッターを手首に当てた時、 私の首元で光る花が目に映った

如月 闇

この花、結局なんて名前なんだろ、

如月 闇

1年記念の日に、か、

如月 闇

そんな日は、一生来ないのにな、

私は死ぬのをやめた

きっともう、 この花の名前を、 中也さんに教えてもらうことは 叶わないのだろう

でも、異能力を持たない私を 愛してくれた中也さんが私にくれた、 この言葉を、 異能力を持つこれからの私の、 生きる意味にしてしまおう

そうしたらきっと、 私と中也さんが過ごしたあの時間は、 過去という記憶にすら残らないで、 消えてくれるだろうから

私は、 もう二度と、誰とも関わらないと、 心に決めた

如月 闇

私は、

1人で生きていく

自分を愛するということ

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