中原 中也
聞き間違いと思っていた、いや、 そう思いたかった言葉が、 もう一度しっかりと私の耳を刺す
中原 中也
外されてるし、俺がお前と一緒にいる
理由もねぇ
如月 闇
私は離れたくないよ、)
中也さんの言葉を否定したいのに、 喉に詰まって声が出ない
中原 中也
如月 闇
中原 中也
お前の今後を思っての首領からの命令だ
中原 中也
早めに仕事でも見つけろよ
如月 闇
中原 中也
如月 闇
ずっと、一緒に、、)
中原 中也
もう会うことはねぇだろうよ、
如月 闇
ガチャッ バタン
ドサッ
私は立っていることもできず、 その場に座り込んだ
如月 闇
置いていかないで、っ、
中也さんが出て行った途端、 無意識に抑えていた言葉が、 溢れて止まらない
如月 闇
置いて行かないで、
如月 闇
約束したじゃん、っ、
如月 闇
まだ渡せてないよ、っ、
流れては零れ落ちる涙は 止まることを知らず、 視界には震えている手だけが、 ぼんやりと映っていた
如月 闇
如月 闇
中也さんと過ごした1ヶ月の間に、 私は泣き方さえも 忘れてしまったのだろうか
如月 闇
如月 闇
如月 闇
如月 闇
如月 闇
追いかけたかった、
追いかけて、名前を呼んで、 離れたくないと、伝えたかった、
でも私は知っている
1度遠ざかってしまった人は、 いくら泣き叫んで願っても、
二度と戻っては来ないことを
如月 闇
如月 闇
それから私は一晩中泣き続けた
如月 闇
どうやら気絶してしまっていたようだ
如月 闇
如月 闇
如月 闇
昨日の夜中也さんから聞かされたことが もう一度頭の中を巡る
如月 闇
中也さんは離れていっちゃったのか、
如月 闇
如月 闇
最初から"ずっと"なんてなかったんだ
如月 闇
如月 闇
自分を支配していく事実は 耐えられないほど苦しいのに、 私はいたって冷静だった
如月 闇
立ち上がって洗面台に行くと、 目の前には、 泣き腫らした目の 醜い人間が立っていた
もう何の感情も存在しないような、 生きる意味を失くしただけの人間、 それが私だった
如月 闇
如月 闇
そう思ってカッターを手首に当てた時、 私の首元で光る花が目に映った
如月 闇
如月 闇
如月 闇
私は死ぬのをやめた
きっともう、 この花の名前を、 中也さんに教えてもらうことは 叶わないのだろう
でも、異能力を持たない私を 愛してくれた中也さんが私にくれた、 この言葉を、 異能力を持つこれからの私の、 生きる意味にしてしまおう
そうしたらきっと、 私と中也さんが過ごしたあの時間は、 過去という記憶にすら残らないで、 消えてくれるだろうから
私は、 もう二度と、誰とも関わらないと、 心に決めた
如月 闇
1人で生きていく