静かな寝室
何もかもを奪うかのように沈みを誘うベッド
この、なんでもない時間が私は好きだった。
というか好きになった。
傷心中の私にはこれくらいがちょうど良かったりする。
美 空
美 空
いつの間にか孤独が染みついた。
いつの間にか独りを好んで人を避けた。
結果完成したのがぼっちな私。
当たり前だけど、心做しか嬉しいような気もして、悲しいような気もする。
独りになれたのは成果だ。拍手。
でも教室で自由ペア作る時余るの勘弁してほしい。
あれ、けっこう辛いんだよね。
同情してペアになってくれる子いるけどさ。
同情するなら金をくれ??(n番煎じ)
というわけなんだ。
もう朝が来てしまったけれど
美 空
美 空
家には私しかいないけど
こういうの癖で出ちゃうって言うしね。
怖い怖い。
自室からリビングへ向かうための、電気が壊れて少し暗い階段を降りながら考えた。
今日も同じなんだって。
毎日朝準備して学校行って帰って色々して寝る。
加えて私一人暮らしなわけだし、
家族がいたなら外食とか、休日は旅行行ってみたりだとか、
誕生日はサプライズしたりしなかったり
でも祝われて、ケーキは絶対食べる。
少なくとも一年に家族の人数分だけは特別で、変わった日がある。
そんな日すら私にはないのだ。
自分の誕生日を聞かれたら数秒フリーズしてしまうような私が自分の爆誕を祝うはずがない。
リビングについてからは別のことを考えた。
美 空
美 空
…食パン嫌いな一人暮らしの家に食パンがあって
しかもそれしかなくて選択肢は一択しかないなんて。
美 空
美 空
美 空
大嫌いなものを朝昼で食べるなんて無理に決まってる。
美 空
美 空
誰が思うだろう。
朝ごはん抜いたくらいでここまで体調を崩すなんて。
美 空
美 空
思い知った。
さてめんどくさい学校も早退して家に帰ってきたことだし
本題に戻ろうか。
私が昨日、傷心していた理由について。
過去の会話を振り返るなんて面倒臭いことはしないけど
私が振られたのは確かにこの場所。
好きな人がいた。
背は高くて、髪は少し焦茶の混じった黒色。
勉強はできないし、授業中でもお構いなく大きな声で笑っちゃうような 不真面目な彼だけど
好きになるまで時間はかからなかった。
少しずつ、慎重に距離を詰めて
冗談を言い合える仲にまで発展した。
あと少し、あと少しだった。
あと少し待つことができれば、完全に実ったはずの恋を
焦りという衝動で、勢いで呼び出して、枯らしてしまった。
ごめん。俺、好きな人いて。あと少しで諦めつきそうだったんだけだな、笑
そのまま諦めて、あわよくば私のものになれば良かったのに。
惚気まで聞かされた私、そのままHPは0になった。
てな感じでそのあと自分の中でたくさん言い訳して
HP10ぐらいは回復させて傷心状態まで持って来れた。
食パンのせいで今は5。
ほんと、全部なくなってくれないかな。
秒針の刻む音が聞こえる。
少しずつ癒えては削れ、癒えては削れをくりかえす私の体力。
1残る方が意外と辛かったりする。
もういっそゲームオーバーになってもいいのに。
私の恋愛も、人生も。
明日なんていう贈り物は
こんな私なんかより今を生きたい人に贈るべき。
美 空
美 空
私はどうせこれから、この友達のもとへ行くのだから。
未練のないゲームオーバーなんて存在しないはずなのにね。
美 空
美 空
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!