コメント
8件
やっっばまじ語彙力(
好きなことない同士ってのがまずいいよね しかも結構長くてさ 読みごたえあってめっちゃよかった
す げ す げ ~ ‼️‼️
× 𝐩𝐫𝐨𝐟𝐢𝐥𝐞 ×
𓂃 ✕ 𓈒𓏸
無 加 村 栞 ナ カ ム ラ シ オ リ
× 高校1年生 × 好きなことが無い ¿
𓂃 ✕ 𓈒𓏸
戸 山 燎 ト ヤ マ リ ョ ウ
× 高校1年生 × 天体観測が趣味 ¿
画像 ↪︎ ノーコピーライトガール 様
START
もし 明日自分が死ぬとして
自分の人生に 名前を付けるとしたら。
「 未練 」とか 「 後悔 」とか そんな悲観的な題名じゃなくて。
「 UNTITLED 」と 付けるだろう。
窓から見える桜の花弁が ひらひらと美しく舞う四月上旬。
今日は高校の入学式だった。 明日はクラスでHRがある。
無 加 村 栞
頭を抱えて しばらく考え込む。
無 加 村 栞
それもそのはず、私には 好きなものが無い。
此の世には、私の心を掴む何かなど あるはずがなかった。
私には好きな食べ物も、音楽も 色も、人も居ない。
無 加 村 栞
無 加 村 栞
無 加 村 栞
「 好きな物は無いです 」
当然、その言葉を聞いた途端 皆は変な目で私を見始めると思うが
変な目で 見られたくないからと
偽りの “ 好き ” を 身にまとうことなどしたくない。
無 加 村 栞
無 加 村 栞
私は、好きなことがあっても 人に囲まれる人間では無い。
せめて、孤独な人生を 送るとするならば
自分のエゴを守って 孤独で居たかった。
翌 日
無 加 村 栞
無 加 村 栞
無 加 村 栞
いつもどうりの自己紹介
直す気など 更々ない
嘘 ツ き 二 ハ 無 リ た 苦 ナ ゐ ン だ
こーいう言葉とか まばらな拍手とか 耳から届いても
頭から届いても どうでも良かった。
ミ ン 無 ウ ソ 憑 気 だ ヵ ラ
── そう、 みんな嘘つきだから人と上手に関われるんだ。
みんな、他人からの評価を得るために “ 好きなこと ” を作って
それを身にまとって 生きているんだ。
だから私みたいな人は 嘘つきばかりの現代社会では
「 へ ん な ひ と 」
と思われ、 次第に距離をとっていく。
好きなことがないって おかしいの? みんな 好きなことがないと しんじゃうの?
そんな疑問を 投げつけても
ベストアンサーを答える人は この世に存在しないだろう。
── 自己紹介が終わった後の 休み時間。
みんな 「 すきなこと 」について話してる
だから当然 好きな事の無い
私に話しかけてくる人は 誰も居ない。
やっぱり皆 同じだ
「 好きなこと 」が無いと 生きていけないんだ。
嘘つきな自分の方が 好きなんだ。
同じ価値観を持ってる人としか 接せられないんだ。
… そうだよね ずっと分かり合えない人と一緒にいても
自分が疲れちゃうもんね。
けどそれは 私も同じことだ。
自分が好きじゃないことに 触れて、共感して …
…… そんなことして 生きてたって
ず っ と つ ま ん な ゐ ね
side 戸 谷
戸 山 燎
戸 山 燎
僕に向けられる 二十九人の拍手。
なんも変哲のない 唯の自己紹介。
… だが
僕の心には “ 違和感 ” があった。
“ まだ ” 高校生だ。 大人になってから
好きなことなど、幾らでも 見つかる。
── それは僕がいつも 僕に言い聞かせてる言葉だ。
僕は今、天体観測が 趣味だと “ 言っている ” 。
… 本当にそれが好きなわけ では無い。
── 好きなことが 無いって言ったら
皆から変な目で 見られるかもしれないって
ただ、臆病な理由で 自分を偽ってしまった。
けど、彼女 ── 無加村さんは違った。
無 加 村 栞
無 加 村 栞
戸 山 燎
彼女は … 僕が一番恐れていた、 言えなかった言葉を
はっきり、堂々と 言っていた。
単純に 「 す ご い 」と思った。
彼女は、自分を曲げない強さを、 “ 本当の自分 ” を みんなに伝えていた。
まばらな拍手の中で 僕は盛大な拍手を無加村さんに送った。
自己紹介後、 休み時間。
クラスの皆はそれぞれ 数名ずつ集まって挨拶をしている。
しかし、彼女… 無加村さんだけは
独り、ぽつんと 虚空を見つめていた。
その姿に、さらに 興味を持たされる。
── 僕は知りたい。 無加村さんの強さを。
“ 本当の ” 無加村さんを もっと __
好奇心とその心に誘われて 意を決して話しかけてみることにした。
戸 山 燎
戸 山 燎
無 加 村 栞
彼女は目を見開き 此方を向く。
それはどこか、 嬉しそうにも見えた。
戸 山 燎
無 加 村 栞
戸 山 燎
戸 山 燎
無 加 村 栞
動揺してる!? や、やばい… 変なこと言ったかな僕!!
戸 山 燎
戸 山 燎
戸 山 燎
何 哲学的なこと いってんだ、僕…
今すぐ発言を取り消したかったが もう遅かった。
無 加 村 栞
無 加 村 栞
戸 山 燎
予想外の発言に 混乱してしまった。
やっぱり、変な事 言っちゃったかな、!?
やばいやばい、 仲良くなるどころか引かれるかも!?
無 加 村 栞
無 加 村 栞
「 嬉しい 」 その言葉が、僕を軽くあたたかく包んだ。
戸 山 燎
戸 山 燎
戸 山 燎
嬉しさで言葉が 先走ってしまう。
それは、頭よりも 心で話している証だった。
戸 山 燎
恥ずかしさというブレーキが 効かないけれど
今の自分にそれは不必要だった。
無 加 村 栞
無 加 村 栞
戸 山 燎
戸 山 燎
彼女は僕の “ 偽物の人生の題名 ” を
“ 本当の人生の題名 ” に変えてくれると 思った。
side 無 加 村
早く学校なんか 終われば良いのに、
こんなこと入学二日目に 考えて良いのか分からないが
唯つまらない気持ちと 辛い気持ちが交錯して
なんとも言えない重いものが 私にのしかかってくる。
無 加 村 栞
そう逃げ道を 探そうとしていると
戸 山 燎
戸 山 燎
無 加 村 栞
私の名前が耳に入り 思わず声の主を見る。
初めて自己紹介をしてから 人に話しかけられた、
なんとも言えない嬉しさを 噛み締めながら
次の言葉を待った。
戸 山 燎
「 興味 」 初めて自分に向けられた言葉だった。
この人は不思議だ、 と思った。
なんにも無い私に、 興味を持つ?
無 加 村 栞
戸 山 燎
戸 山 燎
無 加 村 栞
今まで見てきたことの無い人だ。
“ 普通 ” なら そこで決めるのに、
なんでだろう この人は、
なんで私が誰かに 言って欲しいってずっと思ってきた事を
戸 山 燎
戸 山 燎
戸 山 燎
無 加 村 栞
好きなことは 一生できないと思っていた。
… そうか、これから私に 好きなことが出来るかもしれないんだ、
そんなこと、一度も 考えたことがなかった。
無 加 村 栞
今までの自分が 馬鹿馬鹿しく思えた。
戸 山 燎
無 加 村 栞
無 加 村 栞
戸 山 燎
戸 山 燎
… この人は同じ立場から 私を分かってくれるんだ、
ただの 「ヤサシイ人」じゃないんだ、
どうしよう… 凄く救われた気持ちになる、
この人は、私を理解してくれた。 私を、認めてくれた。
今まで私はずっと 私を理解してくれる人など居なくて
孤独に過ごして 人生を終えると思っていた。
だから、人生に題名を付けるなら ムダイ UNTITLED
にしようと決めていた。
けど、この瞬間から 私にはその現実は消えた。
これからきっと、私の人生… いや 私の “ 青い春 ” には
タイトルが名付けられる程の 素敵な想い出が待っているのだと
確信させられる何かが 彼の瞳にはあった。
無 加 村 栞
無 加 村 栞
これから分かる私の 人生の題名が
── と て も 、楽 し み だ 。
た ま ご の こ ん て す と 恋 愛 部 門 希 望
𝑒𝑛𝑑