jin
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『nutella』
jin
ヌテラを少量、パンにのせて塗り広げる
適当に塗ったあと、一口かじるとパンの生地にべっとりと張り付いた、甘い甘いヌテラの味。
jin
不自然な甘さを舌で感じながら、時刻を見た僕は慌てて家を飛び出した
『-Nutella-』
__大学にて
jin
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友人A
友人B
jin
そんなくだらないことを数人のいつメンと言い合いながら、僕は講堂内のいつもの席に座る
午後を少し過ぎた時間帯。
教授の抑揚のないトーンで話される講義内容は、ほとんど頭をすり抜けていく
そんな眠くなるような講義から僕の大学生としての『いつもの日常』が、始まった
jin
すべての講義をやってのけた僕は、軽く伸びをする
と、そんな僕にさっきまで眠そうにしていた友人たちが目を輝かせてこちらを見てくる
友人B
jin
友人A
そう言い残すと、友人たちはさっさとどこかへいってしまう
jin
僕は苦笑いしながらも、荷物をまとめて一旦家へと戻る準備をする
_夜には、大学ではあるあるの行事が開かれるから
サークル仲間達
友人A
…そう、この馬鹿みたいに騒がしい『サークル活動』
その中でもうちは結構よく聞く、いわゆる『飲みサー』っていう部類で
ただ酒を飲むだけの超適当でゆる~いサークルだ
jin
友達に『うちすごい健全なサークルだから、来てみ!』と言われから入ってみたけど…
……本当に、つくづく所属したことを後悔する
jin
……そう言いつつも、僕の目線はチラチラと向かい側の席の方を度々行き来する
ヌナ
あんまり思い入れのないこのサークルに僕が所属し続けている理由、それはまさしく
jin
…サークルに所属している女子の中のひとり、ヌナ、彼女が好きだからだ
彼女とは年齢も同じで、喋ったことさえないけれどずっと片思いをしている相手だ
彼女の魅力には他の男も虜になっているようで、サークル内の男子はだいたい彼女にお近づきになろうと奮闘している
jin
jin
彼女を放心したように見つめていると、僕のそばに大きな影が寄ってきた
taehung
jin
taehung
jin
目を細めて僕のことを笑うこの男は、キム・テヒョン。
僕より1個年下で、何かにつけて僕に絡んでくる弟?的な存在。
彼は持ち前の美貌と魅力的な低音ボイスで、大学内の女子の間では人気らしい。
そんなテヒョナの肩に頭をのせて、僕は彼によりかかる
jin
taehung
意地悪そうな笑みを浮かべてテヒョナは笑う。きっと彼も彼女を狙っているんだろう。
jin
こんなイケメンで、声もかっこよくて、おまけに何でもできるやつにヌナちゃんが目をつけないはずがない
jin
諦めと悔しさで感情がグシャグシャになった僕は、狂ったように酒を飲み始めた……
________
jin
喉の乾燥と痛みで、ぼんやりと目を覚ます
taehung
ぼやける視界の中には、こちらを眺めながら微笑んでいるテヒョナの姿
一体、ここはどこなんだ…?それに、飲み会は…
taehung
僕の心を読み取ったかのように、テヒョナがさらりと答える
taehung
jin
taehung
……テヒョナの話によると
ヤケ酒をして必要以上にお酒を飲んでしまった僕はひどく酔っ払い…
何を思ったのか、フラフラと立ち上がると
jin
あろうことか、みんなの前で盛大に公開告白をしたのだ
…まあその後がだいぶ悲惨な話で
ヌナ
ヌナ
……きっぱりと断られ、追加で彼氏持ちだったことも告げられた、らしい
ショックだったんだろう、突然泣き崩れたとおもうとまた酒を浴びるように飲み始めて…
…結局その後はひどく泥酔した状態になって、テヒョナが引き取ってくれたらしい
taehung
jin
僕はテヒョナの話を聞き、顔が真っ赤になるほど恥ずかしくなる
要はみんなの前でフラレる醜態をさらし、泥酔して大迷惑をかけたわけだ
恥ずかしさと申し訳無さで、顔が熱くなる
jin
taehung
テヒョナは余裕な感じで笑いながら、丸いチョコのようなものを僕の口に押し込む
jin
感触は柔らかいが、噛んだ瞬間刺激の強い味が口内に広がる。
この張り付くような甘さ、べっとりと舌に残る後味。どこかで食べたことのある味だ
jin
僕の反応とは裏腹に、テヒョナは嬉しそうに頬を赤らめて近づいてくる
taehung
そうやって、彼が取り出した容器には
jin
jin
taehung
テヒョナは微笑みながらゆっくりと距離を近づけてくる
taehung
taehung
jin
taehung
taehung
jin
何がなんだかわかっていなくて戸惑っている僕の口に、テヒョナはさっきのチョコをもう一粒押し込んでくる
taehung
taehung
…あ、やばい、襲われる
そう本能的に感じたにはもう遅くて
taehung
jin
jin
テヒョナの濃厚なキスが、僕を待ち受けていた
taehung
taehung