純愛は似合わない

イケメン同士は仲がいいと言うが、俺の学校も例外では無い。

今日も無意識にキラキラオーラを振りまいて廊下を歩いている。

まぁ、その1人は幼なじみなんだけど。

さっきからいふと話す楽しそうな姿を見てモヤモヤする。

高校生になれば恋愛の1つや2つはするだろう。かくいう俺も、りうらに恋をしていた。

ずっと、小さい頃から。

ただの幼なじみ、弟としてなんてどうにも見れなくて、密かに恋心を抱えている。

ちょっと期待した。久しぶりに2人で食べられると思ったのに

いや、気まず。

てかあんま喋ったことないし、そもそも俺苦手なタイプだし

ほぼ初対面で呼び捨てなのは置いといて、いふのあとを歩く。

俺より少ししか高くないはずの背は、やけに高く感じた。

昼休み、一緒にご飯を食べるまでは良かったのだが、

さっきから2人でずっと話してるから俺は1人寂しく弁当を頬張っている。

右手でスマホを開く。

ロック画面に映った小さい頃のりうら。それを見ただけで頬が緩んでいく気がした。

にっこにこで卵焼きを食べるりうら。

あーんなんてする年じゃないのに。

顔が熱い。

心音が早くて2人の会話はさっきよりも聞こえずらかった。

ﾊﾞﾀﾝっ……(扉)

いや気まず。

いきなり腕を引かれる。

次に聞こえてきた言葉に目を見開いた。

そう言って見せてきた画面には、りうらの写真を眺めている俺がいた。

しかも、寝顔の写真。

りうらを見る俺の顔は真っ赤に染っていて、どう見ても、幼なじみに向ける顔では無い。

冷たい手が俺の頬に触れる。

震える身体を抑えながら、小さく頷いた。

イケメンは誰にでも優しいと言うが、こいつは例外かもしれない。