台風が過ぎ去り、此処にも再び太陽が微笑む様になった。暴風雨で庭は少しだけ荒れてしまったけれど、花は未だ元気そうだ。
庭に出ると未だ膨らんでいない青い蕾が、風にふわりと揺れるのが見えた。
太宰
中也
中也
太宰
太宰
中也
中也はそう云って溜め息を吐く。私はそんな中也を見て笑った。
太宰
中也
中也
太宰
中也
中也はそう云って笑った。私はそんな中也を見て、少しの寂しさを抱く。
太宰
中也
太宰
中也
太宰
太宰
太宰
私がそう云って口を噤むと、中也はそんな私を抱きしめた。
中也
太宰
中也
太宰
中也は私の頭を優しく撫でる。とても温かくて、私は思わず涙が出そうになった。
太宰
中也
中也
太宰
中也
太宰
私はそう云って笑う。中也も少し照れたように笑って、また私の頭を優しく撫でた。
太宰
私は中也の胸の中で名前を呼ぶ。中也は優しい笑みを浮かべたまま、如何したと云った。
私は何も答えず、中也を抱きしめる腕に力を少しだけ込めて、中也の首筋に顔をうずめた。
何分経っただろうか、私は中也に声をかける。
太宰
中也
太宰
私がそう云うと、中也は私の頬を軽く抓った。
太宰
中也
中也
太宰
中也
中也がそう云って歩き出した。私はそれを追って、隣に並ぶ。
中也
太宰
中也
私は中也に手伝って貰いながら、庭の片付けをする。少し時間が経って、花の世話もひと段落ついた頃、私はふと中也に尋ねた。
それは本当に、何気無い質問だった。
太宰
中也
太宰
太宰
其の質問をした瞬間、空気が凍ったのを感じた。中也の顔が引き攣る。
私はその空気を敏感に感じ取り、地雷を踏んでしまった事を悟る。
中也
太宰
中也
中也はそう云ってまた笑った。
太宰
中也
中也はそう云って私を強く抱きしめて、背中を優しくさする。私はその肩に顔をうずめて、中也に縋った。
中也
中也は何度もそう云う。私は如何仕様も無く、涙を流した。
太宰
太宰
私が泣きながら云うと、中也は黙り込んでしまう。其れでも尚、背中をさする手は止めない。
中也
太宰
私の言葉に、中也はまた黙り込む。
太宰
中也
太宰
中也
中也は目を見開いて驚く。私は構わず続けた。声が震える。
太宰
太宰
太宰
中也
太宰
抱いて。
最後の言葉はとても小さかったけれど、中也は聞き取ってくれた様で、唇に接吻の嵐が降ってくる。
小鳥が啄む様な優しい接吻に、私は酷く安堵した。胸がきゅう、と締め付けられて、涙が溢れて止まらなくなる。
嗚呼、私は本当に、情けないな。
太宰
中也
太宰
中也は角度を変えて何度か接吻をする。唇の間を割って、舌が侵入してきた。私はそれを拒む事無く受け入れて、自分の舌と絡めた。
太宰
中也
太宰
中也
そう云って中也は私を抱き上げる。寝室へ移動して、優しくベッドに寝かせられた。
温かな陽の光が微かに寝室の窓から入り込んでくる。
未だ日も沈まない明るい内から此んなことをするなんて、とも思ったけれど、もう如何でも善かった。
唯、目の前の愛おしい人に触れたかった、触れて欲しかった。
私は、中也の首に腕を回して接吻をした。
コメント
3件
作者なのに作品に感情移入しすぎて作中の太宰さん並みにボロ泣しながら書き上げました🥲